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12 学園祭の花は誰だ?(2)
12-1 恋に落ちますか?
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12ー1 恋に落ちますか?
学園祭 2日目。
俺たちは、『花嫁クラス』旋風を巻き起こしていた。
なにしろ、クラス対抗試合の魔法の部 個人戦と剣技の部において1位を勝ち取ったのだ。
しかも、男装の美少女と女装の美少年だ。
俺たちのカフェは、俺とアレイアスを見に来た連中で満員だった。
「もう、どうにかして!」
カフェを取り仕切っているリーダーであるレティが悲鳴をあげる。
教室の外も入室を待っている人々でごった返していて、他のクラスからクレームがきていた。
俺は、整理券を配ることにした。
だが、整理券を配っても教室の外には、たくさんの人々がたむろしていてなかなか立ち去ろうとはしなかった。
俺は、一計を案じた。
それは。
「はい、どうも!」
女装した男子4人組が教室の外へと出ていく。
彼らは、整理券を持つ客たちに俺が商品にしようと思って作っていたムートの蜜で作った特性の飴を配り始める。
メイド服を着てカツラを被ったクロ、クロノ、アレイアス、ラクアスが籠に入れた飴を1つずつ外の人々に手渡ししていくと、珍しさもあって、さらに人が集まってきた。
「みなさん、すみませんが、きちんと列をつくって、お静かにお待ちくださいね」
サラが声をかける。
客たちは、ずらっと列を作って店の前に並んでいった。
「ほらよ」
素っ気なく飴を手渡すクロとアレイアスに比べて、ラクアスとクロノは、丁寧だ。
「どうぞ」
笑顔で手渡す彼らに、客は、頬を赤らめるものもいた。
また、冷たい態度をとっているクロとアレイアスにも、そういうのが好きな客がいるらしく、ポッとなって見つめている連中がいた。
中には、彼らが男だと知ってか知らずか、ナンパしてくる連中までいた。
「付き合ってください!」
「殺されたいのか!貴様!」
時々、クロやアレイアスの怒鳴り声がきこえてくるのを俺は、微笑ましく見つめていた。
喧騒の中、誰かが、ピシャリと言った。
「静かにしないか!お前たち!」
それは、特別クラスのプジョンだった。
さすがは、王族の血筋だな、と思って見ているとクロノがプジョンににっこりと微笑みかけて飴を渡した。
「ありがとうございます」
「あ、あの・・」
突然、舌を切り取られたかと思うほどにアワアワし出したプジョンに、俺は、吹き出した。
鈍感なクロノは、そんなプジョンを小首を傾げて見つめていた。
「どうかされましたか?」
「あ、あ・・の、その・・」
プジョンは、クロノの前で真っ赤になってうつ向くと突然踵をかえして去っていく。
「また来る!」
「はい」
微笑みを浮かべて手を振るクロノを見ながら俺は、ちょっとひいていた。
クロノは、美少女かもしれないが、男なんだぞ!
学園祭 2日目。
俺たちは、『花嫁クラス』旋風を巻き起こしていた。
なにしろ、クラス対抗試合の魔法の部 個人戦と剣技の部において1位を勝ち取ったのだ。
しかも、男装の美少女と女装の美少年だ。
俺たちのカフェは、俺とアレイアスを見に来た連中で満員だった。
「もう、どうにかして!」
カフェを取り仕切っているリーダーであるレティが悲鳴をあげる。
教室の外も入室を待っている人々でごった返していて、他のクラスからクレームがきていた。
俺は、整理券を配ることにした。
だが、整理券を配っても教室の外には、たくさんの人々がたむろしていてなかなか立ち去ろうとはしなかった。
俺は、一計を案じた。
それは。
「はい、どうも!」
女装した男子4人組が教室の外へと出ていく。
彼らは、整理券を持つ客たちに俺が商品にしようと思って作っていたムートの蜜で作った特性の飴を配り始める。
メイド服を着てカツラを被ったクロ、クロノ、アレイアス、ラクアスが籠に入れた飴を1つずつ外の人々に手渡ししていくと、珍しさもあって、さらに人が集まってきた。
「みなさん、すみませんが、きちんと列をつくって、お静かにお待ちくださいね」
サラが声をかける。
客たちは、ずらっと列を作って店の前に並んでいった。
「ほらよ」
素っ気なく飴を手渡すクロとアレイアスに比べて、ラクアスとクロノは、丁寧だ。
「どうぞ」
笑顔で手渡す彼らに、客は、頬を赤らめるものもいた。
また、冷たい態度をとっているクロとアレイアスにも、そういうのが好きな客がいるらしく、ポッとなって見つめている連中がいた。
中には、彼らが男だと知ってか知らずか、ナンパしてくる連中までいた。
「付き合ってください!」
「殺されたいのか!貴様!」
時々、クロやアレイアスの怒鳴り声がきこえてくるのを俺は、微笑ましく見つめていた。
喧騒の中、誰かが、ピシャリと言った。
「静かにしないか!お前たち!」
それは、特別クラスのプジョンだった。
さすがは、王族の血筋だな、と思って見ているとクロノがプジョンににっこりと微笑みかけて飴を渡した。
「ありがとうございます」
「あ、あの・・」
突然、舌を切り取られたかと思うほどにアワアワし出したプジョンに、俺は、吹き出した。
鈍感なクロノは、そんなプジョンを小首を傾げて見つめていた。
「どうかされましたか?」
「あ、あ・・の、その・・」
プジョンは、クロノの前で真っ赤になってうつ向くと突然踵をかえして去っていく。
「また来る!」
「はい」
微笑みを浮かべて手を振るクロノを見ながら俺は、ちょっとひいていた。
クロノは、美少女かもしれないが、男なんだぞ!
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