乙女系モブ騎士は、只今絶賛婚活中～子作りを前提にお付き合いを希望しているのになぜか男ばかりに執着されています～

8 拐われて

8ー1 研究

　８ー１　研究

　俺の後孔に先端が押し込まれて俺は、ぎゅっと目を閉じて身を固くした。
　やられる！
　そのとき、別の誰かの声が聞こえた。
　「やめないか！イーサン」
　それは、俺の足の間で身を止めた。俺に向かって赤い舌を出してにやりと笑う。
　「あらあら、止められちゃった」
　イーサンと呼ばれたそいつは、俺から体を離し、俺が縛られているベッドから下りた。
　俺のそばにもう1人の男が近づいてきて俺を覗き込んだ。
　「すまなかったね、リチャード・ライナス・トマソンズ」
　俺は、その男を知っていた。
　藍色の長い髪を後ろでまとめた、赤い目をした不気味な中年男。
　間違いない。
　王宮に行ったときに会ったことがある人物だった。
　確か、王立魔道研究所の所長だった筈。
　「王立魔道研究所の所長が俺を拐ってどうするつもりだ？」
　俺がきくとその男は、一瞬、驚いたような顔をした。
　「私をご存じどはね。光栄だよ、リチャード」
　「こんなことをして・・ただですむと思ってるのか？はやく、俺を」
　「あなたは、自分の価値を知らない」
　その男、王立魔道研究所所長であるルキシス・フォルツァートは、俺に顔を近づけるとにたりと笑った。
　「その女神の祝福を受けた体は、今や、計り知れない価値を秘めている」
　「・・俺をどうするつもりだ？フォルツァート伯爵」
　俺は、怒りを我慢して低い声できいた。フォルツァートは、口許を歪める。
　「あなたには、私の研究のために協力してもらう」
　「協力？」
　俺が問うとフォルツァートは、答えた。
　「そう。ここで一生、私のためにその肉体を提供してもらおう」
　フォルツァートは、俺の方へと手を伸ばして俺の頬をつぅっと撫でた。その手の感触に俺は、背筋がぞっとするのを感じた。
　「ここに、女神の神秘が宿っている。楽しみだよ。あなたとあなたの産む子供を暴き、味わい、そして、神秘を追求することが私の研究する女神の力の解析に繋がるのだ」
　フォルツァートからは、どす黒い不気味な心象が伝わってくる。
　俺にたった１つだけわかったことがあった。
　この男たちは、俺と俺の体に宿っている命を研究のための素材だとしか思っていない。
　俺は、ここでこれからこの連中に弄ばれることになるのだろう。
　だが・・