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2 婚活の邪魔をしないでくれよ!

2ー14 お仕置き

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 2ー14 お仕置き

 俺は、今までの人生を振り替えっていた。
 確かに子供の頃から、何度もキスをしたりされたりしてきた筈だ。
 まあ、前世ではキスなんて夢にもなかったけど、今生では、ばあ様やらメイドたちやらに何度もキスされてるし、俺もしている。
 けど、あんなキスは、なかった。
 エドワードが俺にしたようなキスは、初めてだ。
 それに、キスであんな反応が出たことだって。
 結局、馬車の中でおさまるまでエドワードが俺をなだめてくれたわけだと思うんだが、最初、エドワードは、俺の体に触れようとしていた。
 また、あの夜みたいに俺を暴こうとしていたのか?
 また、エドワードの手で俺を、その、いかそうとしていたのだろうか?
 あのときのことを考えるだけで俺の体の奥から奇妙な熱が湧いてくるような気がして俺は、ぶんぶんと頭を振った。
 ダメだ!
 考えるな、俺!
 エドワードは、普通に上流貴族で、俺のような者と関わることなど考えられない雲の上の人だ。
 もう、会うこともないかもしれない。
 そう思ったとき、なんだか、胸の奥に冷たい風がすぅっと吹いたような気がした。
 もう2度と彼と会えない。
 いや!
 会わない!
 もう、俺は、エドワード・フィン・アデレイドと会うつもりはない!
 
 その夜遅くに騎士団の寮に戻った俺を待っていたのは、思いもしない人物だった。
 寮の部屋に戻った俺の目の前に立っていたのは、レイダース騎士団長だった。
 なんで、レイダース騎士団長が俺の部屋に?
 そう思った瞬間に、俺は、レイダース騎士団長の手で壁に押さえつけられて身動きとれなくなっていた。
 騎士団長が俺が入ってきたドアを乱暴に閉めると、俺たちは、薄暗闇の中で二人きりになった。
 まだ、起きている同僚たちは、それぞれの部屋で休んでいるし、他の連中は、出掛けているから寮の中は静かだった。
 辺りに聞こえているのは、俺とレイダース騎士団長の呼吸音だけだった。
 俺は、押さえつけられた腕が痛くて顔をしかめて体を捻った。
 「どこに行っていた?トマソンズ」
 レイダース騎士団長の地の底から響いてくるような低音が耳元で響いて俺は、小さく喘いだ。
 「・・友人のもとです」
 俺がようやくそれだけ答えた。だが、レイダース騎士団長の拘束が解かれることはなかった。
 『友人?リチャードは、友人と言ったのか?友人が眠っているリチャードを抱いて寮に送り届けてくるのか?しかも、あのときのリチャードの唇には・・確かにキスされた形跡があった。それに、わずかだが衣服も乱れていた』
 「お前は、友人と何をしている?」
 レイダース騎士団長が低い声で俺を詰問する。俺は、レイダース騎士団長の視線から逃れるように顔をそらした。
 「何も・・」
 「何もしてない、というのか?リチャード・ライナス・トマソンズ」
 ぎりっとレイダース騎士団長の手に力がこもり俺は、痛みに低く呻いた。
 「は、なしてください、レイダース騎士団長」
 俺は、訴えたが騎士団長は、聞く耳持たなかった。
 「嘘つきめ」
 レイダース騎士団長が囁いた。
 「嘘つきには、お仕置きをしなくてはな」
 
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