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2 婚活の邪魔をしないでくれよ!
2ー8 忘れてください!
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2ー8 忘れてください!
『リチャードがっ!私を見つめていた?あのつぶらな瞳で、私を!どことなく熱い眼差しを感じて振り向くと、リチャードが私を見つめていた!』
いや!
誰も熱い眼差しなんて向けてねぇし!
エドワードの思念に俺は、思わず心の中で突っ込んだ。
いったい、なんなんだっての!
なんで、この男は、俺にかかわり合ってるんだ?
暇なのか?
そうか、暇なんだな?
『王宮に上がる予定を断ってわざわざ訪れたかいがあったというものだな。しかし、リチャードは、ほんとに愛らしい。まるでウサギのように可愛らしいそのふわふわのハニーブロンド。どうにかして触れたい!ちょっとでもいいから触れたい!』
それから騎士団の寮につくまで馬車の中には妙な緊迫感が漂っていた。
俺の髪に触れようと企むエドワードと、触れさせまいとする俺の静かな攻防が繰り広げられていた。
「あれから、体には、変わりはないか?リチャード」
エドワードが俺の耳元で囁いた。
その甘く響く声に俺は、息を飲んだ。
体が思わず固くなる。
エドワードは、そっと俺の肩に手を置いて俺の顔を覗き込んでくる。
憂いを秘めたその金色の瞳に射貫かれ俺は、視線がそらせなくなる。
エドワードは、俺の頬に手を伸ばすとそっと頬を撫でた。
その冷たい指先に俺は、びくっと体を揺らしてしまい、恥ずかしさに頬が熱くなる。
そっとエドワードの指先が俺の頬と唇に触れた。
「あの媚薬は、慣れない者にはかなりの負担になる」
エドワードは、そういいつつ俺の頬と唇を羽のように軽くなぶる。その心地よさに俺は、どくん、と心臓が跳ねる。
『触れた!リチャードの唇に!なんと柔らかく、汚れを知らぬ清らかさなんだ!その唇を奪い、吸い、貪りたい!いやっ!私は、何を考えているんだ?リチャードは、こんなにも可愛らしいが一応、男、なんだぞ?それを、奪いたい、だなんて。なんて淫らな妄想を、私は、しているのか。彼は、想像もしていないだろう。友である私がこんな妄想を抱いているなんて』
いや、知ってるし!
俺は、歯をくいしばってきっとエドワードを見上げた。
「もう、あの夜のことは・・忘れてください!俺も忘れますから!それが、その、お互いのためだと」
『リチャードがっ!私を見つめていた?あのつぶらな瞳で、私を!どことなく熱い眼差しを感じて振り向くと、リチャードが私を見つめていた!』
いや!
誰も熱い眼差しなんて向けてねぇし!
エドワードの思念に俺は、思わず心の中で突っ込んだ。
いったい、なんなんだっての!
なんで、この男は、俺にかかわり合ってるんだ?
暇なのか?
そうか、暇なんだな?
『王宮に上がる予定を断ってわざわざ訪れたかいがあったというものだな。しかし、リチャードは、ほんとに愛らしい。まるでウサギのように可愛らしいそのふわふわのハニーブロンド。どうにかして触れたい!ちょっとでもいいから触れたい!』
それから騎士団の寮につくまで馬車の中には妙な緊迫感が漂っていた。
俺の髪に触れようと企むエドワードと、触れさせまいとする俺の静かな攻防が繰り広げられていた。
「あれから、体には、変わりはないか?リチャード」
エドワードが俺の耳元で囁いた。
その甘く響く声に俺は、息を飲んだ。
体が思わず固くなる。
エドワードは、そっと俺の肩に手を置いて俺の顔を覗き込んでくる。
憂いを秘めたその金色の瞳に射貫かれ俺は、視線がそらせなくなる。
エドワードは、俺の頬に手を伸ばすとそっと頬を撫でた。
その冷たい指先に俺は、びくっと体を揺らしてしまい、恥ずかしさに頬が熱くなる。
そっとエドワードの指先が俺の頬と唇に触れた。
「あの媚薬は、慣れない者にはかなりの負担になる」
エドワードは、そういいつつ俺の頬と唇を羽のように軽くなぶる。その心地よさに俺は、どくん、と心臓が跳ねる。
『触れた!リチャードの唇に!なんと柔らかく、汚れを知らぬ清らかさなんだ!その唇を奪い、吸い、貪りたい!いやっ!私は、何を考えているんだ?リチャードは、こんなにも可愛らしいが一応、男、なんだぞ?それを、奪いたい、だなんて。なんて淫らな妄想を、私は、しているのか。彼は、想像もしていないだろう。友である私がこんな妄想を抱いているなんて』
いや、知ってるし!
俺は、歯をくいしばってきっとエドワードを見上げた。
「もう、あの夜のことは・・忘れてください!俺も忘れますから!それが、その、お互いのためだと」
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