乙女系モブ騎士は、只今絶賛婚活中~子作りを前提にお付き合いを希望しているのになぜか男ばかりに執着されています~

トモモト ヨシユキ

文字の大きさ
上 下
54 / 117
4 女神の祝福?

4ー12 騎士団

しおりを挟む
 4ー12 騎士団
 
 「もういいぞ、リチャード」
 俺が振り向くとそこにはくつろいだ姿でベッドに腰かけているレイダース騎士団長がいた。
 レイダース騎士団長は、俺を手招きすると俺に隣に座るようにと命じた。
  俺が隣に腰を下ろすとレイダース騎士団長は、頷きそのまましばらく前面の空間を睨んでいた。
 その精悍な横顔を俺は、眺めていた。
 レイダース騎士団長は、騎士の中の騎士だ。
 すべての騎士たちが憧れる騎士。
 それが彼だ。
 俺もそうだ。
 学生の頃、まだ、騎士団の副団長だった彼が王立学園の騎士科の剣技の授業に講師として来ていた。
 俺は、彼のファンになった。
 彼は、誰にでも公平に厳しい講師で俺は、よく居残りを命じられていた。
 剣を振り回すこともろくにできない俺にレイダース副騎士団長は、腕立て伏せを命じたものだ。
 だが、いくらやっても筋肉がつかない俺にレイダース副騎士団長は、険しい表情をしていたのを覚えている。
 それでも俺を見限ることなく俺が王立学園を卒業する際にはわざわざお祝いの手紙をくれた 
 小柄で童顔な俺は、就職先がなくて困っていた。
 なかなか俺のようなタイプを欲しがる者はいない。
 どこの商会も、冒険者ギルドですら俺を必要とはしなかった。
 そんな中、レイダース副騎士団長だけが俺を必要としてくれた。
 「騎士団にこないか?」
 俺は、騎士団に入ることなど到底無理だとわかっていたが、俺なんかに声をかけてくれたレイダース副騎士団長の気持ちが嬉しかった。
 そして、騎士団の入団試験に参加した俺は、射手として騎士団に採用されることになった。
 もし、レイダース副騎士団長がいなければ俺は、今ごろ路頭に迷っていたかもしれない。
 あれからもう、9年。
 レイダース副騎士団長は、その間に、騎士団長に出世したが、俺は、最下層のモブ騎士団員のままだ。
 それでもレイダース騎士団長の俺への態度は変わらなかった。
 昔も今も、レイダース騎士団長は、俺に厳しい。
 それは、特別に目をかけてくれているからだと俺は、思っている。
 レイダース騎士団長は、例え、才能がない万年モブの騎士団員にだって全力でぶつかってきてくれるのだ。
 ふと、俺は、レイダース騎士団長の思念に気づいて耳を傾けた。
 『もう、今夜こそ、リチャードを俺のものにする!決めた!リチャードをどこかの誰かに渡すぐらいなら俺のものにしてやる!今夜、リチャードの体を暴いて、俺のものでリチャードの体を開いて。俺の証をその体に刻んでやる!』
 
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

竜人息子の溺愛!

神谷レイン
BL
コールソン書店の店主レイ(三十七歳)は、十八歳になったばかりの育て子である超美形の竜人騎士であるルークに結婚を迫られていた。 勿論レイは必死に断るがルークは全然諦めてくれず……。 だが、そんな中で竜国から使者がやってくる。 そしてルークはある事実を知らされ、レイはそれに巻き込まれてしまうのだが……。 超美形竜人息子×自称おじさん

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

【道徳心】【恐怖心】を覚えた悪役の俺はガクブルの毎日を生きています。

はるか
BL
優しき人々が生きる国で恨まれていた極悪非道なグレン。 彼は幼少の頃に頭を強く打ち、頭のネジが抜けた事により【道徳心】と【恐怖心】が抜け落ちてしまった為に悪役街道をまっしぐらに進み優しい人々を苦しめていた。 ある時、その恨みが最高潮に達して人々はグレンを呪った。 呪いによって、幼少の頃無くした【道徳心】と【恐怖心】を覚えたグレンは生まれて初めて覚える恐怖に怖れ戦き動揺する。だってこれから恐ろしい報復が絶対に待ってる。そんなの怖い! 何とかして回避できないかと、足掻き苦しむ元悪役宰相グレン(27才)の物語です。 主人公が結構クズのままです。 最初はグレンの事が大嫌いな国の最強兵器である騎士のディラン(20才)が今まで隙の無かったグレンの様子がおかしい事に気付いて、観察したり、ちょっかい出したりする内にグレンが気になる存在になっていき最後は結ばれる物語です。 年下人間兵器騎士(金髪碧眼イケメン)×年上宰相(黒髪黒目イケメン)(固定CP) ※設定が緩いのはこの世界が優しい人々しか居なかった為で決して作者のせいではありません。 ※突っ込みは全て「優しい人々しか居ない世界だったので」でお返ししたいと思います。 ※途中、顔文字が出てきます。苦手な方はご注意下さい。

平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます

ふくやまぴーす
BL
旧題:平凡な俺が双子美形御曹司に溺愛されてます〜利害一致の契約結婚じゃなかったの?〜 名前も見た目もザ・平凡な19歳佐藤翔はある日突然初対面の美形双子御曹司に「自分たちを助けると思って結婚して欲しい」と頼まれる。 愛のない形だけの結婚だと高を括ってOKしたら思ってたのと違う展開に… 「二人は別に俺のこと好きじゃないですよねっ?なんでいきなりこんなこと……!」 美形双子御曹司×健気、お人好し、ちょっぴり貧乏な愛され主人公のラブコメBLです。 🐶2024.2.15 アンダルシュノベルズ様より書籍発売🐶 応援していただいたみなさまのおかげです。 本当にありがとうございました!

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

処理中です...