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1 ヒロイン逃走!
1ー10 ギフト
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1ー10 ギフト
マリアの言葉にわたしは、はっとした。
「わたしもよ!だから、あまりいいギフトがいただけるとまずいのよ!」
「まあ、アリシア様も?」
マリアは、ポウッと頬をピンク色に染めて話し出した。
「私は、幼馴染みの商人の息子と相思相愛なんです。もう、約束の指輪も交換しています」
そう言ってマリアは、わたしに左手の薬指に輝く指輪をみせてくれた。
それは、マリアの瞳と同じ色の優美な指輪だった。
「えっ、これ、けっこう高そうなんだけど?」
「ええ。ダナが、えっと私の言い交わした相手なんですが、彼が子供の頃からためていたお金全部をつかって手に入れてくれたそうです」
マジか?
すごい本気度じゃね?
マリアは、うっとりとした瞳で指輪を見つめた。
「だから、私、絶対にクズギフトじゃないとダメなんです。なんとかクズギフトをひいてダナと結婚するんです!」
「そうなんだ」
わたしは、正直、ちょっとひいていた。
14歳でそこまで思い詰めているんだ。
前世の記憶では14歳なんてまだ子供なのに。
わたしたちが話しているとロドニ-が戻ってきた。
どうやらわたしの番らしい。
小さな神託の間には二人づつ入ることになっていたのだが、わたしと一緒に入ることをみな嫌がっていた。
なんて、器の小さい連中なんだ!
ロドニ-は、先に友人と神託を受けてしまっていたし。
なんと、剣聖らしい。
すごい!
だが、今は、わたしの成人の儀式だ。
誰も嫌がっていて困っているとマリアがおずおずと進み出た。
「もしよかったら、私がご一緒させていただきますが」
というわけで、わたしとマリアは、ゆっくりと中へと入っていった。
神託の間には、人生の内でたった一度しか入ることが許されない。
それは、成人の儀式のときだ。
真っ白い空間の中に女神様の像が浮かんでいた。
女神像の下にたっているおじさんに促されてわたしとマリアは、像の足元に膝をついた。
まずは、わたしからだった。
「アリシア・アルトグレイス」
おじさんがしゃがれた声で静かに告げた。
「あなたに与えられるギフトは、農業です」
はい?
わたしは、キョトン、としていた。
農業?
なんか、思っていたのと違うな。
すごく漠然としているし。
マリアの言葉にわたしは、はっとした。
「わたしもよ!だから、あまりいいギフトがいただけるとまずいのよ!」
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そう言ってマリアは、わたしに左手の薬指に輝く指輪をみせてくれた。
それは、マリアの瞳と同じ色の優美な指輪だった。
「えっ、これ、けっこう高そうなんだけど?」
「ええ。ダナが、えっと私の言い交わした相手なんですが、彼が子供の頃からためていたお金全部をつかって手に入れてくれたそうです」
マジか?
すごい本気度じゃね?
マリアは、うっとりとした瞳で指輪を見つめた。
「だから、私、絶対にクズギフトじゃないとダメなんです。なんとかクズギフトをひいてダナと結婚するんです!」
「そうなんだ」
わたしは、正直、ちょっとひいていた。
14歳でそこまで思い詰めているんだ。
前世の記憶では14歳なんてまだ子供なのに。
わたしたちが話しているとロドニ-が戻ってきた。
どうやらわたしの番らしい。
小さな神託の間には二人づつ入ることになっていたのだが、わたしと一緒に入ることをみな嫌がっていた。
なんて、器の小さい連中なんだ!
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なんと、剣聖らしい。
すごい!
だが、今は、わたしの成人の儀式だ。
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すごく漠然としているし。
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