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8 楽しい休暇は、魔境から
8ー6 『忘却のダンジョン』
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8ー6 『忘却のダンジョン』
しばらく行くと鉄の扉があった。
俺は、それを思いっきり蹴り飛ばした。
ぎぃっと軋むような音がして扉が開く。
俺は、すっかりやけになっていて。
そのまま、中へと入っていった。
俺が入ると当然のようにばたん、とドアが閉まる。
俺は、闇の中に目を凝らした。
「『忘却のダンジョン』へ、ようこそ」
奥から女の声が聞こえた。
俺は、身構える。
こういうところで女の声が聞こえると言うことは、悪い予感しかしない。
というか、ここは、『忘却のダンジョン』っていうの?
俺は、『魔法書』を掲げて『魔法』の光で辺りを照らした。
まばゆい光の中に女の姿が現れる。
女は、蜘蛛の魔物だった。
上半身が黒髪の美しい女の姿で、下半身が蜘蛛という魔物、おそらくアラクネだ。
アラクネは、よくダンジョンに巣くう魔物でダンジョンに誘い込んだ人間をエサにして子供を育てる。
「そうか。さっきの殺気は、お前の仕業だったのか」
俺は、納得した。
うまくおびき寄せられたものだ。
俺は、ぎん、とアラクネを睨み付けた。
「悪いが、ちょっと今、機嫌が悪くてな。覚悟しろよ!」
「あらあら」
アラクネは、くすくすと笑った。
「ずいぶんと可愛らしいこと。あの『ラミーア・ダンジョン』の覇者がこんな少年だったとは、驚きだわね」
うん?
俺は、眉を寄せる。
もしかしてダンジョンって繋がってるの?
それともこの人の情報が速いだけ?
俺が思っているとアラクネが応じた。
「私たちダンジョンは、みな、最奥で繋がっているのよ、坊や」
俺は、用心しながらアラクネに近づく。
腰にぶら下げていた『時巡りの剣』に手をかける。
「それが『ラミーア・ダンジョン』を目覚めさせた剣かえ?」
アラクネが興味深げに俺の剣を見た。
「すでに死に体だった『ラミーア・ダンジョン』の時を戻して主と認めさせたんだ。たいしたものだよ。だけど」
アラクネがその深い藍色の瞳を細める。
「まだまだ、坊やだわね。私は、もっと大人な男の方がいいけど」
「大人でなくて悪かったな!」
俺が『魔法書』を掲げた。
アラクネは、慌てて手を振って見せる。
「勘違いしないで。私は、あなたの敵ではないわ」
敵じゃない?
怪訝そうな俺の視線にアラクネは、長い不気味な足を折り畳み俺の前に頭を垂れた。
「お待ちしておりました。我が主よ」
しばらく行くと鉄の扉があった。
俺は、それを思いっきり蹴り飛ばした。
ぎぃっと軋むような音がして扉が開く。
俺は、すっかりやけになっていて。
そのまま、中へと入っていった。
俺が入ると当然のようにばたん、とドアが閉まる。
俺は、闇の中に目を凝らした。
「『忘却のダンジョン』へ、ようこそ」
奥から女の声が聞こえた。
俺は、身構える。
こういうところで女の声が聞こえると言うことは、悪い予感しかしない。
というか、ここは、『忘却のダンジョン』っていうの?
俺は、『魔法書』を掲げて『魔法』の光で辺りを照らした。
まばゆい光の中に女の姿が現れる。
女は、蜘蛛の魔物だった。
上半身が黒髪の美しい女の姿で、下半身が蜘蛛という魔物、おそらくアラクネだ。
アラクネは、よくダンジョンに巣くう魔物でダンジョンに誘い込んだ人間をエサにして子供を育てる。
「そうか。さっきの殺気は、お前の仕業だったのか」
俺は、納得した。
うまくおびき寄せられたものだ。
俺は、ぎん、とアラクネを睨み付けた。
「悪いが、ちょっと今、機嫌が悪くてな。覚悟しろよ!」
「あらあら」
アラクネは、くすくすと笑った。
「ずいぶんと可愛らしいこと。あの『ラミーア・ダンジョン』の覇者がこんな少年だったとは、驚きだわね」
うん?
俺は、眉を寄せる。
もしかしてダンジョンって繋がってるの?
それともこの人の情報が速いだけ?
俺が思っているとアラクネが応じた。
「私たちダンジョンは、みな、最奥で繋がっているのよ、坊や」
俺は、用心しながらアラクネに近づく。
腰にぶら下げていた『時巡りの剣』に手をかける。
「それが『ラミーア・ダンジョン』を目覚めさせた剣かえ?」
アラクネが興味深げに俺の剣を見た。
「すでに死に体だった『ラミーア・ダンジョン』の時を戻して主と認めさせたんだ。たいしたものだよ。だけど」
アラクネがその深い藍色の瞳を細める。
「まだまだ、坊やだわね。私は、もっと大人な男の方がいいけど」
「大人でなくて悪かったな!」
俺が『魔法書』を掲げた。
アラクネは、慌てて手を振って見せる。
「勘違いしないで。私は、あなたの敵ではないわ」
敵じゃない?
怪訝そうな俺の視線にアラクネは、長い不気味な足を折り畳み俺の前に頭を垂れた。
「お待ちしておりました。我が主よ」
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