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4 ダンジョンでどっきり!?
4ー3 黙っててほしい?
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4ー3 黙っててほしい?
「なんでアレン先生がやったことなのにフランシス先生が謝ってるんですか?」
わたしがきくと、フランシス先生が申し訳なさげに答えた。
「我々二人が担当した試験だったからね。それに、彼が無茶なことをするのを止めるべきだったのに、止めなかった」
「なるほど」
わたしは、頷いた。
いや、そんなことはもういいんだけど。
わたしには、どうしても訊ねたいことがあった。
「そんなことより、お二人は、その、できているんですか?」
ぶほっとアレン先生が紅茶を吹き出した。
ごほごほ咳き込んでいるアレン先生の背中を叩きながらフランシス先生が慌てて訊ねた。
「で、できている、とは?」
「つまり、お二人は、そういう関係なんですか?」
「バカなことを!」
アレン先生が耳まで真っ赤になった。
「そんなこと」
「愛している」
フランシス先生がきっぱりと答えた。
「まだ、そんな仲じゃないけど、私は、アレンのことを愛している」
まだ、ですと?
わたしは、二人をじっと見つめた。
アレン先生が肩に置かれたフランシス先生の手を握りしめて頷いた。
「僕もフランシスのことを愛している。いずれは、二人、結婚したいと思っている」
マジですか?
わたしは、頭を抱えていた。
この世界でも一応、同性婚はみとめられてはいるが、あまり祝福されるものではなかった。
しかし、わたしは、はっきりいったらそんなことどうでもよかった。
ただ。
攻略対象どうしでかよ!
「といっても、まだ、我々は、清い仲なんだよ、アリシア」
フランシス先生が申し訳のようにいうと、アレン先生も頷いた。
「そ、その、この前、初めてお互いの意思を確認したんだよ」
「でも、キスしてたし」
わたしに指摘され、アレン先生が慌てて言った。
「それは、その・・」
あわあわしている二人をよそにわたしは、深いため息をついた。
よりにもよって攻略対象どうしでかよ!
だが。
この二人が攻略対象から除外されるなら残る攻略対象はロドニーを含めて4人だ。
まあ、隠しキャラは、この際数に入れなくてもいいとして、あと3人。
わたしは、にやりと笑った。
ロドニーとこの二人は、ほぼ攻略したのと同じだし。
「な、何を考えている?」
アレン先生が青ざめているのを見て、わたしは、にっと微笑みを浮かべた。
「お二人は、このことをわたしに秘密にして欲しいのでは?」
「それは・・」
アレン先生が答えた。
「そりゃ、まだ黙っててくれた方がいいけど。あんた、黙っててくれるのか?アリシア・アルトグレイス」
「それは、お二人次第ですね」
わたしは、二人に向かって笑いかけた。
「なんでアレン先生がやったことなのにフランシス先生が謝ってるんですか?」
わたしがきくと、フランシス先生が申し訳なさげに答えた。
「我々二人が担当した試験だったからね。それに、彼が無茶なことをするのを止めるべきだったのに、止めなかった」
「なるほど」
わたしは、頷いた。
いや、そんなことはもういいんだけど。
わたしには、どうしても訊ねたいことがあった。
「そんなことより、お二人は、その、できているんですか?」
ぶほっとアレン先生が紅茶を吹き出した。
ごほごほ咳き込んでいるアレン先生の背中を叩きながらフランシス先生が慌てて訊ねた。
「で、できている、とは?」
「つまり、お二人は、そういう関係なんですか?」
「バカなことを!」
アレン先生が耳まで真っ赤になった。
「そんなこと」
「愛している」
フランシス先生がきっぱりと答えた。
「まだ、そんな仲じゃないけど、私は、アレンのことを愛している」
まだ、ですと?
わたしは、二人をじっと見つめた。
アレン先生が肩に置かれたフランシス先生の手を握りしめて頷いた。
「僕もフランシスのことを愛している。いずれは、二人、結婚したいと思っている」
マジですか?
わたしは、頭を抱えていた。
この世界でも一応、同性婚はみとめられてはいるが、あまり祝福されるものではなかった。
しかし、わたしは、はっきりいったらそんなことどうでもよかった。
ただ。
攻略対象どうしでかよ!
「といっても、まだ、我々は、清い仲なんだよ、アリシア」
フランシス先生が申し訳のようにいうと、アレン先生も頷いた。
「そ、その、この前、初めてお互いの意思を確認したんだよ」
「でも、キスしてたし」
わたしに指摘され、アレン先生が慌てて言った。
「それは、その・・」
あわあわしている二人をよそにわたしは、深いため息をついた。
よりにもよって攻略対象どうしでかよ!
だが。
この二人が攻略対象から除外されるなら残る攻略対象はロドニーを含めて4人だ。
まあ、隠しキャラは、この際数に入れなくてもいいとして、あと3人。
わたしは、にやりと笑った。
ロドニーとこの二人は、ほぼ攻略したのと同じだし。
「な、何を考えている?」
アレン先生が青ざめているのを見て、わたしは、にっと微笑みを浮かべた。
「お二人は、このことをわたしに秘密にして欲しいのでは?」
「それは・・」
アレン先生が答えた。
「そりゃ、まだ黙っててくれた方がいいけど。あんた、黙っててくれるのか?アリシア・アルトグレイス」
「それは、お二人次第ですね」
わたしは、二人に向かって笑いかけた。
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