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8 拐われて
8ー6 風呂
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8ー6 風呂
俺は、気分が悪くなった。
フォルツァートは、犯罪者だ!
俺だけじゃなく、自分の実の子にまでこんなことを!
俺がなんとかしなくては!
俺は、イーサンに訊ねた。
「ここは、どこなんだ?」
俺の質問にイーサンは、首を傾げた。
「知らない」
イーサンは、この前、俺を拐うためにラミリアの屋敷に潜り込んだのが唯一の外の世界との関わりだったようで、まったく外界のことを知らないようだった。
だた、ここがフォルツァートの王都の屋敷だということ、それと屋敷には、イーサンの腹違いの妹が住んでいることもわかった。
イーサンが『お嬢様』と呼んでいる令嬢になんとか連絡がとれないものか、と俺は、思ってイーサンにきいたが、イーサンは、頑なに『お嬢様』と俺が関わりを持つことを防ごうとしているようだった。
「お嬢様には、僕たちみたいな汚ならしい男娼は、近づいちゃダメだってお父様がおっしゃってるから僕もあまり話したことがないんだ」
イーサンが少し寂しげに話した。
「お嬢様は、僕とは違って汚れのない天使だから」
食事が終わると俺は、イーサンに身体を洗いたいと頼んだ。イーサンは、困ったような顔をしていた。
「でも、身体は、きれいにしてあげたんだけど」
「それでも、お湯で清めたいんだ」
俺は、イーサンに頼み込んだ。
イーサンは、悩んでいたが、俺がしつこく頼むと渋々頷いた。
「お湯を使うときは、屋敷の使用人の部屋に行かなくちゃいけないし。ほんとは、僕、リチャードのこと、ここから出しちゃいけないんだけど。でも、僕、リチャードのこと、お父様とお嬢様の次に好きだから、特別だよ」
イーサンは、裸の俺に首輪をつけると首輪にチェーンを繋いだ。そして、足と手にも枷をつけた。
「もし、逃げようとしたらまた、お仕置きだからね!いい?リチャード。約束は守ってよ?」
俺がこくこくと頷くと、イーサンは、俺をつれて地下室の外へと出た。きしむ階段を上がっていくと廊下に出た。イーサンは、俺の首輪につけたチェーンをひいて俺を廊下の端の小部屋へと連れ込んだ。
そこは、使用人用の部屋のようだった。ベッドが1つ置かれた部屋の隣に続く扉を開けてイーサンは、俺を風呂桶の置かれたカビ臭い窓もない部屋へと導いた。
「ここは、僕の専用の部屋なんだ。いいだろ?お父様が僕のために用意してくれた部屋なんだよ」
桶に水が張られていて、イーサンは、俺に入るように告げた。
どうやら風呂桶の水は、この屋敷の使用人が用意してくれたようだった。イーサンいわく、彼が屋敷の主に特別な奉仕をした時には、お湯を入れてもらえるんだとか。
「今日は、水だけど、ごめんね」
イーサンが申し訳なさげに俺に言った。
こいつ、そんな悪い奴じゃないな。
イーサンから伝わってくる思念は、そんな悪いものじゃないし。
俺は、イーサンに身体を洗う間一人にして欲しいと頼んだ。
俺は、気分が悪くなった。
フォルツァートは、犯罪者だ!
俺だけじゃなく、自分の実の子にまでこんなことを!
俺がなんとかしなくては!
俺は、イーサンに訊ねた。
「ここは、どこなんだ?」
俺の質問にイーサンは、首を傾げた。
「知らない」
イーサンは、この前、俺を拐うためにラミリアの屋敷に潜り込んだのが唯一の外の世界との関わりだったようで、まったく外界のことを知らないようだった。
だた、ここがフォルツァートの王都の屋敷だということ、それと屋敷には、イーサンの腹違いの妹が住んでいることもわかった。
イーサンが『お嬢様』と呼んでいる令嬢になんとか連絡がとれないものか、と俺は、思ってイーサンにきいたが、イーサンは、頑なに『お嬢様』と俺が関わりを持つことを防ごうとしているようだった。
「お嬢様には、僕たちみたいな汚ならしい男娼は、近づいちゃダメだってお父様がおっしゃってるから僕もあまり話したことがないんだ」
イーサンが少し寂しげに話した。
「お嬢様は、僕とは違って汚れのない天使だから」
食事が終わると俺は、イーサンに身体を洗いたいと頼んだ。イーサンは、困ったような顔をしていた。
「でも、身体は、きれいにしてあげたんだけど」
「それでも、お湯で清めたいんだ」
俺は、イーサンに頼み込んだ。
イーサンは、悩んでいたが、俺がしつこく頼むと渋々頷いた。
「お湯を使うときは、屋敷の使用人の部屋に行かなくちゃいけないし。ほんとは、僕、リチャードのこと、ここから出しちゃいけないんだけど。でも、僕、リチャードのこと、お父様とお嬢様の次に好きだから、特別だよ」
イーサンは、裸の俺に首輪をつけると首輪にチェーンを繋いだ。そして、足と手にも枷をつけた。
「もし、逃げようとしたらまた、お仕置きだからね!いい?リチャード。約束は守ってよ?」
俺がこくこくと頷くと、イーサンは、俺をつれて地下室の外へと出た。きしむ階段を上がっていくと廊下に出た。イーサンは、俺の首輪につけたチェーンをひいて俺を廊下の端の小部屋へと連れ込んだ。
そこは、使用人用の部屋のようだった。ベッドが1つ置かれた部屋の隣に続く扉を開けてイーサンは、俺を風呂桶の置かれたカビ臭い窓もない部屋へと導いた。
「ここは、僕の専用の部屋なんだ。いいだろ?お父様が僕のために用意してくれた部屋なんだよ」
桶に水が張られていて、イーサンは、俺に入るように告げた。
どうやら風呂桶の水は、この屋敷の使用人が用意してくれたようだった。イーサンいわく、彼が屋敷の主に特別な奉仕をした時には、お湯を入れてもらえるんだとか。
「今日は、水だけど、ごめんね」
イーサンが申し訳なさげに俺に言った。
こいつ、そんな悪い奴じゃないな。
イーサンから伝わってくる思念は、そんな悪いものじゃないし。
俺は、イーサンに身体を洗う間一人にして欲しいと頼んだ。
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