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1 俺たちは、生まれ変わっても一緒と誓った覚えはない!

1-5 契約ですか?

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          1ー5    契約ですか?

   俺は、じとっとした冷ややかな視線でその黒猫を見つめた。
   何、いってんだよ、俺たちの死んだ理由を忘れたのか?
   だいたい、お前が俺を待ち伏せして襲いさえしなければ、こんなことにはならなかったんだぞ!
  俺は、黒猫に恨みがましく言った。
    黒猫は、とぼけるようにふっとニヒルな笑いを浮かべた。
   「お互いに新しい生を受けたようだし、昔のことは、水に流してだな、建設的な未来思考で生きていこうぜ」
    何が、未来思考、だ!
   俺は、わめいた。
    俺の人生を返せ!
   「ああ?返すも何も、お前、このままだと、時間の問題だぞ」
   何が、だよ?
   怒りのおさまらない俺に、黒猫は、言った。
   「いや、あの世に行くのがってことだけど」
   はい?
   ハトマメ状態の俺に、黒猫は、ニヤリと笑った。
   「この寒空の下、赤ん坊が放り出されてるんだ。わかりきったことじゃね?」
   俺は、血の気が失せていくのを感じていた。
    嫌だ!
    俺は、ぎゃあぎゃあ、わめいた。
   俺は、まだ、死にたくねぇ!
   今生こそは、すげぇ可愛くって、優しい最高の嫁と、すんげぇ、お色気むんむんのボンキュッボンなダイナマイトな愛人と、すげぇ美人で知性派の眼鏡の似合う恋人に囲まれて幸せな余生を送るんだからな!
    ホギャホギャ、泣いている俺の涙をその黒猫は、ざらざらした舌でペロリと舐めとると、言った。
   「将来、俺のものになると誓うなら、助けてやらなくもない」
    へっ?
    なんですと?
   俺は、じっとそいつのことを見つめた。
   えっと。
   もしかして、あなたは、ゲイの方ですか?
   「そんなことは、どうでもいいだろうが。どうすんだよ?ここで死ぬのか?それとも生きて、俺のものになるのか?」
    どっちも、どっちじゃねぇかよ!
    俺は、心のなかでシャウトした。
   今、不幸になるか、それとも、未来に不幸になるかじゃねぇか!
   「どうするんだ?」
    黒猫は、俺にきいた。
    くぅっ・・
   俺は、唇を噛んだ。
   背に腹は代えられん。
   「よし、契約成立、だな」
    黒猫は、ニタリと不気味に笑うと、俺がくるまれている布の端っこを咥えて、俺を持ち上げ歩き出した。
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