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7 冒険者と男娼

7ー8 どこにも行けない。

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 7ー8 どこにも行けない。

 「へっ?」
 俺は、クルーゼの突然の告白に驚きを隠せなかった。
 てか、クルーゼは、セシーという婚約者がいるじゃないか!
 俺がそう言うとクルーゼは、視線をそらした。
 「セシーとは、もう別れた。というか俺が捨てられたんだ」
 クルーゼは、ぐすっと鼻をすすると俺の方へと近づき跪いた。
 「俺は・・お前を愛していることを受け入れられなかった。だから、あんな酷いことをしてしまった。でも・・お前を抱いて始めてわかった」
 クルーゼは、俺の手を額にあてた。
 「頼む。俺を捨てないでくれ、ルシウス。俺のもとに戻ってきて。お願いだ」
 「それは、無理、だ」
 俺が答えるとクルーゼは、信じられないという表情で俺を見た。でも、俺の返事は変わらない。
 「俺は、今は、ここのオーナーであるアンリの奴隷であり、この娼館の男娼でしかない」
 もう、俺は、どこにもいけない。
 ここに。
 ここしか居場所はない。
 「そんなこと」
 クルーゼが俺の手を握り絞めた。
 「俺がなんとかする。そうだ!お前を俺が買えばいい!」
 「そんな簡単なことじゃ、ないんだ」
 俺は、クルーゼから視線をそらした。クルーゼは、呆然として俺を見つめていた。
 「でも!」
 「やめるんだ、クルーゼ」
 扉の方を振り向いたクルーゼがぐぅっと呻いた。そこには、王太子殿下が立っていた。
 「アンリから急ぎの知らせがきてね。慌ててきたんだが」
 王太子殿下は、クルーゼを冷ややかに見下ろした。
 「まさか、お前がこんな問題を起こすなんてな、クルーゼ」
 「これは・・」
 「いいわけは、父上の前でしろ」
 そう言うと王太子殿下は、一緒に来ていた近衛たちに命じてクルーゼを連れていかせた。
 「すまなかったな、ルシウス」
 王太子殿下が俺の方へと近づくとそっと俺の頬に触れた。
 「クルーゼに無体を働かれたそうだが、どこも怪我はないか?見せてくれないか?ルシウス」
 王太子殿下は、聖属性で 治癒魔法は得意だ。だからか、王太子殿下は、シーツにくるまっている俺の体を暴いて見ようとした。俺は、仕方なくシーツを手放す。
 王太子殿下は、俺の体をくまなく見ていく。ねっとりとした視線が熱く感じられて。まるで視線で犯されているような気がして俺は、顔が熱くなった。
 「もう、いい。大丈夫、だから」
 「まだ、ここ、確認してない」
 王太子殿下は、そう言うと俺の足を開かせた。俺は、慌てて両手で股間を隠そうとした。けど、王太子殿下は、その俺の手を掴むと脇にどけた。
 「隠さないで」
 「でもっ!」
 王太子殿下は、俺の奥のすぼまりを覗き込むとふぅっと吐息を漏らした。
 
 
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