87 / 117
7 新しい命
7ー3 抱いて欲しい
しおりを挟む
7ー3 抱いて欲しい
そうこうしている内に馬車が停まり、御者がドアを開いた。エドは、彼に責められてぐったりしている俺に着ていたコートをかけるとそのまま俺を抱き上げた。
彼は、俺を抱いたまま無言で馬車から降りた。
そこは、どこか王都の近くの保養地のような場所のようだった。
今は、雪に覆われているが、おそらく夏には、アデレイド公爵家の人々が避暑地として過ごしているのだろう。
エドは、俺をその古めかしい田舎風の屋敷へと運び込むとリビングへと連れていきソファへ下ろした。
俺は、寒さに震えながらエドがかけてくれたコートの端を掴んで彼を見上げていた。
御者がすぐに暖炉に火を起こし薪をくべた。
しばらくするとリビングの中は暖かくなっていった。
エドは、俺に背を向けたままたたずんでいた。
『・・たい・・』
エドから不穏な思考が伝わってくるのを感じて俺は、びくっと身構えていた。
『すぐに、あの男娼がリチャードにしたことを私の手で上書きしたい!たっぷりと上書きして、そして、リチャードを私の手で暴いて・・そして、あそこを開いて、奥まで貫いて!リチャードを私だけのものにしたい!』
俺は、エドの欲望を感じて。
その熱に煽られて体全体が火照っていた。
「俺・・も・・」
俺は、エドに告げた。
「エドにして欲しい・・いっぱい俺のこと、抱いて欲しい!俺の奥まで貫いて欲しい!」
そこまで言って俺は、恥ずかしさに顔を伏せた。
俺、なんてことを!
俺は、羞恥に火照る肌をエドのコートに押し隠した。
エドに・・抱いてくれなんて!
きっと、エドは、俺を蔑んでいるにちがいない。まるで男娼のようだ、と思っているのに決まっている。
「リチャード・・」
エドが俺に近づいてくると俺の肩に手を置いた。
「・・いいのか?」
「うん・・」
俺は、俯いたままこくりと頷いた。
エドは。
冷たくなった手を俺の熱い頬へと触れてきて、俺の唇へとその手を滑らせる。
「本当にいいんだな?リチャード」
エドが俺の顎に手をかけて上を向かせる。エドの金色の瞳がかすかに揺れていた。
『ほんとにいいのか?リチャードを私のものにしてしまっても?彼の全てを私のものに!だが・・騎士団長を慕うリチャードの気持ちを考えたら・・いいのか?本当にリチャードは、後悔しないのだろうか?』
そうこうしている内に馬車が停まり、御者がドアを開いた。エドは、彼に責められてぐったりしている俺に着ていたコートをかけるとそのまま俺を抱き上げた。
彼は、俺を抱いたまま無言で馬車から降りた。
そこは、どこか王都の近くの保養地のような場所のようだった。
今は、雪に覆われているが、おそらく夏には、アデレイド公爵家の人々が避暑地として過ごしているのだろう。
エドは、俺をその古めかしい田舎風の屋敷へと運び込むとリビングへと連れていきソファへ下ろした。
俺は、寒さに震えながらエドがかけてくれたコートの端を掴んで彼を見上げていた。
御者がすぐに暖炉に火を起こし薪をくべた。
しばらくするとリビングの中は暖かくなっていった。
エドは、俺に背を向けたままたたずんでいた。
『・・たい・・』
エドから不穏な思考が伝わってくるのを感じて俺は、びくっと身構えていた。
『すぐに、あの男娼がリチャードにしたことを私の手で上書きしたい!たっぷりと上書きして、そして、リチャードを私の手で暴いて・・そして、あそこを開いて、奥まで貫いて!リチャードを私だけのものにしたい!』
俺は、エドの欲望を感じて。
その熱に煽られて体全体が火照っていた。
「俺・・も・・」
俺は、エドに告げた。
「エドにして欲しい・・いっぱい俺のこと、抱いて欲しい!俺の奥まで貫いて欲しい!」
そこまで言って俺は、恥ずかしさに顔を伏せた。
俺、なんてことを!
