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1 ヒロイン逃走!
1ー2 侵入者
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1ー2 侵入者
エミリアおばあ様は、お母様のことをほとんど話すことがなかった。
金色の髪色に青い瞳のお母様とは違い、おばあ様は、燃えるような赤毛に緑の瞳をしていた。
それは、思っていた魔女のイメージとは違っていたのでわたしは、少し不満だった。
魔女は、黒い髪をしていなくては。
そして、神秘的な黒い瞳をしていて不思議な呪文を唱えて男たちの心を奪うものだ、とわたしは、本で読んでいた。
わたしは、ませた子供で大人たちの読んでいるような分厚い本もうんと幼い頃から読んでいた。
だから、自分が赤毛で緑の目を持つことが嫌だった。
なんで、魔女の血をひいているのに黒い髪、黒い瞳じゃないのか。
わたしがそういうとお母様は、優しく微笑んでわたしに言った。
「黒髪の魔女なんてつまらないわ。魔女は、やっぱり赤毛でないと。赤毛は情熱の証ですもの」
お母様は、わたしに話した。
「きっとあなたは、情熱的な恋をするわ」
そんなお母様の言葉に胸を高鳴らせていたわたしだったが、エミリアおばあ様との生活の中でそれは、ありえないだろうと思うようになった。
だって、魔女の周囲には若い男なんて近寄ってこないから。
エミリアおばあ様の住む魔女の森には、誰も近づかなかった。
エミリアおばあ様との暮らしは、変化はなかったが穏やかで安心できた。
恋はできないかもしれないけど、ここにはわたしに害をなすものもいなかった。
しばらくして町の人たちは、わたしのことを噂するようになった。
いわく、「若い魔女が森に来た」
そんなある日、森の中に子供が迷い込んできた。
黒っぽい茶髪に薄い茶色の瞳をした身なりのいい子供だ。
森は、エミリアおばあ様の魔法で守られている。
中に入り込んだ人間は、道に迷ってさ迷い続けることになる。
だいたい2日、3日の間森をさ迷うと外へと帰っていくらしい。
だから、エミリアおばあ様とわたしはその少年を遠くから見守っているだけで近くにはよらなかった。
エミリアおばあ様がいうには、外から来る人間と仲良くなるのはあまりいいことではないらしい。
だけど。
わたしは、久しぶりにみる自分と同い年くらいの子供に興味があった。
だから、見つからない程度に近づいては、食料や飲み物を届けてやった。
森は、外部のものから住人を守る。
わたしのことは、その少年には見つけられないはずだった。
エミリアおばあ様は、お母様のことをほとんど話すことがなかった。
金色の髪色に青い瞳のお母様とは違い、おばあ様は、燃えるような赤毛に緑の瞳をしていた。
それは、思っていた魔女のイメージとは違っていたのでわたしは、少し不満だった。
魔女は、黒い髪をしていなくては。
そして、神秘的な黒い瞳をしていて不思議な呪文を唱えて男たちの心を奪うものだ、とわたしは、本で読んでいた。
わたしは、ませた子供で大人たちの読んでいるような分厚い本もうんと幼い頃から読んでいた。
だから、自分が赤毛で緑の目を持つことが嫌だった。
なんで、魔女の血をひいているのに黒い髪、黒い瞳じゃないのか。
わたしがそういうとお母様は、優しく微笑んでわたしに言った。
「黒髪の魔女なんてつまらないわ。魔女は、やっぱり赤毛でないと。赤毛は情熱の証ですもの」
お母様は、わたしに話した。
「きっとあなたは、情熱的な恋をするわ」
そんなお母様の言葉に胸を高鳴らせていたわたしだったが、エミリアおばあ様との生活の中でそれは、ありえないだろうと思うようになった。
だって、魔女の周囲には若い男なんて近寄ってこないから。
エミリアおばあ様の住む魔女の森には、誰も近づかなかった。
エミリアおばあ様との暮らしは、変化はなかったが穏やかで安心できた。
恋はできないかもしれないけど、ここにはわたしに害をなすものもいなかった。
しばらくして町の人たちは、わたしのことを噂するようになった。
いわく、「若い魔女が森に来た」
そんなある日、森の中に子供が迷い込んできた。
黒っぽい茶髪に薄い茶色の瞳をした身なりのいい子供だ。
森は、エミリアおばあ様の魔法で守られている。
中に入り込んだ人間は、道に迷ってさ迷い続けることになる。
だいたい2日、3日の間森をさ迷うと外へと帰っていくらしい。
だから、エミリアおばあ様とわたしはその少年を遠くから見守っているだけで近くにはよらなかった。
エミリアおばあ様がいうには、外から来る人間と仲良くなるのはあまりいいことではないらしい。
だけど。
わたしは、久しぶりにみる自分と同い年くらいの子供に興味があった。
だから、見つからない程度に近づいては、食料や飲み物を届けてやった。
森は、外部のものから住人を守る。
わたしのことは、その少年には見つけられないはずだった。
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