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7 魔王と聖者と浄化の旅
7ー1 猫の村
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7ー1 猫の村
それから数日後、僕たちは、飛竜騎士団と共に北の水源地へと向かって旅立った。
北の水源地は、魔物の森の向こう側、魔王国との境界にある。
魔王国との境の辺りまでは、ワイパーンの翼でほんの2~3時間で到着した。
僕らは、魔王軍と戦になることを避けるために魔王国の果ての小さな村へと降り立った。
その村は、猫の獣人たちの住む村で、飛竜で村の中央にある広場に降り立った僕たちを村人たちは遠巻きにして見つめていた。
僕は、王都で暮らしていたので獣人は、ほとんど見たことがなかった。
猫の獣人は、猫によく似ていた。
というか、巨大な猫?
全身が柔らかそうな毛におおわれた大きな猫が二足歩行していた。
なんか、もふもふでかわいらしい。
彼らが人に仇なす魔物の仲間とは思えなかった。
ロイは、遠くから僕たちを見つめている村人たちに向かって大声で呼び掛けた。
「我々は、お前たちに害をなすつもりはない。ききたいことがあるから村の代表を出してほしい」
「わ、私がこの村の村長のモンといいますだ」
小さな掘っ立て小屋のような建物の影から黒い巨大な猫が顔を出した。
その村、魔王国の最果ての村は、ローナの村というらしかった。
モンさんは、僕らを彼の家へと通してくれた。
家とはいえそこは、木製の平屋の小さな小屋で僕たちは、床の上に置かれたクッションの上に腰をおろした。
モンさんの家族の三毛猫が僕たちにおずおずと木でできたコップに入ったお茶のようなものを出してくれた。
「クスクスの花で作ったお茶ですだ。お口にあいますかどうかわからんですが、どうぞ召し上がってください」
「いただきます」
僕は、こくっと一口飲んだ。
爽やかな柑橘系の味と香りのするお茶だった。
「おいしいです」
「それは、よかった」
モンさんがホッとしたような顔をした。
といっても猫の獣人の表情は読みにくいのであくまでもそんな気がしただけだがな。
「ところで、みなさんは、ここにいったい何の目的でおいでに?」
モンさんに問われてロイが答えた。
「ここに聖者の一行が訪れた筈なのだが」
「ええ」
モンさんが答えた。
「確かに聖者様のご一行なら、おいでになりましたが、それが何か?」
モンさんは、聖者一行にたいして特に悪い印象を持っていない様子で話した。
「聖者様は、つい昨日、グレーシアルの湖へと旅立たれました」
それから数日後、僕たちは、飛竜騎士団と共に北の水源地へと向かって旅立った。
北の水源地は、魔物の森の向こう側、魔王国との境界にある。
魔王国との境の辺りまでは、ワイパーンの翼でほんの2~3時間で到着した。
僕らは、魔王軍と戦になることを避けるために魔王国の果ての小さな村へと降り立った。
その村は、猫の獣人たちの住む村で、飛竜で村の中央にある広場に降り立った僕たちを村人たちは遠巻きにして見つめていた。
僕は、王都で暮らしていたので獣人は、ほとんど見たことがなかった。
猫の獣人は、猫によく似ていた。
というか、巨大な猫?
全身が柔らかそうな毛におおわれた大きな猫が二足歩行していた。
なんか、もふもふでかわいらしい。
彼らが人に仇なす魔物の仲間とは思えなかった。
ロイは、遠くから僕たちを見つめている村人たちに向かって大声で呼び掛けた。
「我々は、お前たちに害をなすつもりはない。ききたいことがあるから村の代表を出してほしい」
「わ、私がこの村の村長のモンといいますだ」
小さな掘っ立て小屋のような建物の影から黒い巨大な猫が顔を出した。
その村、魔王国の最果ての村は、ローナの村というらしかった。
モンさんは、僕らを彼の家へと通してくれた。
家とはいえそこは、木製の平屋の小さな小屋で僕たちは、床の上に置かれたクッションの上に腰をおろした。
モンさんの家族の三毛猫が僕たちにおずおずと木でできたコップに入ったお茶のようなものを出してくれた。
「クスクスの花で作ったお茶ですだ。お口にあいますかどうかわからんですが、どうぞ召し上がってください」
「いただきます」
僕は、こくっと一口飲んだ。
爽やかな柑橘系の味と香りのするお茶だった。
「おいしいです」
「それは、よかった」
モンさんがホッとしたような顔をした。
といっても猫の獣人の表情は読みにくいのであくまでもそんな気がしただけだがな。
「ところで、みなさんは、ここにいったい何の目的でおいでに?」
モンさんに問われてロイが答えた。
「ここに聖者の一行が訪れた筈なのだが」
「ええ」
モンさんが答えた。
「確かに聖者様のご一行なら、おいでになりましたが、それが何か?」
モンさんは、聖者一行にたいして特に悪い印象を持っていない様子で話した。
「聖者様は、つい昨日、グレーシアルの湖へと旅立たれました」
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