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9 戦場の天使ですか?

9ー2 ロドニー

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 9ー2 ロドニー

 「さあ!」
 みんなに笑顔で迫られて仕方なくわたしは、近くに置かれていたサンドイッチを手にとった。
 食欲がないけどわたしは、無理してそれを口に押し込んだ。
 うん?
 おいしい。
 それは、わたしの好きな味付けで。
 よく見たら、テーブルに並べられた品は、どれもこれもわたしの好きなものばかりだった。
 わたしは、涙が溢れるのを止められなかった。
 それから。
 しばらくわたしは、がつがつとみんなが用意してくれた食事を食べた。
 泣きながら食事をしているわたしをみんな、暖かい目で見てくれていた。
 食事が終わり、お茶をいただいているとマリアンナ樣が声をかけてきた。
 「アリシア、そろそろあなたの悩みを打ち明けてもらえるかしら?」
 「マリアンナ樣・・」
 わたしは、こくりとお茶を飲んだ。
 いい香り。
 最高級のお茶だった。
 この時期にこれほどのもてなしをしてもらえるなんて。
 ほんとにありがたい。
 しかも、こんなにみんな、わたしのことを心配してくれるなんて。
 わたしは、涙ぐんでいた。
 「ありがとうございます、みなさん」
 「泣かないで、アリシア」
 マリアンナ樣がわたしに言った。
 「私たちは、みな、あなたの友人です。あなたが苦しんでいるのを見過ごすことはできませんわ」
 「そうですよ、アリシア」
 ララ樣とルーシー樣も頷いた。
 「なんでも相談してくださらないと」
 わたしは、ぽつりぽつりと話し出した。
 「実は・・」
 わたしは、オルトへの思いをみんなに語った。
 初めて出会ったときの話。
 一緒に過ごした子供時代。
 そして、思いがけずに再会できたこと。
 マリアンナ樣たちは、とりとめのないわたしの話を黙ってきいてくれていた。
 そして。
 わたしがオルトに会いたい、というのをきくとマリアンナ樣は、静かに告げた。
 「今、あなたがオルトリッジ樣にお会いすることは難しいですわね、アリシア。でも方法がないわけではありません」
 マリアンナ樣の言葉にわたしは、顔をあげた。
 マリアンナ樣は、にっこりと微笑んだ。
 「あなたには、同い年の弟であるロドニー樣がおられるでしょう?」
 わたしは、こくりと頷いていた。
 マリアンナ樣は、話を続けた。
 「あなたは、王都からでることができなくてもロドニー樣なら可能です」
 「はい?」
 わたしは、マリアンナ樣の真意を図りかねていた。
 なんで、今、ロドニーが出てくるのか理解できない。
 
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