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1 ヒロイン逃走!
1ー11 逃走
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1ー11 逃走
続いておじさんは、マリアの方へと向かって告げた。
「マリア・ランダース」
「は、はいっ!」
思わず返事をしてしまったマリアにおじさんはにっこりと微笑んだ。
「あなたに与えられるギフトは、聖女です」
マジですか?
そのとき、だ。
不意に前世の記憶がよみがえってきた。
それは、わたしがテーブルの上に置かれたパソコンに向かって何かをしている光景だった。
うん?
パソコンの画面には、なぜか、マリアの姿が?
もしかして。
マリアって、前世でわたしがはまっていた乙女ゲームのヒロインじゃね?
ということは、この世界は、乙女ゲームの世界ってことか?
わたしは、頭がぐるぐるしてきてそのまま、意識を失った。
「悪役令嬢なんて、いやぁ!」
叫んだわたしの目の前にアリスティア様の心配そうな顔があった。
「どうしたの?大丈夫?アリシア」
わたしは、がばっと起き上がると周囲を見回した。
そこは、乙女チックなわたしの部屋だった。
わたしは、神託の間で倒れてしまったらしい。
「ロドニ-が一緒でよかったわ」
アリスティア様がにっこりと微笑む。
なんでも神託の間からひきずり出されたわたしをロドニ-が馬車間で運んでくれたのだという。
なんですと!
わたしは、頬が熱くなるのを感じていた。
成人の儀式のときに倒れてしまったうえに弟とはいえ男の人に抱かれて運ばれてしまった!
というか。
わたしは、考えていた。
確か、ロドニ-は、攻略対象だったんじゃね?
汗をたらたら流して考え込んでいたわたしにアリスティア様がぼそっと話した。
「そういえば、あなたと一緒に神託を受けた女の子が行方不明になっているわしいわ」
はい?
わたしは、おそるおそるアリスティア様に訊ねた。
「マリアが行方不明?」
「ええ」
アリスティア様がほうっとため息をついた。
「なんでも聖女のギフトを与えられた子らしくって教団が必死で探しているそうよ」
逃げたな!
わたしは、ピンときていた。
マリアのやつ、ゲームが始まる前に逃走したんだ!
続いておじさんは、マリアの方へと向かって告げた。
「マリア・ランダース」
「は、はいっ!」
思わず返事をしてしまったマリアにおじさんはにっこりと微笑んだ。
「あなたに与えられるギフトは、聖女です」
マジですか?
そのとき、だ。
不意に前世の記憶がよみがえってきた。
それは、わたしがテーブルの上に置かれたパソコンに向かって何かをしている光景だった。
うん?
パソコンの画面には、なぜか、マリアの姿が?
もしかして。
マリアって、前世でわたしがはまっていた乙女ゲームのヒロインじゃね?
ということは、この世界は、乙女ゲームの世界ってことか?
わたしは、頭がぐるぐるしてきてそのまま、意識を失った。
「悪役令嬢なんて、いやぁ!」
叫んだわたしの目の前にアリスティア様の心配そうな顔があった。
「どうしたの?大丈夫?アリシア」
わたしは、がばっと起き上がると周囲を見回した。
そこは、乙女チックなわたしの部屋だった。
わたしは、神託の間で倒れてしまったらしい。
「ロドニ-が一緒でよかったわ」
アリスティア様がにっこりと微笑む。
なんでも神託の間からひきずり出されたわたしをロドニ-が馬車間で運んでくれたのだという。
なんですと!
わたしは、頬が熱くなるのを感じていた。
成人の儀式のときに倒れてしまったうえに弟とはいえ男の人に抱かれて運ばれてしまった!
というか。
わたしは、考えていた。
確か、ロドニ-は、攻略対象だったんじゃね?
汗をたらたら流して考え込んでいたわたしにアリスティア様がぼそっと話した。
「そういえば、あなたと一緒に神託を受けた女の子が行方不明になっているわしいわ」
はい?
わたしは、おそるおそるアリスティア様に訊ねた。
「マリアが行方不明?」
「ええ」
アリスティア様がほうっとため息をついた。
「なんでも聖女のギフトを与えられた子らしくって教団が必死で探しているそうよ」
逃げたな!
わたしは、ピンときていた。
マリアのやつ、ゲームが始まる前に逃走したんだ!
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