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10 婚約と姑と5人の亜人
10-9 メイドさんを貸し出しですか?
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10ー9 メイドさんを貸し出しですか?
ロイとライラが言うには、亜大陸は、古より続く呪いによって大地の腐敗がすすみ、ついには、食べ物にも困り飢え死にする者も出るほどになっていた。
そのため、大陸で1番大きな国であるイロイリアの王 アケメネスが5人の勇者をこのアルゴス大陸へと向かわせたのだった。
5人の勇者というのは、イロイリアの皇子アレイスタに、イロイリアの聖女であるシャラ。そして、オーク族の族長 ファイズにゴブリン族の王の子である双子のロイとライラだった。
「聖女?シャラが?」
俺たちは、そこに1番食いついていた。
だが、ライラは、力説した。
「本当なら、あたしたちなんて足元にもよれないぐらい尊い方なんだから!」
マジか。
食事を食べ終わったライラがポツリと呟いた。
「これから、あたしたち、どうなるのかな・・」
「さあな」
俺は、ライラの問いに答えた。
「お前たちは、いたづらなんて言葉じゃすまされないことをしたんだからな」
「うぇっ・・」
ライラが泣き出した。
「せめて、国で飢えてるみんなにもいっぱいご飯を食べさせてあげたかった」
「泣くな!ライラ」
ロイが言った。
「俺たちは、勇者なんだ。最後まで毅然としてろ!」
「どうする?ラクアス」
俺は、ラクアスに訊ねた。
ラクアスは、固い表情で答えた。
「たとえ、どんな理由があっても、この連中のしたことは許されることではない」
「うん」
俺は、頷いた。
それは、正論だ。
だけどな。
俺には、こいつらを殺すことはできない。
ラクアスは、怒りと同情の入り交じったなんともいえない複雑な表情を浮かべていた。
そのとき。
ドアが開いて、黒衣の大男が入ってきた。
「ファイズ!」
ライラとロイが大男に駆け寄ってしがみついた。
「大丈夫か?二人共」
大男がしゃがみこんで2人を抱き上げる。2人は、大男の腕に抱かれてこくりと頷いた。
「こいつらが、飯をくれた」
「なぁ、ファイズ、こいつら、悪い奴じゃないぞ。殺すのはやめておこうぜ」
大男は、2人の言うことを黙ってきいていたが、ポツリと言った。
「すまなかったな。仲間が世話になった」
「ああ?」
俺は、大男を見上げた。
「あんたも食ってけよ。どうせ、城の中にはもう、食い物なんてないんだし」
俺は、ハムたちに命じて城の中の食い物をすべて食い尽くさせていた。
大男は、溜め息をついた。
「やはり、お前たちの仕業か」
「さあ、どうかな」
俺は、とぼけると、ついでにファイズにきいた。
「こいつらを迎えに来たわけ?」
「いや」
ファイズが答えた。
「お前に頼みがあってきた」
「なんだ?」
俺が訊ねるとファイズが言いにくそうに言った。
「お前のメイドを貸してほしい」
「キティを?」
「ああ」
俺はキティに向かって目配せをした。
「いいよ」
キティは、戸惑いを隠せなかったけど、俺が頷いて見せると、意を決した。
「わかりました」
ロイとライラが言うには、亜大陸は、古より続く呪いによって大地の腐敗がすすみ、ついには、食べ物にも困り飢え死にする者も出るほどになっていた。
そのため、大陸で1番大きな国であるイロイリアの王 アケメネスが5人の勇者をこのアルゴス大陸へと向かわせたのだった。
5人の勇者というのは、イロイリアの皇子アレイスタに、イロイリアの聖女であるシャラ。そして、オーク族の族長 ファイズにゴブリン族の王の子である双子のロイとライラだった。
「聖女?シャラが?」
俺たちは、そこに1番食いついていた。
だが、ライラは、力説した。
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食事を食べ終わったライラがポツリと呟いた。
「これから、あたしたち、どうなるのかな・・」
「さあな」
俺は、ライラの問いに答えた。
「お前たちは、いたづらなんて言葉じゃすまされないことをしたんだからな」
「うぇっ・・」
ライラが泣き出した。
「せめて、国で飢えてるみんなにもいっぱいご飯を食べさせてあげたかった」
「泣くな!ライラ」
ロイが言った。
「俺たちは、勇者なんだ。最後まで毅然としてろ!」
「どうする?ラクアス」
俺は、ラクアスに訊ねた。
ラクアスは、固い表情で答えた。
「たとえ、どんな理由があっても、この連中のしたことは許されることではない」
「うん」
俺は、頷いた。
それは、正論だ。
だけどな。
俺には、こいつらを殺すことはできない。
ラクアスは、怒りと同情の入り交じったなんともいえない複雑な表情を浮かべていた。
そのとき。
ドアが開いて、黒衣の大男が入ってきた。
「ファイズ!」
ライラとロイが大男に駆け寄ってしがみついた。
「大丈夫か?二人共」
大男がしゃがみこんで2人を抱き上げる。2人は、大男の腕に抱かれてこくりと頷いた。
「こいつらが、飯をくれた」
「なぁ、ファイズ、こいつら、悪い奴じゃないぞ。殺すのはやめておこうぜ」
大男は、2人の言うことを黙ってきいていたが、ポツリと言った。
「すまなかったな。仲間が世話になった」
「ああ?」
俺は、大男を見上げた。
「あんたも食ってけよ。どうせ、城の中にはもう、食い物なんてないんだし」
俺は、ハムたちに命じて城の中の食い物をすべて食い尽くさせていた。
大男は、溜め息をついた。
「やはり、お前たちの仕業か」
「さあ、どうかな」
俺は、とぼけると、ついでにファイズにきいた。
「こいつらを迎えに来たわけ?」
「いや」
ファイズが答えた。
「お前に頼みがあってきた」
「なんだ?」
俺が訊ねるとファイズが言いにくそうに言った。
「お前のメイドを貸してほしい」
「キティを?」
「ああ」
俺はキティに向かって目配せをした。
「いいよ」
キティは、戸惑いを隠せなかったけど、俺が頷いて見せると、意を決した。
「わかりました」
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