68 / 217
7 カップリングで楽しい学園生活?
7-5 お友だちが増えました?
しおりを挟む
7ー5 お友だちが増えました?
午後から俺たちのクラスは、中庭にある闘技場に集められていた。
「みなさん、お静かに!」
ざわめいている生徒たちに向かって、アンナ先生が叫んだ。
「これから、カップリングの相手を決めていただきます。相手の決まった方は、契約の儀式を行ってくださいねぇ」
「さあ、始めるぞ、キティ」
俺は、キティに向き合って言った。キティは、おどおどしている。
「本当に、わたしなんかでいいのですか?」
「俺は、お前がいいんだ!」
俺が手を差し出すとキティは、おずおずとその上に手を置いた。
俺たちは、2人で手を取り合って呪文を唱えた。
「「苦しき時も、楽しき時も、共に進まん」」
「ちょっと、待ったぁっ!」
クロが突然飛び込んできて俺に背後から抱きついた。
「わっ、わっ!!」
契約の魔法が俺たち3人を包み込み、絡めとった。
ぼんっ!
爆発音がして、俺たちは、ぶっとんだ。
「んぅっ・・」
「メリッサ!大丈夫か?」
クロが俺を助け起こすが、俺は、すぐにクロを突き飛ばしてキティの方に駆け寄った。
「キティ!大丈夫か?」
「は、はい、なんとか」
「あなたたち、どうしたの?」
アンナ先生が慌てて駆け寄ってきた。
「契約が・・3人で?こんなの聞いたことないわ!」
「はい?」
俺たちは、それぞれの左手の薬指を見た。
そこには銀色に輝くリングがはめられていた。
「エンゲージが成立している以上、あなたたちは、すでにパートナーとして認められているということになるわね」
アンナ先生が溜め息をついた。
「こんなこと、初めてだわ」
マジかよ?
みんなが無事にカップリングをすませた後、俺たちは、その場に残された。
いや、正確には、俺とクロとキティ、そして、知らない人。
知らない人は、クラスメートなんだろうけど、全然印象に残らない感じの少年だった。
眼鏡をかけてて、赤毛で緑の目をしたパッとみ、なかなかのイケメンで背も高くて人目を引きそうな気がしたが、なんというか存在感が薄い。
「クロノ・ジェンナー」
知らない人のことをアンナ先生は、そう呼んだ。
「あなたが残ってしまったのね」
うん?
なんでも、アンナ先生いわく、俺とクロとキティが3人でエンゲージしてしまったせいで、1人あぶれてしまった生徒がいたらしいのだが、それがこのクロノ君らしかった。
「この学園でのカップリングは、一生ものの友を作るためのものでもあるのよ」
アンナ先生は、困り顔でもう1人の立ち会い教官である背の高い黒髪に青い目をした長髪のお兄さんの方を見た。
「どうしたものかしらね?リューイ君」
「ああ?」
リューイ君は、めんどくさげに俺たちのことを眺めると言った。
「もう、この4人でカップリングしちゃえばいいんじゃないっすか?アンナ先生」
「でも」
「いいから、いいから。俺に任せてくださいよ」
リューイ君はそう言うと、俺たち4人に向かってエンゲージの魔法を唱え始めた。
「苦しき時も、楽しき時も、共に進め!」
「ちょっと!待ちなさい、リューイ君!」
アンナ先生が止めようとしたが、もう遅かった。
エンゲージの魔法は、発動し、俺たち4人は4人でカップリングしてしまうことになった。
「まずいって、リューイ君!」
アンナ先生がぼそぼそとリューイ君の耳元に囁いた。
「この金髪の子は、ガーランド公国の・・」
「マジですか?」
リューイ君がテヘペロっと舌を出して笑った。
「いいんじゃね?たくさんお友だちができて」
んんっ?
この人、なんだかいい加減だな!
リューイ君は、呆然としている俺たちの方に向き直ると言い放った。
「まあ、仲良くしろよ、お前たち。これも運命だ」
はい?
リューイ君は、それだけ言うとさっさと去っていった。
アンナ先生は、俺たちににっこりと微笑んでいった。
「いい?みんな、今日あったことは、家族や他の先生たちには内緒よ」
ええっ?
マジですか?
午後から俺たちのクラスは、中庭にある闘技場に集められていた。
「みなさん、お静かに!」
ざわめいている生徒たちに向かって、アンナ先生が叫んだ。
「これから、カップリングの相手を決めていただきます。相手の決まった方は、契約の儀式を行ってくださいねぇ」
「さあ、始めるぞ、キティ」
俺は、キティに向き合って言った。キティは、おどおどしている。
「本当に、わたしなんかでいいのですか?」
「俺は、お前がいいんだ!」
俺が手を差し出すとキティは、おずおずとその上に手を置いた。
俺たちは、2人で手を取り合って呪文を唱えた。
「「苦しき時も、楽しき時も、共に進まん」」
「ちょっと、待ったぁっ!」
クロが突然飛び込んできて俺に背後から抱きついた。
「わっ、わっ!!」
契約の魔法が俺たち3人を包み込み、絡めとった。
ぼんっ!
