魔女見習いは、スパダリたちに溺愛される~乙女ゲー世界のモブなんですが、なぜかヒロインポジなんですけど~

トモモト ヨシユキ

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4 ダンジョンでどっきり!?

4ー5 ハンパない!

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 4ー5 ハンパない!

 ダンジョンへの出発のために学園の正門前には、剣やらなんやらを手にした学生たちが集まっていた。
 それぞれの自慢の武器を手に盛り上がっている彼らだったが、わたしの姿をみるとみな、黙り込んで道をあけてくれた。
 まあ、仕方がない。
 誰が、学校の遠足にポルシェでくるのか?
 「あいつ、ちょっとやべんじゃね?」
 こそこそと話している連中の声がきこえたがわたしは、気にしなかった。
 「まあ!アリシア?」
 軽装備で身を固めているララ様とルーシー様がわたしの姿をみてかなりひいていた。
 「それ、鎧?」
 「そうです」
 わたしは、兜の面を押し上げて二人を覗き込むと頷いた。
 「アルトグレイス家に受け継がれる聖なる鎧です」
 「そうなのですか」
 二人が遠い。
 いつも必要以上に近いのに、今、銀河の果てほどにも遠く感じた。
 「あっ、私たちは、こちらの馬車なので失礼いたしますわね、アリシア」
 ララ様が告げた。 
 ルーシー様もそそくさと去っていく。
 わたしは、全身をおおっているフルアーマーの鎧でどしんどしんと自分の乗ることになっている馬車の方へと歩いていった。
 うん。
 わたしは、みんなの冷たい視線を浴びながら思っていた。
 必ず、後で思い知らせてやる!
 でも。
 こんな格好じゃ、恋愛ゲームどころじゃないし!
 まあ、特殊な金属なので見た目よりは軽いのだが、それにしても歩きにくい。
 わたしが自分の乗ることになっている馬車にたどり着く頃には、他の連中は、すでに出発してしまっていた。
 「そこの鎧、遅いぞ!」
 少し他の馬車より大きめの黒い馬車の前で数名の生徒たちが待っていた。
 声の主は、黒髪に青い瞳のイケメンだった。
 「ライナ、止めておけ」
 「しかし、殿下」
 気色ばむライナ様の肩を押さえてクラウス殿下は、まばゆいばかりの笑みを浮かべた。
 「これからしばらくの間、パーティーを組むんだ。少しのことは我慢しろ」
 ほわぁあっ。
 やっぱ、攻略対象は、違う!
 わたしがぼうっとなっていると背後から声がした。
 「これで全員がそろったかな?」
 それは、残る攻略対象であるサイラス様だった。
 「さあ、君も急いで」
 
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