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8 わたしが聖女?

8ー8 会いに行こう!

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 8ー8 会いに行こう!

 猫耳を持った銀髪の美少女があられもない姿でそこにうずくまっていた。
 マジですか?
 わたしは、目の前で起こっていることが信じられなかった。
 いくらこのファンタジーな世界とはいえ猫が変化したりするのか?
 わたしは、そのままスルーしようとした。
 「さあ、もう休まないと。行こうか、クルル」
 「ちょ!待ちなさいよ!」
 ハクビだった少女は、立ち上がるとわめいた。
 「何、何事もなかったかのようにスルーしてるのよ!」
 「いや。ちょっと、今、わたし、眠くって」
 わたしは、ふわぁっとあくびをした。
 「悪いけど続きは、また明日」
 「手紙を届けてほしかったんじゃないの?」
 「ええっ?」
 わたしは、その半裸に見える猫耳少女をじっと見つめて訊ねた。
 「届けてくれるの?」
 「あたしのこと、あんたの使い魔にしてくれればね」
 「使い魔かあ・・」
 わたしは、少し考え込んだ。
 この怪しげな猫耳少女を使い魔になんてしてもいいの?
 しかし。
 わたしは、猫の使い魔を持つというステイタスに憧れていた。
 ここは、おとなしく使い魔契約をしておこう!
 わたしは、手を伸ばすとその猫耳少女と使い魔の契約を結んだ。
 再び、ポンッと音がしてその場にいた猫耳少女が消えた。
 足元には、白猫のハクビがいた。
 「にゃあぁん!」
 わたしの使い魔となったハクビは、薬の完成を知らせるために王城へと駆け出した。
 魔女として使い魔の猫を持てたことに満足して、わたしは、自分の部屋へと戻ってベッドへとダイブした。
 うーん。
 眠りに落ちていきながらわたしは、考えていた。
 エミリアおばあ様。
 これでよかったんでしょうか?
 部屋の片隅でサリが小声でぶつぶつと文句を言っているのがきこえたようなきがしたが、気にしない。
 わたしは、やったのだ。
 やりとげた。
 これで。
 この世界の『石化の病』で苦しんでいる人々が救われる。
 オルトは。
 わたしは、知らないうちに微笑みを浮かべていた。
 オルトは、喜んでくれるかしら?
 オルトに会いたい。
 わたしは、夢の中でオルトに会いに行こうと思っていた。
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