爆発音がして、俺たちは、ぶっとんだ。
「んぅっ・・」
「メリッサ!大丈夫か?」
クロが俺を助け起こすが、俺は、すぐにクロを突き飛ばしてキティの方に駆け寄った。
「キティ!大丈夫か?」
「は、はい、なんとか」
「あなたたち、どうしたの?」
アンナ先生が慌てて駆け寄ってきた。
「契約が・・3人で?こんなの聞いたことないわ!」
「はい?」
俺たちは、それぞれの左手の薬指を見た。
そこには銀色に輝くリングがはめられていた。
「エンゲージが成立している以上、あなたたちは、すでにパートナーとして認められているということになるわね」
アンナ先生が溜め息をついた。
「こんなこと、初めてだわ」
マジかよ?
みんなが無事にカップリングをすませた後、俺たちは、その場に残された。
いや、正確には、俺とクロとキティ、そして、知らない人。
知らない人は、クラスメートなんだろうけど、全然印象に残らない感じの少年だった。
眼鏡をかけてて、赤毛で緑の目をしたパッとみ、なかなかのイケメンで背も高くて人目を引きそうな気がしたが、なんというか存在感が薄い。
「クロノ・ジェンナー」
知らない人のことをアンナ先生は、そう呼んだ。
「あなたが残ってしまったのね」
うん?
なんでも、アンナ先生いわく、俺とクロとキティが3人でエンゲージしてしまったせいで、1人あぶれてしまった生徒がいたらしいのだが、それがこのクロノ君らしかった。
「この学園でのカップリングは、一生ものの友を作るためのものでもあるのよ」
アンナ先生は、困り顔でもう1人の立ち会い教官である背の高い黒髪に青い目をした長髪のお兄さんの方を見た。
「どうしたものかしらね?リューイ君」
「ああ?」
リューイ君は、めんどくさげに俺たちのことを眺めると言った。
「もう、この4人でカップリングしちゃえばいいんじゃないっすか?アンナ先生」
「でも」
「いいから、いいから。俺に任せてくださいよ」
リューイ君はそう言うと、俺たち4人に向かってエンゲージの魔法を唱え始めた。
「苦しき時も、楽しき時も、共に進め!」
「ちょっと!待ちなさい、リューイ君!」
アンナ先生が止めようとしたが、もう遅かった。
エンゲージの魔法は、発動し、俺たち4人は4人でカップリングしてしまうことになった。
「まずいって、リューイ君!」
アンナ先生がぼそぼそとリューイ君の耳元に囁いた。
「この金髪の子は、ガーランド公国の・・」
「マジですか?」
リューイ君がテヘペロっと舌を出して笑った。
「いいんじゃね?たくさんお友だちができて」
んんっ?
この人、なんだかいい加減だな!
リューイ君は、呆然としている俺たちの方に向き直ると言い放った。
「まあ、仲良くしろよ、お前たち。これも運命だ」
はい?
リューイ君は、それだけ言うとさっさと去っていった。
アンナ先生は、俺たちににっこりと微笑んでいった。
「いい?みんな、今日あったことは、家族や他の先生たちには内緒よ」
ええっ?
マジですか?
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
呪われた子と、家族に捨てられたけど、実は神様に祝福されてます。
光子
ファンタジー
前世、神様の手違いにより、事故で間違って死んでしまった私は、転生した次の世界で、イージーモードで過ごせるように、特別な力を神様に授けられ、生まれ変わった。
ーーー筈が、この世界で、呪われていると差別されている紅い瞳を宿して産まれてきてしまい、まさかの、呪われた子と、家族に虐められるまさかのハードモード人生に…!
8歳で遂に森に捨てられた私ーーキリアは、そこで、同じく、呪われた紅い瞳の魔法使いと出会う。
同じ境遇の紅い瞳の魔法使い達に出会い、優しく暖かな生活を送れるようになったキリアは、紅い瞳の偏見を少しでも良くしたいと思うようになる。
実は神様の祝福である紅の瞳を持って産まれ、更には、神様から特別な力をさずけられたキリアの物語。
恋愛カテゴリーからファンタジーに変更しました。混乱させてしまい、すみません。
自由にゆるーく書いていますので、暖かい目で読んで下さると嬉しいです。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる