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3 婚約破棄から始まるわくわくスローライフ?

3-9 パーティーの夜

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      3ー9   パーティーの夜

   シュナイツの誕生日の夜、俺は、メイドさんたちの手でいつもより念入りに飾り立てられていた。
    淡い菫色の少し、大人っぽいドレスを着せられ、長い金色の髪を編み上げられ、後頭部で丸くまとめられると、それを菫色のリボンで結ばれた。
    仕上げに、うっすらと化粧までされてしまった。
   「すごい、きれい」
    ライラが鏡越しに俺を見つめてほうっと吐息をついた。
    うん。
    確かに、俺って美少女だなぁ。
   ちょっと大人びてて、アル兄と同い年くらいでも通用するような気がした。
   でも、これでも10才なんだよな。
   この年の女の子と婚約してるなんて、シュナイツは、かわいそうな奴だな。
   いくら親が決めたこととはいえ、気の毒な話だった。
   しかも、シュナイツは、バカっぽいけど、外見はハンサムだし、職業も飛竜騎士団の副団長というハイスペックさだしな。
   その気になれば、どんな女だってイチコロなんだろうにな。
    ざあまあみろ!
   「これなら、王様と踊っても恥ずかしくないですよ、メリッサ様」
    ライラが自慢するように言ったので、俺は、吹き出した。
   「王様の足を踏んだりしたら偉いことになるぞ!」
    俺が言うと、ライラが笑った。
   俺たちは、姿見の前に立って全身をチェックしていた。すると、すっかり都風に着飾り若い紳士となっているアル兄とクロが現れた。 
     へぇ。
    馬子にも衣装というか。
    こうしてみると、2人とも驚くほど美形だな。
    金髪に青い目のアル兄と、黒髪に金色の瞳のクロ。
   こんな目立つ連中と一緒にいたら、俺まで目立ってしまうじゃないか!
   俺が、ちっと舌打ちしていると、2人がそれぞれに俺に向かって手を差し出してきた。
   「「お手をどうぞ、マイレディ」」
    はい?
   俺は、吹き出してしまった。
   なぜか、2人がムッとしていたので、俺は、2人の間に立つと、その腕に手をかけて言った。
   「さぁ、行こうか、2人とも」
   父様と母様と俺とアル兄とクロは、じいちゃん家の馬車でイーゼル国王城へと出発した。
   じいちゃんは、なんでも急な用事があるとかで遅れてくることになっていた。
   
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