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5 戦争の影
5ー7 悩み事
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5ー7 悩み事
「どうかされたのですか?アリシア様。目が真っ赤ですわよ」
ララ様がごとごと揺れる馬車の中で訊ねた。
ルーシー様も頷く。
「ええ。心なしか目蓋もはれてますわ」
「少し眠れなくって」
わたしは、笑ってごまかそうとした。
二人とも生まれながらの貴族だ。
空気を読むことにはたけている。
ララ様は、にっこりと微笑むと自分の膝を手で軽く叩いた。
「まあ、それは、心配ですこと。どうぞ、私の膝を枕にしてお休みくださいませ」
「まあ!」
ルーシー様がいやいやする。
「膝枕なんて!ずるいですわよ、ララ様」
「早い者勝ちですわ、ルーシー様」
ララ様がにやりと笑った。
ルーシー様がわたしに訊ねた。
「アリシア様は、どちらの膝でお休みになりますの?」
わたしは、口ごもった。
正直、どっちの膝枕も嫌だ。
「その・・とても眠れそうになくって」
わたしが答えると二人は、両側からわたしを覗き込んだ。
「悩み、ですわね?アリシア様」
「なんでもわたしたちに相談くださいませ」
ルーシー様が意気込む。
「なんでも力になってみせますわ」
そこでわたしは、昨夜のアルトグレイス侯爵の話をした。
二人は、今の婚約者であるオルトと婚約破棄されクラウス王太子と婚約させられそうだという話をうんうんと頷きながらきいていたが聞き終わると口を開いた。
「アリシア様に婚約者がいたなんて初耳です」
うん。
わたしは、頷いた。
きかれなかったし誰にもいってないからな。
「しかし、これは、ゆゆしき問題ですわよ」
ララ様が考え込んだ。
「私たちのアリシア様がクラウス殿下のものになってしまうなんて耐えられませんわ!」
いや、そこかい!
わたしは、心の中で突っ込んでいた。
わたしの突っ込みなど知らない二人は、小声で話し合い始めた。
「とにかくどうにかしてこの婚約を無効にしなくてはなりませんわ」
わたしは、あれやこれやと話し合っている二人から意識をそらした。
オルトと結ばれないなら誰と結ばれても同じだ。
もう、どうでもいい。
わたしは、なげやりになっていた。
だって、今まで自分がオルト以外の誰かと結ばれるなんてこと考えたこともなかった。
オルトは。
わたしは、馬車の窓から見える景色を眺めていた。
わたしと婚約破棄されること、どう思うんだろうか。
「どうかされたのですか?アリシア様。目が真っ赤ですわよ」
ララ様がごとごと揺れる馬車の中で訊ねた。
ルーシー様も頷く。
「ええ。心なしか目蓋もはれてますわ」
「少し眠れなくって」
わたしは、笑ってごまかそうとした。
二人とも生まれながらの貴族だ。
空気を読むことにはたけている。
ララ様は、にっこりと微笑むと自分の膝を手で軽く叩いた。
「まあ、それは、心配ですこと。どうぞ、私の膝を枕にしてお休みくださいませ」
「まあ!」
ルーシー様がいやいやする。
「膝枕なんて!ずるいですわよ、ララ様」
「早い者勝ちですわ、ルーシー様」
ララ様がにやりと笑った。
ルーシー様がわたしに訊ねた。
「アリシア様は、どちらの膝でお休みになりますの?」
わたしは、口ごもった。
正直、どっちの膝枕も嫌だ。
「その・・とても眠れそうになくって」
わたしが答えると二人は、両側からわたしを覗き込んだ。
「悩み、ですわね?アリシア様」
「なんでもわたしたちに相談くださいませ」
ルーシー様が意気込む。
「なんでも力になってみせますわ」
そこでわたしは、昨夜のアルトグレイス侯爵の話をした。
二人は、今の婚約者であるオルトと婚約破棄されクラウス王太子と婚約させられそうだという話をうんうんと頷きながらきいていたが聞き終わると口を開いた。
「アリシア様に婚約者がいたなんて初耳です」
うん。
わたしは、頷いた。
きかれなかったし誰にもいってないからな。
「しかし、これは、ゆゆしき問題ですわよ」
ララ様が考え込んだ。
「私たちのアリシア様がクラウス殿下のものになってしまうなんて耐えられませんわ!」
いや、そこかい!
わたしは、心の中で突っ込んでいた。
わたしの突っ込みなど知らない二人は、小声で話し合い始めた。
「とにかくどうにかしてこの婚約を無効にしなくてはなりませんわ」
わたしは、あれやこれやと話し合っている二人から意識をそらした。
オルトと結ばれないなら誰と結ばれても同じだ。
もう、どうでもいい。
わたしは、なげやりになっていた。
だって、今まで自分がオルト以外の誰かと結ばれるなんてこと考えたこともなかった。
オルトは。
わたしは、馬車の窓から見える景色を眺めていた。
わたしと婚約破棄されること、どう思うんだろうか。
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