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7 軍資金と流行病と戦争と
7ー9 薬
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7ー9 薬
わたしたちは、学園へと戻ることになった。
クルルは、メイドとしてサリと共にわたしについてくることになった。
魔女の使い魔の猫は、まだいない。
ジェイドおじさんいわく、
「そのときがくればすぐに見つかるさ
」
ということだった。
ジェイドおじさんには、なんか心当たりがあるようだが、わたしには、何も教えてくれなかった。
「学園に戻ってからのお楽しみ、だ」
わたしたちは、きたときと同じように馬車で王都へと向かった。
行きは気がつかなかったけど、王都への道中には不吉な予感が漂っていた。
王都へと続く街道の所々に倒れ込んだ人々を見かけたのだ。
「あれは、なんですの?」
マリアンナ様が馬車の中から外をみて眉をひそめた。
サイラス様が答える。
「あれは、病人だよ、姉さん」
王都に救いを求めて集まってきている『石化の病』にかかった人々がその旅の途中で行き倒れた姿だった。
ライナ様が呟く。
「王都に来ても薬なんてありもしないのに」
「いえ、薬なら」
わたしは、口を開いた。
「たぶん、できると思います」
「『石化の病』の薬が?」
クラウス殿下がわたしに身を乗り出して訊ねた。
「それは、本当か?アリシア」
「はい」
わたしは、頷いた。
エミリアおばあ様がわたしの魔女試験のときにわたしに手渡した黒い手帳。
それは、エミリアおばあ様の『石化の病』の研究がまとめられていたものだった。
この手帳の中には、『石化の病』のすべてがつまっていた。
それによると『石化の病』とは、筋肉やら皮膚やらの体細胞がすべて骨化してしまうという奇病だった。
この病にかかると石化した部分をきりととる他には病の進行を防ぐ方法はなかった。
それだって時間の問題だった。
クルルは、『石化の病』にかかって石化した耳を切り落としていたが、それでも徐々に体が強ばってきているのを感じていた。
もう時間は、ない。
エミリアおばあ様は、この『石化の病』を癒す薬を開発していた。
そして、この手帳には、その薬の作り方も書かれていた。
何よりもわたしが驚いたことには、エミリアおばあ様もまた、わたしと同じ転生者であることが書かれていたことだった。
前世で薬の開発をする会社に勤めていたエミリアおばあ様は、その知識をいかして『石化の病』の解明をしていた。
病は、本来ならコカトリスという魔物の持つ病であったものが変化して人に感染するようになったものだった。
わたしたちは、学園へと戻ることになった。
クルルは、メイドとしてサリと共にわたしについてくることになった。
魔女の使い魔の猫は、まだいない。
ジェイドおじさんいわく、
「そのときがくればすぐに見つかるさ
」
ということだった。
ジェイドおじさんには、なんか心当たりがあるようだが、わたしには、何も教えてくれなかった。
「学園に戻ってからのお楽しみ、だ」
わたしたちは、きたときと同じように馬車で王都へと向かった。
行きは気がつかなかったけど、王都への道中には不吉な予感が漂っていた。
王都へと続く街道の所々に倒れ込んだ人々を見かけたのだ。
「あれは、なんですの?」
マリアンナ様が馬車の中から外をみて眉をひそめた。
サイラス様が答える。
「あれは、病人だよ、姉さん」
王都に救いを求めて集まってきている『石化の病』にかかった人々がその旅の途中で行き倒れた姿だった。
ライナ様が呟く。
「王都に来ても薬なんてありもしないのに」
「いえ、薬なら」
わたしは、口を開いた。
「たぶん、できると思います」
「『石化の病』の薬が?」
クラウス殿下がわたしに身を乗り出して訊ねた。
「それは、本当か?アリシア」
「はい」
わたしは、頷いた。
エミリアおばあ様がわたしの魔女試験のときにわたしに手渡した黒い手帳。
それは、エミリアおばあ様の『石化の病』の研究がまとめられていたものだった。
この手帳の中には、『石化の病』のすべてがつまっていた。
それによると『石化の病』とは、筋肉やら皮膚やらの体細胞がすべて骨化してしまうという奇病だった。
この病にかかると石化した部分をきりととる他には病の進行を防ぐ方法はなかった。
それだって時間の問題だった。
クルルは、『石化の病』にかかって石化した耳を切り落としていたが、それでも徐々に体が強ばってきているのを感じていた。
もう時間は、ない。
エミリアおばあ様は、この『石化の病』を癒す薬を開発していた。
そして、この手帳には、その薬の作り方も書かれていた。
何よりもわたしが驚いたことには、エミリアおばあ様もまた、わたしと同じ転生者であることが書かれていたことだった。
前世で薬の開発をする会社に勤めていたエミリアおばあ様は、その知識をいかして『石化の病』の解明をしていた。
病は、本来ならコカトリスという魔物の持つ病であったものが変化して人に感染するようになったものだった。
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