魔女見習いは、スパダリたちに溺愛される～乙女ゲー世界のモブなんですが、なぜかヒロインポジなんですけど～

2 うきうき学園生活？

2ー4 クラスわけ

　２ー４　クラスわけ

　おそらく今、この場所に全ての攻略対象者が集まっている。
　いないのはヒロインであるマリアだけ。
　新入生代表で挨拶しているサイラス・フランセーズが壇上に上がっていくのをぼんやりと見つめながらわたしは、考えていた。
　もし、ヒロインがロドニ－ルートに入ったら、わたしは、破滅かもしれない。
　なんとかしてそれだけは防がなくては。
　だが、ヒロインのマリアは幼馴染みと駆け落ち中の筈だった。
　乙女ゲーム世界の補正能力が働いて別のヒロインが？
　いや。
　わたしは、首を振った。
　それは、ないだろう。
　いくらなんでも男のヒロインなんてあり得ない。
　わたしは、壇上で話しているサイラスをじっと見つめた。
　長い銀髪にアイスブルーの瞳をしたクールビューティーなサイラスは、外見に反して真面目な好人物だった。
　確か、サイラスも攻略対象だったよね？
　わたしは、ちらっと横目でアレクシスをうかがった。
　アレクシスは、ロドニ－の方にうっとりとした眼差しを向けている。
　うん。
　これは、確実にロドニ－狙いだな。
　ロドニ－ルートは、実は、初心者でも確実に攻略できるってことでちょろいルートとして有名だった。
　まあ、ロドニ－は、誰にでも優しくていい人だし。
　でも、ここは、やめてほしい。
　わたしがなんとかならないものかと考えているとふと、アレクシスと目があった。
　アレクシスは、にやりと笑った。
　はい？
　わたしは、背中がぞくりとするのを感じていた。
　こいつ、やっぱり何かおかしい？
　入学式の後は、クラスわけの発表があった。
　わたしとロドニ－とアレクシスは、同じ特別クラスだった。
　たぶん、ほとんどの攻略対象者がこの特別クラスにいる筈だった。
　ロドニ－は、また友人たちに呼ばれてしまったのでわたしは、一人残ってオルトの名前を探した。
　オルトリッジ・オールドダーク
　ありました！
　オルトも無事に王立魔法学園に入学を果たしていた。
　わたしは、辺りをきょろきょろと見回した。
　もしかしてオルトも今、この場にいるかもしれない！