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12 学園祭の花は誰だ?(2)

12-4 決勝戦ですよ!

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            12ー4   決勝戦ですよ!

   俺は、決勝戦の前にまだのびているクロの側に寄っていって囁いた。
   「あんな子相手に、情けないな」
    俺は、クロの体に触れるとエレの術を解いてやった。
   術が解けて、がばっと起き上がってクロは、唸った。
   「油断した。あんなチビ相手だったから」
    「そうかよ」
    俺は、言った。
   「決勝戦は、クロは大将な」
    「なんで?」
    クロがハトマメできいた。
   「俺は、やれるぞ!」
    「だめだ」
     俺は、クロに向かってにっこりと微笑んだ。
   「これは、お仕置きなんだから、クロ」
   本当は、違う。
   この状態異常の魔法は、厄介だ。
  術を解いても、しばらくは麻痺が残る。
  俺は、ラニの力で補正してるからなんとか動けるけど、クロは、無理だろう。
   相手が相手だし万が一を考えて、クロは、後にまわしたかった。
   「メリッサぁ・・」
   クロが情けない声を出したので、俺は、笑った。
   「あきらめて、ゆっくり休んでろ」
   というわけで、先鋒は、俺になった。
   決勝戦は、やっぱり『特別クラス』だった。
   その先鋒は、あの生意気な小柄な女の子だった。
   「来い!ガーランド!」
    リューイ先生の手が振り下ろされると、すぐに少女は、術を発動させる。
   土壁が俺を取り囲むように出現した。
   なんだ?
  俺は、土壁の切れている方へと向かった。
   そうか。
  これは、迷路だ。
  俺は、しばらく迷路の中をうろついた。
  うん。
  かなりややこしいことになっている。
  壁の高さは3メートルぐらいあって乗り越えることはできそうになかった。
   たぶん、あの子は、時間切れで引き分けを狙ってるんだろう。
   だけど、そうは問屋がおろさない。
   俺は、飛行魔法で上昇した。
   上から見れば迷路の向こうにいる彼女の姿が丸見えだった。
   「飛ぶなんて、卑怯だぞ!」  
    少女が文句言ったけど、そんなことルールで決まっている訳ではないので大丈夫だ。
   俺は、少女に向けて光の矢を何本も狙いをつけてきいた。
   「どうする?」
    「降参!」
    あの少女が迷路に変えた会場がもとに戻されるとすぐに次鋒戦が始まった。
   『特別クラス』の次鋒は、あの灰色の髪の少年だった。
   「出たな、ガーランド!」
   少年が言った瞬間に、俺は、彼を氷漬けにしてやった。
   「あっ!」
    俺は、彼を氷漬けにした後で気づいた。
   「名前聞くの忘れてた!」
    「勝者、ガーランド!」
    会場が、わぁっとわく。
   

    
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