魔女見習いは、スパダリたちに溺愛される~乙女ゲー世界のモブなんですが、なぜかヒロインポジなんですけど~

トモモト ヨシユキ

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8 わたしが聖女?

8ー9 聖女ですか?

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 8ー9 聖女ですか?

 翌朝、目覚めると全てが変わっていた。
 早朝にサリにたたき起こされたわたしは、訳もわからないまま身支度をされていた。
 部屋の外には、王宮からの使者が待っていてわたしは、夢の中にいるみたいな気分のまま立派な4頭だての馬車に乗せられて王宮へと導かれた。
 王宮では、この国の王である金髪の迫力のあるイケオジと王妃樣が待ち構えていた。
 「よくおいでくださった、魔女殿」
 王樣は、わたしの手をとり微笑みを浮かべた。
 「よく『石化の病』の薬を作ってくれた!感謝してもしたりない。あなたは、この国の多くの国民を救うことになるだろう」
 そして、わたしは、正式にこの国のために『石化の病』の薬を作ることになった。
 王城にある国立薬学研究室に迎えられたわたしは、そこで『石化の病』の薬を作り始めた。
 必要なものはなんでも用意してくれた。
 わたしは、学園を休学して毎日研究室にこもって薬を作り続けた。
 研究室の人たちも手伝いを申し出てくれたのだがこれは、魔女の仕事だ。
 わたしは、一人奥の部屋にこもって魔女の秘術で薬を作った。
 こうして一ヶ月ほどの時間が過ぎた。
 『石化の病』が治癒したクルルとクルルの忠実な友人であるトガリネズミだけを助手にしてわたしは、毎日薬を作り続けた結果、なんとか国中の人々に行き渡るだけの量の薬が作成できた。
 このことを王樣に報告すると王樣は、たいそう喜ばれてわたしに女性の最高位である聖女の称号を与えたいと言われた。
 「我が国民を救ったのだ。それに相応しいではないか」
 だが、わたしは、それを全力でお断りした。
 だって、わたしは、聖女ではなくて、魔女なのだから。
 王樣は、それでも諦めようとはしなかった。
 「魔女殿は、確か、王子たちに何やら怪しい薬を盛られたことがあるとか?」
 王樣は、じとっとわたしを見つめてきいた。
 いやいやいや!
 わたしは、ぎくりとしていた。
 それを今、持ち出しますか?
 「罪一等を減じる変わりに聖女の称号を受けてはくれまいか?」
 ううっ。
 わたしは、仕方なくそれを受けることにした。
 だって、命は大切だし!
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