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3 どきどきの学園生活ですか?
3ー10 魔女の癒し
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3ー10 魔女の癒し
ロドニーは、さすがは剣聖のギフトを持っているだけあって剣技では、騎士団員のフランシス先生に負けてはいなかった。
だが。
「これなら、どうだ?」
フランシス先生がにっと笑ってなんかの呪文を唱えるといくつもの炎の矢が現れそれがいっせいにロドニーへと襲いかかる。
「ロドニー!」
わたしは、思わず声をあげた。
ロドニーは、手にしていた木剣でいくつかは防ぐことができたが、全てを避けることはできなかった。
当然、やられてひどい怪我を負ってしまった。
「ロドニー!」
私は、闘技場に駆け寄っていった。
と、アレクシスにどん、と突き飛ばされてわたしは、その場に倒れ込んでしまった。
何?
こいつぅっ!
わたしは、ロドニーにすがり付いているアレクシスの背後からロドニーに声をかけた。
「大丈夫?ロドニー、しっかり!」
「ロドニー、すぐに治すからね!」
アレクシスが治癒の魔法を使っているのをわたしは、背後から見ていた。
「姉上・・・」
ロドニーが弱々しくわたしを見上げて微笑む。
「不覚をとりました」
「もう、いいから、黙って!」
アレクシスが叫んだ。
ぽぅっと白い光がロドニーを包み込む。
が、傷は、癒せない。
「なんで?」
「傷がひどすぎる。君の力ではダメだ」
アレン先生が言って、控えていた医療職を呼ぼうとした。
が、その必要は、なかった。
わたしは、アレクシスを押し退けるとロドニーの脇に膝をついた。
いっておくがわたしに治癒能力はない。
わたしにあるのは、農業のギフトと、そして、魔女の癒しの力だけだ。
我々魔女は、幽霊の力を借りて人の怪我や病を癒すことができる。
わたしがロドニーの傷を癒すのを見てアレン先生が呟く。
「これは・・ギフトによる治癒能力ではない?」
わたしは、ロドニーの傷を治してからっほぅっと吐息をついた。
やっちゃった。
もしかして、わたし、魔女だってことみんなにばれちゃったかな?
一応、この世界で魔女は、立派な職業の一つだ。
別に正体がばれたからといって狩られて殺されたりするわけではない。
ただ神の与えるギフトではない力を使うものとして忌避されているだけだ。
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だが。
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「ロドニー!」
わたしは、思わず声をあげた。
ロドニーは、手にしていた木剣でいくつかは防ぐことができたが、全てを避けることはできなかった。
当然、やられてひどい怪我を負ってしまった。
「ロドニー!」
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と、アレクシスにどん、と突き飛ばされてわたしは、その場に倒れ込んでしまった。
何?
こいつぅっ!
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「大丈夫?ロドニー、しっかり!」
「ロドニー、すぐに治すからね!」
アレクシスが治癒の魔法を使っているのをわたしは、背後から見ていた。
「姉上・・・」
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「もう、いいから、黙って!」
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が、傷は、癒せない。
「なんで?」
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が、その必要は、なかった。
わたしは、アレクシスを押し退けるとロドニーの脇に膝をついた。
いっておくがわたしに治癒能力はない。
わたしにあるのは、農業のギフトと、そして、魔女の癒しの力だけだ。
我々魔女は、幽霊の力を借りて人の怪我や病を癒すことができる。
わたしがロドニーの傷を癒すのを見てアレン先生が呟く。
「これは・・ギフトによる治癒能力ではない?」
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やっちゃった。
もしかして、わたし、魔女だってことみんなにばれちゃったかな?
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