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6 魔法学園に入学しました。

6-3 入学試験の朝

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           6ー3    入学試験の朝

   それから、俺は、ルーラのもと魔法学園の入学試験に向けての準備を始めることになった。
    なぜ、天魔王の内の1人であるルーラが俺の魔法の師匠になってくれるのかは、よくわからない。
    ルーラもそこは、多くは語らなかった。
   ただ、俺の本当の母親がルーラの親友だったこと。
    母親から俺のことを頼まれたこと。
   それだけをルーラは、言葉少なく語ってくれた。
   ルーラの魔法力は、さずがにすごいなんてものじゃなかった。
   俺は、ルーラにしごかれて、かなり魔法の腕前があがってきた。
   ルーラのおかげで俺の中にある『賢者の石』の力のコントロールも的確にできるようになってきた。
    そうそう。
    ばあちゃんの出した俺の進学の条件は、もう1つあった。
   それは、クロも人として俺と一緒に魔法学園に入学すること、というものだった。
    「マジかよ」
    クロは、嫌そうな顔をしていたけど俺の方が数倍嫌だった。
   なぜなら、クロは、こう見えて勉強なんかしたことがなかったからな。
  なんとか、読み書きはできたけど、まったくの子供レベルの学力だった。
   「クロちゃんが合格しなかったら、あなたも学園には入学させられないわよ」
    ばあちゃんは、そういった。
   俺は、自分の勉強の他に、クロの勉強の特訓もしなくてはならなかった。
   うん。
  はっきりいって、クロの特訓の方が俺にとってはきつかったな。
   そして、月日は流れ、俺たちの入学試験の日がやって来た。
   俺たちは、数日前にこのイーゼル王国の王都の中心辺りにある古い屋敷に引っ越してきたばかりだ。
    ばあちゃんは、俺たちにこの屋敷をプレゼントしてくれた。
   いわゆる、先行投資らしい。
   この世界で魔法文明が進んでいるとは言い難いガーランド公国にあって、俺とクロは、希望の光だった。
    俺は、ともかく、クロは、と俺は思ったけど。
   まあ、一応、聖獣の端くれだしな。
   俺は、学園へと向かう途中の馬車の中でクロの様子をうかがった。
    黒髪に金目の、ごく普通の、というか、かなりのイケメンだ。
   まあ、外見だけだけどな。
    とても聖獣だとは思えない。
   「魔法学園が見えてきましたよ!」
    ハインリヒが俺とクロに言って、俺は、はっとした。
    マジか。
   俺は、ドキドキとワクワクに胸が高鳴った。
   もし、俺たち二人とも、というか、クロが入学テストに落第したら、もう俺とアル兄が再会できる可能性はほぼなくなる。
    俺は、ばあちゃんに貰ったお守りのネックレスを握りしめた。
    どうか。
   俺は、目を閉じて祈った。
   俺たちが二人とも、いや、アル兄も含めたら3人とも合格できますように!
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