俺は、羞恥に火照る肌をエドのコートに押し隠した。
エドに・・抱いてくれなんて!
きっと、エドは、俺を蔑んでいるにちがいない。まるで男娼のようだ、と思っているのに決まっている。
「リチャード・・」
エドが俺に近づいてくると俺の肩に手を置いた。
「・・いいのか?」
「うん・・」
俺は、俯いたままこくりと頷いた。
エドは。
冷たくなった手を俺の熱い頬へと触れてきて、俺の唇へとその手を滑らせる。
「本当にいいんだな?リチャード」
エドが俺の顎に手をかけて上を向かせる。エドの金色の瞳がかすかに揺れていた。
『ほんとにいいのか?リチャードを私のものにしてしまっても?彼の全てを私のものに!だが・・騎士団長を慕うリチャードの気持ちを考えたら・・いいのか?本当にリチャードは、後悔しないのだろうか?』
263
お気に入りに追加
1,266
あなたにおすすめの小説
護衛騎士をやめたら軟禁されました。
海月さん
BL
護衛騎士である【ルドルフ】は子爵の後継者であり麗しき美貌の持ち主である【アーロ】に想いを寄せてしまう。
けれども男であり護衛騎士の身分である為、それに耐えきれず逃げるかのように護衛騎士を退職することに。
しかしアーロによって塔に軟禁されてしまう。
メンヘラ攻め×歳上受けです。ほぼエロですがご了承ください。
義兄に愛人契約を強要する悪役オメガですが、主人公が現れたら潔く身を引きます!
月歌(ツキウタ)
BL
おそらく、ここはBLゲームの世界。義兄は攻略対象者だ。そして、僕は義兄に愛人関係を強要する悪役モブ。いや、不味いでしょ。この関係は明らかにヤバい。僕はゲーム主人公が登場したら、兄上から潔く身を引きます!だから、主人公さん、早く来て!
☆オメガバース(独自設定あり過ぎ)
☆男性妊娠あり
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら
抹茶らて
BL
僕、田中幸助は引きこもりで陰キャのどこにでもいる、しがない高校生。だったはずなのに…
長い眠りから覚めたと思ったら、美形家族に囲まれていた!?
エレクサリア公爵家の三男ディディ=エレクサリアとオシャレな名前になっていて…美形ショタにあやされるとか、これなんてプレイ?
ずっと一人だった僕に愛情を注いでくれる家族と、迫って来る多方面のイケメン達。
愛されて慣れていない僕はタジタジで………
*R18は保険です(まだ書き上げていないので…)
*ノリと勢いで書いています
*予告なくエロを入れてしまうことがあります
*地雷を踏んでしまったらごめんなさい…
*ストックが無くなってしまったら毎日投稿できないかもしれないです
*愛され慣れていない主人公の行く末を温かく見守ってあげてください
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
子育てゲーだと思ってプレイしていたBLゲー世界に転生してしまったおっさんの話
野良猫のらん
BL
『魔導学園教師の子育てダイアリィ』、略して"まどアリィ"。
本来BLゲームであるそれを子育てゲームだと勘違いしたまま死んでしまったおっさん蘭堂健治は、まどアリィの世界に転生させられる。
異様に局所的なやり込みによりパラメーターMAXの完璧人間な息子や、すでに全員が好感度最大の攻略対象(もちろん全員男)を無意識にタラシこみおっさんのハーレム(?)人生がスタートする……!
推し様の幼少期が天使過ぎて、意地悪な義兄をやらずに可愛がってたら…彼に愛されました。
櫻坂 真紀
BL
死んでしまった俺は、大好きなBLゲームの悪役令息に転生を果たした。
でもこのキャラ、大好きな推し様を虐め、嫌われる意地悪な義兄じゃ……!?
そして俺の前に現れた、幼少期の推し様。
その子が余りに可愛くて、天使過ぎて……俺、とても意地悪なんか出来ない!
なので、全力で可愛がる事にします!
すると、推し様……弟も、俺を大好きになってくれて──?
【全28話で完結しました。R18のお話には※が付けてあります。】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる