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7 カップリングで楽しい学園生活?

7-3 カップリングですか?

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         7ー3   カップリングですか?

    俺は、うつ向いてもぐもぐとパンを齧りながら考えていた。
   この状況をなんとかして欲しい!
   俺は、女子たちに囲まれて彼女らの婚約者の愚痴とかをききながらもう涙ぐんでいた。
    「あの、その、ガーランド様は?婚約者ってどんな方なのですか?」
   「はい?」
    俺は、顔をあげて3人を見た。
   「いや、俺は、まだ婚約者とかは・・」
    「「「嘘!そんなわけがございませんわ!」」」
   「こんな美人で家柄もよろしいのに?」
    クリスが驚きを隠さずに言った。
    「まだ、お相手が決まっておられませんの?」
   「驚きですわ」
    レティが呆れたように言う。
   「そのお年でまだ婚約者もおられないとは」
   「きっと何かの事情がおありなんでしょう?もしかして、アートラム様と約束を交わされているとか?」
   サラがそう言うと他の2人が歓声をあげた。
   「「すてき!お二人ならお似合いですわ!」」
   はい?
   俺は、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
   クロと俺が、なんの約束をしてるってんだよ?
   あっ!
   そういえば、うんと昔に契約とか言ってたっけな。
   でも、そんなのもう時効だし。
   俺がもぐもぐしながら考えていると、クリスが身を乗り出してきいてきた。
   「あの、本当のところは、どうなんですか?」
   「本当も、何も」
   俺は、食べ終わったパンの包み紙を丸めてバスケットの中に放り込んだ。
   「クロは、俺の守護だし」
    「「「守護?」」」
    きゃーっと3人が盛り上がった。
   「やっぱりアートラム様は、ガーランド様の騎士なんですか?」
   「ステキ、ステキ!」
    レティが憧れの眼差しで俺を見つめた。
    「ステキすぎますぅ!姫に仕える騎士の禁断の愛」
    「ええ」
    サラが両手をあまり起伏のない胸の前で組んで言った。
    「これぞ、純愛ですわ!」
    はい?
   俺は、宇宙の果てまでひいていた。
   純愛?
  俺と、クロが?
   なんだよ、それ?
  「そうだわ、今日の午後には、カップリングがあるんですわ!」
   レティが言ったので、俺は、きいた。
  「カップリング?」
   「あら、ご存じなかったのですか?」
    サラが微笑んだ。
    「この学園の伝統ですのよ。これから3年間、共にペアを組む相手を決めるんです」
   「なんだよ、ペアって?」
    俺が訊ねると、クリスが答えた。
   「勉学でも魔法でも共に研鑽する友が必要だということらしいですわ。ちなみに、ここでペアを組んだ男女はかなりの確率で結ばれるとか」
    うん。
   俺は、遠浅にひいていた。
   婚約者がいるんじゃねぇのかよ?
   「それってどうやって決めるんだ?」
    クロが俺の背後からぬっと現れた。
   クリスが頬を染めて答える。
   「それは、本人同士の希望ですわ」
    「マジか?」
     クロは、言った。
     「じゃあ、お前のペアは、俺な、メリッサ」
「なんでじゃ!」
   俺は、叫んだ。
   「俺にだって選ぶ権利はあるだろうが!」
    「「「まあ!」」」
    3人は、驚いた様子で言った。
    「では、アートラム様とペアを組まれないのですか?」
    「なら」
     レティが言った。
   「アートラム様は、フリーなのですか?」
    「違う!」
    クロがわめいた。
    「俺には、メリッサがいる!」
     「でも、ガーランド様は、嫌だと仰られているではないですか」
    俺は、3人に言い寄られているクロを置き去りにしてそっとその場を離れた。
    さらば、クロよ。
    お前の犠牲は、忘れない。
   
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