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4 女神の祝福?

4ー8 朝帰り

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 4ー8 朝帰り

 俺は、ちょっとした悪夢の中にいた。
 いい年した男が2人、裸で見つめあっていることに俺は、堪えられず視線をそらした。
 エドワードは、俺を風呂に誘ったが、俺は、断って服を探した。
 俺の服は、きれいに畳まれて寝室のソファの上に置かれていた。
 おそらく使用人が畳んでくれたのだろう。
 俺は、服を着ながら自分の体がきれいに拭き清められていることに気づいて羞恥にまた顔が熱くなる。
 きれいに洗われた下履きに俺は、泣きそうになっていた。
 使用人たちは、己の主のやっていることに疑問を持たないのだろうか?
 俺が服を身に付けて部屋を出ようとしていると執事見習いが朝食ののったトレーを運んできた。
 執事見習いは、無言で窓際のテーブルに朝食を用意すると俺ににっこりと微笑んで部屋から去っていく。
  俺と同じように服を身に付けていたエドワードは、俺に声をかけた。
 「とにかく朝食を一緒に食べよう。それから馬車で送っていく」
 はい?
 俺は、エドワードの言葉が信じられなかった。
 何もしてなくても疑われてお仕置きされたのに、こんな、朝帰り、しかも送迎付き、なんてことになったらどんな罰を受けることになるか。考えるのもおぞましい!
 「1人で帰れるから!」
 部屋から出ようとした俺の腕をエドワードが掴んだ。
 「一緒に朝食を。帰るのはそれからでも遅くはないさ」
 確かにエドワードのいう通りだった。
 もう、どんなに足掻いても朝帰りには違いないのだ。
 同じお仕置きされるなら急ぐ必要はないのかも。
 俺は、エドワードと一緒に朝食をとることにした。
 さすが公爵家。
 朝食ですら俺からすれば豪華なものだった。
 俺は、おいしそうなポーチドエッグを食べようとしてはっとエドワードの視線に気づき手を止めた。
 『一口、食べさせて欲しい。リチャードに、食べさせて欲しい。どうか、食べさせて欲しい』
 俺は、エドワードの意思に負けて分厚いハムの端っこをフォークに指してエドワードの口許へと差し出した。
 無言で差し出している俺にエドワードは、一瞬、目を丸くしたがすぐに口を開けてぱくっとハムを食べる。
 『リチャードに食べさせてもらった!恥ずかしげに差し出す様も可愛らしくて!こんなおいしいハムを私は食べたことがない!』
 エドワードは、自分の皿からブドウの実を一つ摘まむと俺の口許に差し出してきた。
 『さあ、リチャード、口を開けて。私も君に食べさせてあげよう。』
 俺は、ぐっと身構えていたが、エドワードが引こうとしないので仕方なく口を開けた。
 エドワードは、俺の口の中にブドウの実と一緒に指まで入れてきたので俺は、舌でエドワードの指を舐めることになった。
 エドワードがくすぐったげな顔をして俺に微笑んだ。
 『ああっ!リチャードの仕草の可愛らしいことときたら!舌で私の指先を舐めた!なんと可愛らしい!今すぐにベッドに連れていきたい!そして』
 俺は、エドワードの思念を遮ろうとしてエドワードにきれいにむかれ一口大にされたオレンジの実を摘まんで差し出した。
 
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