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8 わたしが聖女?
8ー3 つとまりません!
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8ー3 つとまりません!
わたしは、気まずい思いを押し隠しながらうつむいていた。
クラウス殿下が様子がおかしかったとしたらそれは、わたしが盛った惚れ薬やなんかのせいだろう。
それがすでにミレニア王妃様たちにばれていることはわかっていた。
もしかしてミレニア王妃様は、わたしを断罪したいのだろうか?
ミレニア王妃様は、再び話始めた。
「しかも、婚約者だったマリアンナがいるにもかかわらず他の女子の後を追いかけているとか。マリアンナは、それを特にとがめることもなくそれどころか、マリアンナ自身もその女子生徒と仲良しになっているとか。そのうえ、今度は、マリアンナの方から婚約破棄の申し出があったのよ」
「すみません!」
わたしは、頬がかぁっと熱くなっていた。
「もう、その件は、大丈夫ですから!」
もう、術は解いたし、薬の効果も切れている。
ミレニア王妃様は、そんなわたしの様子を見ながらため息をついた。
「本当に、なんでこんなことになったのかしらね?でも、重要なのは、そこじゃないのよ。一番問題なのは、あの子たちが今までにないぐらい幸せそうに見えることなのよ」
「あ、あの」
わたしは、おどおどと口を開いた。
「今は、もう、そんなことはないのではないかと思います。やはり王太子殿下の婚約者はマリアンナ様でなくてはつとまらないのではないかと思います。いや、つとまりません!どうか、もう一度、みなさんと話し合ってみていただけるでしょうか」
「あら」
ミレニア王妃様は、面白がるような顔をしてわたしを見た。
「あなたは、クラウスの婚約者にはなりたくない、とおっしゃるの?」
「い、いえ、めっそうもない。その・・そういうわけではございませんが。ただ、わたしでは、とっても王太子殿下の婚約者などつとまるわけがございません!」
というか。
わたしは、涙目になっていた。
わたしは、王太子殿下の婚約者になんてなりたくない!
わたしは、オルトと結婚したい!
オルトのお嫁さんになりたいの!
わたしは、気まずい思いを押し隠しながらうつむいていた。
クラウス殿下が様子がおかしかったとしたらそれは、わたしが盛った惚れ薬やなんかのせいだろう。
それがすでにミレニア王妃様たちにばれていることはわかっていた。
もしかしてミレニア王妃様は、わたしを断罪したいのだろうか?
ミレニア王妃様は、再び話始めた。
「しかも、婚約者だったマリアンナがいるにもかかわらず他の女子の後を追いかけているとか。マリアンナは、それを特にとがめることもなくそれどころか、マリアンナ自身もその女子生徒と仲良しになっているとか。そのうえ、今度は、マリアンナの方から婚約破棄の申し出があったのよ」
「すみません!」
わたしは、頬がかぁっと熱くなっていた。
「もう、その件は、大丈夫ですから!」
もう、術は解いたし、薬の効果も切れている。
ミレニア王妃様は、そんなわたしの様子を見ながらため息をついた。
「本当に、なんでこんなことになったのかしらね?でも、重要なのは、そこじゃないのよ。一番問題なのは、あの子たちが今までにないぐらい幸せそうに見えることなのよ」
「あ、あの」
わたしは、おどおどと口を開いた。
「今は、もう、そんなことはないのではないかと思います。やはり王太子殿下の婚約者はマリアンナ様でなくてはつとまらないのではないかと思います。いや、つとまりません!どうか、もう一度、みなさんと話し合ってみていただけるでしょうか」
「あら」
ミレニア王妃様は、面白がるような顔をしてわたしを見た。
「あなたは、クラウスの婚約者にはなりたくない、とおっしゃるの?」
「い、いえ、めっそうもない。その・・そういうわけではございませんが。ただ、わたしでは、とっても王太子殿下の婚約者などつとまるわけがございません!」
というか。
わたしは、涙目になっていた。
わたしは、王太子殿下の婚約者になんてなりたくない!
わたしは、オルトと結婚したい!
オルトのお嫁さんになりたいの!
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