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8 魔王と聖者と浄化の旅(2)
8ー4 旦那様
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8ー4 旦那様
ソドルの調査によると聖者一行は今、イグルトの館に監禁されているらしかった。
というか、ヤマトの護衛としてやってきた王女エリザベスと他数名の近衛騎士たちが捕らえられ人質とされていてヤマトは、身動きが取れなくなっているようだった。
最初、ヤマトたちも僕たちのように魔族に擬態していたのだという。
だが、イグルトの部下である魔導師によって術を破られて捕らえられたのだという。
まあ、表向きは聖者一行を館に招いてもてなすということになってはいたが、これは、立派な拉致監禁だ!
しかし、それでもヤマトは、屋敷の一角でこの街の病の人々の治療をしているようだし、見張りはついているが拘束はされていないようだ。
イグルトたちも水源地の汚染には手を焼いていたらしい。
それを浄化してくれるのだ。
黙認してもいいんじゃないかな。
浄化が終われば聖者の身柄は魔王城に連行されるのだ。
それからは、どうなるのかは魔王次第だ。
明日。
いよいよイグルトとヤマトたちが街か湖へと浄化に向かうのだ。
グレーシアル湖は、巨大な湖だった。
それを浄化するということは生半可なことではない。
「ラムダ様」
ソドルは、僕の前に膝をついた。
「聖者様ももうおわかりのようですがあの湖の浄化は、聖者様お一人では無理でございましょう。きっと、あなたの力が必要になります」
ソドルに言われて僕は、こくりと頷いた。
僕には、その覚悟はもうできている。
その後のことも。
僕は、魔力を使うと発情する。
だから、僕は、学園に通っていた頃にも魔法を使うことがほとんどなかった。
でも。
今の僕には、ロイがいる。
それに、きっと、ヤマトも。
彼らを信じて戦う。
僕には、その覚悟があった。
「ロイ」
僕は、ロイを見つめていた。
「僕、魔力を解放することになる。そしたら、どうなるか僕にもまだわからない」
「わかっている」
ロイが頷いた。
「遠慮せずに盛ってくれ。必ず、私がお前を救ってやる」
僕は、ロイに微笑んだ。
「ああ。頼むよ、旦那様」
ソドルの調査によると聖者一行は今、イグルトの館に監禁されているらしかった。
というか、ヤマトの護衛としてやってきた王女エリザベスと他数名の近衛騎士たちが捕らえられ人質とされていてヤマトは、身動きが取れなくなっているようだった。
最初、ヤマトたちも僕たちのように魔族に擬態していたのだという。
だが、イグルトの部下である魔導師によって術を破られて捕らえられたのだという。
まあ、表向きは聖者一行を館に招いてもてなすということになってはいたが、これは、立派な拉致監禁だ!
しかし、それでもヤマトは、屋敷の一角でこの街の病の人々の治療をしているようだし、見張りはついているが拘束はされていないようだ。
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それを浄化してくれるのだ。
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それからは、どうなるのかは魔王次第だ。
明日。
いよいよイグルトとヤマトたちが街か湖へと浄化に向かうのだ。
グレーシアル湖は、巨大な湖だった。
それを浄化するということは生半可なことではない。
「ラムダ様」
ソドルは、僕の前に膝をついた。
「聖者様ももうおわかりのようですがあの湖の浄化は、聖者様お一人では無理でございましょう。きっと、あなたの力が必要になります」
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僕には、その覚悟はもうできている。
その後のことも。
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でも。
今の僕には、ロイがいる。
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彼らを信じて戦う。
僕には、その覚悟があった。
「ロイ」
僕は、ロイを見つめていた。
「僕、魔力を解放することになる。そしたら、どうなるか僕にもまだわからない」
「わかっている」
ロイが頷いた。
「遠慮せずに盛ってくれ。必ず、私がお前を救ってやる」
僕は、ロイに微笑んだ。
「ああ。頼むよ、旦那様」
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