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6 陰謀を暴け!
6ー7 悪夢
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6ー7 悪夢
わたしは、最悪の気分で目覚めた。
クルルは、わたしのことを覗き込んで心配そうに訊ねた。
「アリシア様?もう、朝ですよ。起きないんですか?」
「起きるよ・・」
はい。
起きますとも。
わたしは、憂鬱な気分のままベッドから這い出るとサリの差し出す服を身に付けた。
みんなにかけた術を解いた以上は、なんらかのアクションが起こされる筈だ。
その、断罪みたいな。
きっと、みんな、怒っていることだろう。
断罪されても仕方がない。
わたしは、もう、部屋から出たくなかった。
だが、朝食は、しっかりと食べておかなくては。
これから何があるかわからないんだし。
いきなり国外追放?
それとも、奴隷墜ち?
わたしは、うつむいてため息をついた。
陰鬱な表情をして食堂へと向かったわたしをさらに暗い表情をしたアレクシスが待っていた。
長いテーブルに座っているのは、わたしたちとアレックスの双子の姉であるアナベル、それとロドニーだけだった。
「他のみんなは、今朝は、部屋で朝食をとられるそうですよ、姉上」
さもありなん。
わたしが席につくとメイドさんが朝食を運んできてくれた。
わたしは、スプーンでスープをすくうと一口飲んだ。
うん。
おいしい。
わたしは、涙を流しながらスープを味わった。
みんな、きっと、わたしのことを軽蔑していることだろう。
だって、薬や、魔法を使ってみんなのことを騙して操ってしたし。
あんなにみんなのことむげに扱ってたし。
クラウス殿下たちには、EDになる魔法もかけたし。
とにかく、もう、わたしは、破滅だ。
終わり。
ジ・エンドだ。
こんなこと、どうってことがない。
だって、最初からこうなる筈だったんだし。
なんにも変わりゃしない。
わたしは、抗ったけど、この乙女ゲームからは、逃れられなかった。
それだけだ。
クラウス殿下や、マリアンナ様だって、ほんとなら口もきけないような人たちだ。
こんな人たちと友人だったなんて夢のようだ。
というか、夢だし。
悪夢だ。
わたしは、乙女ゲームの中で夢を見ていただけ。
それだけだ。
わたしは、最悪の気分で目覚めた。
クルルは、わたしのことを覗き込んで心配そうに訊ねた。
「アリシア様?もう、朝ですよ。起きないんですか?」
「起きるよ・・」
はい。
起きますとも。
わたしは、憂鬱な気分のままベッドから這い出るとサリの差し出す服を身に付けた。
みんなにかけた術を解いた以上は、なんらかのアクションが起こされる筈だ。
その、断罪みたいな。
きっと、みんな、怒っていることだろう。
断罪されても仕方がない。
わたしは、もう、部屋から出たくなかった。
だが、朝食は、しっかりと食べておかなくては。
これから何があるかわからないんだし。
いきなり国外追放?
それとも、奴隷墜ち?
わたしは、うつむいてため息をついた。
陰鬱な表情をして食堂へと向かったわたしをさらに暗い表情をしたアレクシスが待っていた。
長いテーブルに座っているのは、わたしたちとアレックスの双子の姉であるアナベル、それとロドニーだけだった。
「他のみんなは、今朝は、部屋で朝食をとられるそうですよ、姉上」
さもありなん。
わたしが席につくとメイドさんが朝食を運んできてくれた。
わたしは、スプーンでスープをすくうと一口飲んだ。
うん。
おいしい。
わたしは、涙を流しながらスープを味わった。
みんな、きっと、わたしのことを軽蔑していることだろう。
だって、薬や、魔法を使ってみんなのことを騙して操ってしたし。
あんなにみんなのことむげに扱ってたし。
クラウス殿下たちには、EDになる魔法もかけたし。
とにかく、もう、わたしは、破滅だ。
終わり。
ジ・エンドだ。
こんなこと、どうってことがない。
だって、最初からこうなる筈だったんだし。
なんにも変わりゃしない。
わたしは、抗ったけど、この乙女ゲームからは、逃れられなかった。
それだけだ。
クラウス殿下や、マリアンナ様だって、ほんとなら口もきけないような人たちだ。
こんな人たちと友人だったなんて夢のようだ。
というか、夢だし。
悪夢だ。
わたしは、乙女ゲームの中で夢を見ていただけ。
それだけだ。
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