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3 どきどきの学園生活ですか?
3ー11 決着
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3ー11 決着
「まあ、いいか」
アレン先生は、小声で呟くとわたしを指差して告げた。
「次は、あなたの番だ。アリシア・アルトグレイス!」
「は、はいっ!」
わたしは、ロドニーが闘技場から連れ出されるとその中央に立ってアレン先生と向き合った。
どうやらわたしの相手はアレン先生のようだ。
わたしは、心の中で舌打ちした。
魔法剣士とはいえ剣士であるフランシス先生ならたやすく倒せたものを。
魔道師であるアレン先生ではわたしにぶが悪い。
しかも、敵は、本気でわたしを殺しにくる(かもしれない)。
「行くよ」
アレン先生の灰色のローブが揺れたかと思うとその足元から大地が盛り上がりいくつもの小型のゴーレムが現れた。
小型とはいえゴーレムは、十分に致傷能力を有している。
わたしは、低く身構えると幽霊たちに呼び掛けた。
お願い、この地に眠っている幽霊たちよ!
わたしを守って!
わたしの周囲に緑の植物たちが延びてきて取りか込むようにわたしをおおっていく。
そして、その間にも植物の枝が触手のようにゴーレムたちをとらえて動きを封じていく。
「ちっ!」
アレン先生が舌打ちするのがはっきりと聞こえた。
先生のくせに!
「これならどうだ?」
アレン先生が巨大な魔法陣を前面にいくつも展開していく。
何?
あれ、何をするつもりなの?
「もしもこれを避けられたらアリシア・アルトグレイス、君には、満点をあげよう」
アレン先生がにやりと笑った。
中央の魔法陣から巨大な炎の槍が現れる。
それがわたしをロックオンしているのがわかった。
「ゆけっ!炎の槍よ、敵を貫け!」
マジですか?
殺す気まんまんじゃね?
わたしは、目を閉じると大地の幽霊たちに呼び掛けた。
大地の幽霊たちよ、わたしを守護せよ!
どごおぉん!
鈍い音がしてわたしの目の前に現れた岩の塊がアレン先生の放った炎の槍を全身で受け止めていた。
岩のゴーレムは、アレン先生の魔法を徐々に解呪して消し去っていった。
わたしの周囲の枝たちがいっせいにアレン先生に襲いかかる。
一瞬のうちにアレン先生は、ぐるぐる巻きにされていた。
「ちょ・・降参!離してくれ!」
アレン先生は、空中に吊り下げられて叫んでいた。
わたしは、ふぅっと息をついた。
わたしが試験を終えて闘技場から出るとララ様とルーシー様が駆け寄ってきた。
「すごいですわ!アリシア」
「さすが、私たちのアリシアですわね!」
ははっ・・と笑ってわたしは後ずさった。
まずい。
意識が・・
わたしは、思っていた。
この二人の前で倒れるわけにはいかない。
「まあ、いいか」
アレン先生は、小声で呟くとわたしを指差して告げた。
「次は、あなたの番だ。アリシア・アルトグレイス!」
「は、はいっ!」
わたしは、ロドニーが闘技場から連れ出されるとその中央に立ってアレン先生と向き合った。
どうやらわたしの相手はアレン先生のようだ。
わたしは、心の中で舌打ちした。
魔法剣士とはいえ剣士であるフランシス先生ならたやすく倒せたものを。
魔道師であるアレン先生ではわたしにぶが悪い。
しかも、敵は、本気でわたしを殺しにくる(かもしれない)。
「行くよ」
アレン先生の灰色のローブが揺れたかと思うとその足元から大地が盛り上がりいくつもの小型のゴーレムが現れた。
小型とはいえゴーレムは、十分に致傷能力を有している。
わたしは、低く身構えると幽霊たちに呼び掛けた。
お願い、この地に眠っている幽霊たちよ!
わたしを守って!
わたしの周囲に緑の植物たちが延びてきて取りか込むようにわたしをおおっていく。
そして、その間にも植物の枝が触手のようにゴーレムたちをとらえて動きを封じていく。
「ちっ!」
アレン先生が舌打ちするのがはっきりと聞こえた。
先生のくせに!
「これならどうだ?」
アレン先生が巨大な魔法陣を前面にいくつも展開していく。
何?
あれ、何をするつもりなの?
「もしもこれを避けられたらアリシア・アルトグレイス、君には、満点をあげよう」
アレン先生がにやりと笑った。
中央の魔法陣から巨大な炎の槍が現れる。
それがわたしをロックオンしているのがわかった。
「ゆけっ!炎の槍よ、敵を貫け!」
マジですか?
殺す気まんまんじゃね?
わたしは、目を閉じると大地の幽霊たちに呼び掛けた。
大地の幽霊たちよ、わたしを守護せよ!
どごおぉん!
鈍い音がしてわたしの目の前に現れた岩の塊がアレン先生の放った炎の槍を全身で受け止めていた。
岩のゴーレムは、アレン先生の魔法を徐々に解呪して消し去っていった。
わたしの周囲の枝たちがいっせいにアレン先生に襲いかかる。
一瞬のうちにアレン先生は、ぐるぐる巻きにされていた。
「ちょ・・降参!離してくれ!」
アレン先生は、空中に吊り下げられて叫んでいた。
わたしは、ふぅっと息をついた。
わたしが試験を終えて闘技場から出るとララ様とルーシー様が駆け寄ってきた。
「すごいですわ!アリシア」
「さすが、私たちのアリシアですわね!」
ははっ・・と笑ってわたしは後ずさった。
まずい。
意識が・・
わたしは、思っていた。
この二人の前で倒れるわけにはいかない。
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