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6 陰謀を暴け!

6ー8 最後のチャンス

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 6ー8 最後のチャンス

 だけど。
 なんだろう、この虚しさ。
 そして、寂しさは。
 もう、たぶん、わたしの人生で彼らに絡むことなんてないんだろうな。
 そう思うと、涙がにじんでくる。
 こんなの嘘だ。
 だって、わたしが彼らに近づいたのは、乙女ゲームを攻略するためだけだし。
 彼らのことなんて、なんとも思ってない。
 それに、あいつら、みんな、うっとおしくて、手がかかるお金持ちの坊っちゃん嬢ちゃんだ。
 こんなことでもなければ、相手になんかしたりしない連中だ。
 というか、ほんとにこの乙女ゲームは、どうなっちゃうの?
 休み明けには、魔法学園の創設記念のダンスパーティーがある。
 本来ならそこでヒロインであるマリアが攻略対象たちと結ばれて、そして、わたしたち悪役令嬢たちが断罪される予定だった。
 断罪されれば、よくて国外追放。
 悪ければ奴隷墜ちとか、娼館送りだ。
 わたしは、ふぅっとため息を漏らした。
 なんとか国外追放とかですませてほしいものだ。
 気がつくと、アレクシスも同じようにため息をついていた。
 うん?
 わたしは、アレクシスのことを見つめた。
 なんで、断罪には関係ない筈のアレクシスが暗い顔してるわけ?
 朝食後、わたしは、アレクシスに声をかけた。
 これもいい機会だ。
 最後に、この人とも話しておこう。
 それに、もしかしたら、乙女ゲームのストーリーがアレクシスをヒロイン認定してるのかもしれないし。
 わたしとアレクシスは、二人で屋敷の庭を散策することにした。
 このアルトグレイスの屋敷は、とっても立派な庭があるのだ。
 季節もよく、庭には美しい花が咲き乱れている。
 クルルもついてきた。
 クルルは、あの忠誠心のあついヒゲトガリネズミと一緒に庭を歩き回っていた。
 わたしは、庭のすみにある東屋の椅子にかけてアレクシスと向かい合った。
 アレクシスは、ずっとふてくされたみたいな顔をしていたが、いきなり口を開いた。
 「あたしのこと、いい気味だと思っているんでしょ?」
 わたしは、きょとんとしていた。
 いきなり、何を言い出すんだ?
 アレクシスは、わたしにかまわず話を続けた。
 「ハーレムエンド間近のあんたに比べて、あたしなんてモブ一人攻略できてないし。もう、無理。これが最後のチャンスだったっていうのに」
 
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