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5 2人の番
5ー7 兄
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5ー7 兄
兄達は、俺をしばらく屋敷に留め置いた。
騎士団にも使いを出してしばらく療養させると伝えさせ、俺を家で過ごさせると毎日2人で俺のことを交互に部屋に訪ねてきては下にもおかない様子で 接してきた。
ロベルト兄は、俺のためにわざわざ南国のフルーツを手にいれてきて手ずからそれをむいて俺に食べさせた。
兄は、俺にフォークに刺した果物を差し出すと食べさせようとした。
「ほら、遠慮するな、リチャード」
「はぁ・・」
俺は、戸惑っていた。だが、兄は、笑顔で差し出した果物を引くつもりないようだ。仕方なく俺は、それを一口齧った。
口の中に甘い果汁が溢れてくる。
それは、桃のような味の果物で俺は、差し出されたものを2口で食べると口許を拭いながら兄に微笑んだ。
「美味しいです」
「もっと食べなさい」
ロベルト兄は、俺にどんどん果物を食べさせようとしたので俺は、自分で食べようとしたんだが、ロベルト兄は、俺に食べさせるのを止めようとはしなかった。
うん。
子供じゃないんだし。
俺は、困惑していたが、ロベルト兄は、終始笑顔で俺に果物を食べさせ続けていた。
また、クリストファー兄は、湯を用意して俺に沐浴させようとした。
俺は、自分で風呂に入るといったが、クリストファー兄は、俺を病人扱いし、俺の上着を脱がせると暖かい濡れた布で俺の背を優しく拭っていった。
「かわいそうに。苦労したんだな」
クリストファー兄は、俺の体を拭いながら優しく語りかけた。
俺は、なんだかこそばゆくなっていた。
なぜ、兄達は、急に俺にこんな気を使ってくれるようになったのか?
それは、やはりエドワードのことがあったからだろうか?
俺がエドワードに無態をされそうになったところを見つけた兄達は、エドワードを家から追い出した。
いや。
あれは、そんなのとは違うのだと俺は、兄達に説明しようとしたのだが、兄達は聞き入れようとはしなかった。
兄達は、あくまでもいたいけな俺が無理矢理犯されそうになったと思い込んでいるようだった。
俺がエドワードのことを聞いたりすると兄達は、同情的な眼差しになり俺のことをあやすように頭を撫でて話すのだ。
「リチャード。俺たちは、今まで兄としてお前に何もしてやれなかった。これからは、お前を大切にしたい。何者からもお前を守ってやりたい。それが例え高位の貴族が相手であっても俺たちは、引くつもりはない」
兄達は、俺をしばらく屋敷に留め置いた。
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兄は、俺にフォークに刺した果物を差し出すと食べさせようとした。
「ほら、遠慮するな、リチャード」
「はぁ・・」
俺は、戸惑っていた。だが、兄は、笑顔で差し出した果物を引くつもりないようだ。仕方なく俺は、それを一口齧った。
口の中に甘い果汁が溢れてくる。
それは、桃のような味の果物で俺は、差し出されたものを2口で食べると口許を拭いながら兄に微笑んだ。
「美味しいです」
「もっと食べなさい」
ロベルト兄は、俺にどんどん果物を食べさせようとしたので俺は、自分で食べようとしたんだが、ロベルト兄は、俺に食べさせるのを止めようとはしなかった。
うん。
子供じゃないんだし。
俺は、困惑していたが、ロベルト兄は、終始笑顔で俺に果物を食べさせ続けていた。
また、クリストファー兄は、湯を用意して俺に沐浴させようとした。
俺は、自分で風呂に入るといったが、クリストファー兄は、俺を病人扱いし、俺の上着を脱がせると暖かい濡れた布で俺の背を優しく拭っていった。
「かわいそうに。苦労したんだな」
クリストファー兄は、俺の体を拭いながら優しく語りかけた。
俺は、なんだかこそばゆくなっていた。
なぜ、兄達は、急に俺にこんな気を使ってくれるようになったのか?
それは、やはりエドワードのことがあったからだろうか?
俺がエドワードに無態をされそうになったところを見つけた兄達は、エドワードを家から追い出した。
いや。
あれは、そんなのとは違うのだと俺は、兄達に説明しようとしたのだが、兄達は聞き入れようとはしなかった。
兄達は、あくまでもいたいけな俺が無理矢理犯されそうになったと思い込んでいるようだった。
俺がエドワードのことを聞いたりすると兄達は、同情的な眼差しになり俺のことをあやすように頭を撫でて話すのだ。
「リチャード。俺たちは、今まで兄としてお前に何もしてやれなかった。これからは、お前を大切にしたい。何者からもお前を守ってやりたい。それが例え高位の貴族が相手であっても俺たちは、引くつもりはない」
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