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4 ダンジョンでどっきり!?

4ー11 ダンジョンマスター?

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 4ー11 ダンジョンマスター?
  
 「邪魔って!」
 アレクシスが叫んだ。
 「とにかく早く手を貸しなさいよ!アリシア・アルトグレイス!さもなければ、あんたの婚約者もひどい目にあうわよ!」
 オルトが?
 わたしは、オルトの方を見た。
 うん。
 たくましい筋肉質の体には、つなぎみたいな冒険者用の服を着ている。
手にしているのは、二本の短刀だった。
 あれは、たぶんオルトの十歳の誕生日にオルトのお父様に頼まれてエミリアおばあ様が幽霊の力を封じ込めた短刀だ。
 持ち主を守ってくれる加護のついた短刀とオルト自身の努力の成果が相まって剣聖のギフトを持っているロドニーに負けず劣らずの戦いっぷりをしている。
 さすが、わたしのオルト。
 ロドニーもすごい!
 二人でアンデッドのダンジョンマスターを追い詰めている。
 でも。
 二人では、奴は倒せない。
 奴を倒すには、聖遺物と聖女の力というか、攻略対象とヒロインの愛の絆が必要だった。
 「聖遺物は?」
 わたしは、アレクシスに訊ねた。
 アレクシスは、悔しそうにわたしを睨み付けた。
 「まだ、回収できてないのよ!」
 なるほど。
 わたしは、お茶を片付けると立ち上がった。
 確か、聖遺物は、偽のダンジョンマスターが持っている筈。
 偽のダンジョンマスターは?
 わたしは、部屋の中を見回した。
 どこにもいない。
 だが、わたしは、アンデッドが背後に何かを隠していることに気づいた。
 そっと気配を消して後ろに回り込む。
 が、何もなかった。
 レンガが積み重ねられた壁があるだけだ。
 わたしは、その壁に向かって立つと、両腕に幽霊の加護を集めた。
 思いっきり壁を殴り付ける。
 爆発音が響き、壁が崩れ落ちる。
 アンデッドの人が慌てて振り向くがすかさずロドニーとオルトが切りつける。
 わたしは、その隙に壁の中へと入っていった。
 その隠し部屋の奥には、財宝やら何やらが積み上げられていた。
 わたしは、財宝には目もくれず奥へと踏み込んでいった。
 「だ、誰?」
 奥から怯えたような声が聞こえた。
 そちらをうかがうとそこには、緑色の肌をした美少女が隠れていた。
 ウィンディーネだ。
 「もしかしてあなたがこのダンジョンの表のマスター?」
 わたしが問いかけるとその少女は、プルプル震えながら涙ぐんだ。
 「いじめる?いじめるの?」
 「いじめないよぉ」
 わたしは、そういうと少女の胸元にあった青い石を指差した。
 「それをくれたら何もしない」
 
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