35 / 105
3 どきどきの学園生活ですか?
3ー9 試験
しおりを挟む
3ー9 試験
翌日は、魔法と剣技の実技のテストだった。
わたしは、昨夜眠れなくって少し遅刻してしまった。
みんな、実技用の動きやすい服装をして闘技場に集まっていた。
わたしも動きやすいクリーム色のワンピース姿でそっと後ろの方に加わった。
「遅刻ですよ、アリシア・アルトグレイス」
アレン先生が冷ややかにわたしに告げた。
「ずいぶんと余裕ですね」
「そういうわけでは」
わたしは、もごもごと言い訳した。
アレン先生は、ぷぃっとそっぽを向くと、試験の説明を始めた。
「試験は、実戦形式で行われる。このテストの結果によって学期末のダンジョンでのオリエンテーションの班分けがされるのでそのつもりでしっかりやるように」
わたしは、なんとかしてここで好成績をおさめて攻略対象たちと同じグループに入りたかった。
それは、アレクシスも同じだろう。
アレクシスは、ああ見えても貴重な治癒魔術が使える。
だが、それだけではこの試験で好成績はおさめられない。
しかし、それは、わたしにも言えていた。
わたしの神から与えられたギフトは、農業だ。
いったい何ができるって言うの?
農業って!
絶望的!
しかし、なんとしても好成績をとらなくては。
将来の破滅回避がかかっているのだ。
だが、わたしは、完全にびびっていた。
なにしろわたしは、試験官である人たちの秘密を知っているのだ。
もしかしたらここで事故を装って抹殺されるかもしれない。
よし!
わたしは、決意を固めた。
命大事に、がんばろう!
突然、きゃーっという歓声が聞こえて顔をあげると、闘技場では、攻略対象であるロドニーが剣術の講師である騎士団員のフランシス先生と対峙していた。
なんで?
わたしは、焦っていた。
生徒同士の試合じゃなかったの?
「今回は、生徒同士ではなく、相手は我々講師がするから、そのつもりで」
忘れていました、という様な軽さでアレン先生が付け加えた。
マジですか?
わたしは、息を飲んだ。
奴ら、本気でわたしを潰す気だ!
これは、まずい!
わたしは、焦っていた。
こんなとき、エミリアおばあ様ならどうするか?
わたしは、考えていた。
おばあ様なら、きっと。
翌日は、魔法と剣技の実技のテストだった。
わたしは、昨夜眠れなくって少し遅刻してしまった。
みんな、実技用の動きやすい服装をして闘技場に集まっていた。
わたしも動きやすいクリーム色のワンピース姿でそっと後ろの方に加わった。
「遅刻ですよ、アリシア・アルトグレイス」
アレン先生が冷ややかにわたしに告げた。
「ずいぶんと余裕ですね」
「そういうわけでは」
わたしは、もごもごと言い訳した。
アレン先生は、ぷぃっとそっぽを向くと、試験の説明を始めた。
「試験は、実戦形式で行われる。このテストの結果によって学期末のダンジョンでのオリエンテーションの班分けがされるのでそのつもりでしっかりやるように」
わたしは、なんとかしてここで好成績をおさめて攻略対象たちと同じグループに入りたかった。
それは、アレクシスも同じだろう。
アレクシスは、ああ見えても貴重な治癒魔術が使える。
だが、それだけではこの試験で好成績はおさめられない。
しかし、それは、わたしにも言えていた。
わたしの神から与えられたギフトは、農業だ。
いったい何ができるって言うの?
農業って!
絶望的!
しかし、なんとしても好成績をとらなくては。
将来の破滅回避がかかっているのだ。
だが、わたしは、完全にびびっていた。
なにしろわたしは、試験官である人たちの秘密を知っているのだ。
もしかしたらここで事故を装って抹殺されるかもしれない。
よし!
わたしは、決意を固めた。
命大事に、がんばろう!
突然、きゃーっという歓声が聞こえて顔をあげると、闘技場では、攻略対象であるロドニーが剣術の講師である騎士団員のフランシス先生と対峙していた。
なんで?
わたしは、焦っていた。
生徒同士の試合じゃなかったの?
「今回は、生徒同士ではなく、相手は我々講師がするから、そのつもりで」
忘れていました、という様な軽さでアレン先生が付け加えた。
マジですか?
わたしは、息を飲んだ。
奴ら、本気でわたしを潰す気だ!
これは、まずい!
わたしは、焦っていた。
こんなとき、エミリアおばあ様ならどうするか?
わたしは、考えていた。
おばあ様なら、きっと。
17
お気に入りに追加
268
あなたにおすすめの小説
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
【続編あり】恋の魔法にかかったら~不器用女神と一途な従士~
花乃 なたね
恋愛
若くして国を支える大魔術師であり、「女神」とも称される美貌の才女セシーリャは、表向きは冷静沈着だが、実は小心者で魔術以外のことには不器用。そのことを周りに悟られぬよう、一人で暮らす彼女のもとに、ひょんなことから出会った青年、ディオンが「あなたの元で働きたい」と押しかけてくる。彼の勢いに押され頷いてしまったセシーリャ。家事もサポートも完璧なディオンとの共同生活の中、彼女は女神の威厳を守れるのか…。 有能だけどちょっぴりポンコツな女魔術師と、ちょっと訳ありだけど一途なスパダリ紳士の恋のお話
2021/9/25 続編を公開致しました。本ページの最終話~おまけの間に起きたお話です。
作者の登録コンテンツからとべますので良ければこちらもお楽しみください。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」
婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。
もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。
……え? いまさら何ですか? 殿下。
そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね?
もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。
だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。
これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。
※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。
他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。
婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
【完結】私は最後にあなたの幸せを願う
今川みらい
恋愛
ベルレアン王国の侯爵令嬢であるカリーナ・ローレルのもとに、ある日突然、父親が山で拾ったと言って、1人の青年を連れて来た。
その青年は、隣国の軍事大国アングラーズ王国の第二王子エアリス・アングラーズであり、後日、エアリスの兄である王太子レアン・アングラーズが、エアリスを連れ帰るため侯爵家を訪れ、何故なのか、カリーナに結婚を申し込む。
本編アングラーズ王国編では、レアンの婚約者候補である、フェアクール帝国の皇女ローズ・フェアクールが現れ、カリーナとレアンの仲を巧みに引き裂こうと策略する。
嫉妬、執着、劣等感。アングラーズ王国編では特に、人の負の感情が渦巻きながら、物語は進んでいきます。
カリーナとレアンの恋は、最後どのような結末を向かえるのか──
初投稿です。
感想等頂けたら作者も励みになります。
よろしくお願いいたします。
〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。
藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。
何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。
同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。
もうやめる。
カイン様との婚約は解消する。
でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。
愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる