63 / 90
7 冒険者と男娼
7ー3 勇者の『初回』
しおりを挟む
7ー3 勇者の『初回』
というわけで。
俺の部屋には、今、『初回』のため勇者様がいる。
アンリに言われて防具と武器を全てルトに預けて白いシャツに黒いズボンという格好で俺と向き合ってお茶をすすっているクルーゼを見て俺は、複雑な気持ちだった。
思えば魔法学園時代からこいつにはいろいろ迷惑をかけられてきた。
試験のときに試験会場を間違えたりは、日常茶飯事だったし、魔法の授業では、魔法の触媒にうっかりと猛毒の含まれた素材を混ぜてみたり。
パーティを組んでからもダンジョンで道に迷ったり、パーティの全財産の入った財布をなくしたり、ほんとクルーゼのおっちょこちょい加減には、振り回されてきたのだった。
「クルーゼ」
俺は、クルーゼに微笑みかけた。
「何を企んでいる?」
「企むって・・」
クルーゼは、お茶の入ったカップをテーブルに置くと俺の方を見てにやっと笑った。
「これからお前をあんあん、言わせることとか、かな」
はい?
俺は、かぁっと頬に血が集まるのを感じた。
なんで俺がこいつにあんあん、言わされなきゃいけないんだよ!
ってか、こいつ、俺のこと抱けるとか思ってるのか?
俺は、じぃっとクルーゼを見つめて聞いた。
「お前・・本気で俺のことを抱きたいのか?クルーゼ」
「ああ?」
クルーゼがにっと唇を歪めると俺の方に手を伸ばしてきた。奴は、俺のひらをつぅっと指先で撫でた。
「誰に言ってる?すぐにお前の方からけつを振って抱いてくれって言うに決まってるだろ!」
はぁっ?
俺は、背筋がぞわぞわするのを感じていた。
いや!
ないない。
例え世界に客がこいつだけになったとしても俺は、決してこいつにだけは抱いてくれなんて言わないし!
だが、俺の気持ちは、こいつには伝わっていないようだ。なんでか知らないが、こいつは、俺が喜んで自分に抱かれたがるとか思っているらしい。
んなわけねぇし!
俺は、怒りを隠しつつクルーゼにお茶をすすめる。クルーゼの返事を待たずにルトがカップへとお茶を注ぐ。
「どうぞ」
お茶のポットを持って壁際に下がるルトをクルーゼがじろりと睨んだ。
「お前、兄上以外の男とも寝たのか?ルシウス」
「もちろん」
俺は、カップに手をつけることなくクルーゼの方を見ていた。クルーゼは、満面の笑顔で俺に聞いた。
「そうか・・じゃあ、そろそろ寝るか?」
というわけで。
俺の部屋には、今、『初回』のため勇者様がいる。
アンリに言われて防具と武器を全てルトに預けて白いシャツに黒いズボンという格好で俺と向き合ってお茶をすすっているクルーゼを見て俺は、複雑な気持ちだった。
思えば魔法学園時代からこいつにはいろいろ迷惑をかけられてきた。
試験のときに試験会場を間違えたりは、日常茶飯事だったし、魔法の授業では、魔法の触媒にうっかりと猛毒の含まれた素材を混ぜてみたり。
パーティを組んでからもダンジョンで道に迷ったり、パーティの全財産の入った財布をなくしたり、ほんとクルーゼのおっちょこちょい加減には、振り回されてきたのだった。
「クルーゼ」
俺は、クルーゼに微笑みかけた。
「何を企んでいる?」
「企むって・・」
クルーゼは、お茶の入ったカップをテーブルに置くと俺の方を見てにやっと笑った。
「これからお前をあんあん、言わせることとか、かな」
はい?
俺は、かぁっと頬に血が集まるのを感じた。
なんで俺がこいつにあんあん、言わされなきゃいけないんだよ!
ってか、こいつ、俺のこと抱けるとか思ってるのか?
俺は、じぃっとクルーゼを見つめて聞いた。
「お前・・本気で俺のことを抱きたいのか?クルーゼ」
「ああ?」
クルーゼがにっと唇を歪めると俺の方に手を伸ばしてきた。奴は、俺のひらをつぅっと指先で撫でた。
「誰に言ってる?すぐにお前の方からけつを振って抱いてくれって言うに決まってるだろ!」
はぁっ?
俺は、背筋がぞわぞわするのを感じていた。
いや!
ないない。
例え世界に客がこいつだけになったとしても俺は、決してこいつにだけは抱いてくれなんて言わないし!
だが、俺の気持ちは、こいつには伝わっていないようだ。なんでか知らないが、こいつは、俺が喜んで自分に抱かれたがるとか思っているらしい。
んなわけねぇし!
俺は、怒りを隠しつつクルーゼにお茶をすすめる。クルーゼの返事を待たずにルトがカップへとお茶を注ぐ。
「どうぞ」
お茶のポットを持って壁際に下がるルトをクルーゼがじろりと睨んだ。
「お前、兄上以外の男とも寝たのか?ルシウス」
「もちろん」
俺は、カップに手をつけることなくクルーゼの方を見ていた。クルーゼは、満面の笑顔で俺に聞いた。
「そうか・・じゃあ、そろそろ寝るか?」
268
お気に入りに追加
788
あなたにおすすめの小説
ぼくは悪のもふもふ、略して悪もふ!! 〜今日もみんなを怖がらせちゃうぞ!!〜
ありぽん
ファンタジー
恐ろしい魔獣達が住む森の中。
その森に住むブラックタイガー(黒い虎のような魔獣)の家族に、新しい家族が加わった。
名前はノエル。
彼は他のブラックタイガーの子供達よりも小さく、
家族はハラハラしながら子育てをしていたが。
家族の心配をよそに、家族に守られ愛され育ったノエルは、
小さいものの、元気に成長し3歳に。
そんなノエルが今頑張っていることは?
強く恐ろしいと人間達が困らせ怖がらせる、お父さんお母さんそして兄のような、かっこいいブラックタイガーになること。
かっこいいブラックタイガーになるため、今日もノエルは修行に励む?
『どうだ!! こわいだろう!! ぼくはあくなんだぞ!! あくのもふもふ、あくもふなんだぞ!!』
召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる
KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。
ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。
ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。
性欲悪魔(8人攻め)×人間
エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』
生贄として捧げられたら人外にぐちゃぐちゃにされた
キルキ
BL
生贄になった主人公が、正体不明の何かにめちゃくちゃにされ挙げ句、いっぱい愛してもらう話。こんなタイトルですがハピエンです。
人外✕人間
♡喘ぎな分、いつもより過激です。
以下注意
♡喘ぎ/淫語/直腸責め/快楽墜ち/輪姦/異種姦/複数プレイ/フェラ/二輪挿し/無理矢理要素あり
2024/01/31追記
本作品はキルキのオリジナル小説です。
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
【R18】奴隷に堕ちた騎士
蒼い月
BL
気持ちはR25くらい。妖精族の騎士の美青年が①野盗に捕らえられて調教され②闇オークションにかけられて輪姦され③落札したご主人様に毎日めちゃくちゃに犯され④奴隷品評会で他の奴隷たちの特殊プレイを尻目に乱交し⑤縁あって一緒に自由の身になった両性具有の奴隷少年とよしよし百合セックスをしながらそっと暮らす話。9割は愛のないスケベですが、1割は救済用ラブ。サブヒロインは主人公とくっ付くまで大分可哀想な感じなので、地雷の気配を感じた方は読み飛ばしてください。
※主人公は9割突っ込まれてアンアン言わされる側ですが、終盤1割は突っ込む側なので、攻守逆転が苦手な方はご注意ください。
誤字報告は近況ボードにお願いします。無理やり何となくハピエンですが、不幸な方が抜けたり萌えたりする方は3章くらいまでをおススメします。
※無事に完結しました!
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
幸せメリークリスマス♡ ~童貞くん初めての性の6時間~
nanashi
BL
クリスマスにホテルの前で彼女に捨てられたシュンは、リュウと名乗る美形の男と出会う。あれよあれよという間にホテルに連れ込まれ、シュンは童貞の前にアナル処女を捨ててしまい……!?
謎の美形×童貞大学生
【注意】
♡喘ぎ/ラブハメ/まんぐり返し/種付けピストン/結腸責め/セルフイラマ/ごっくん/アナルプラグ/潮吹き/セルフ顔射
/大スカを揶揄する表現(大スカしませんが話題に出てきます)/言葉責め
攻め受け共に体格のいい男です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる