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2 婚活の邪魔をしないでくれよ!
2ー2 あらまし
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2ー2 あらまし
俺は、恥ずかしさに身もだえしていた。
エドワード。
あの夜、意識を手放すまで彼の手でいかされた俺が翌朝、目覚めると彼がそばにいて俺の顔を覗き込んでいた。
彼は、俺の長く伸びた金色の前髪を指でそっと払ってくれて。
「!」
目覚めた俺を見てエドワードは、一瞬、手を止めた。
『うわっ!なんて、美しい青い瞳なんだ。まるで、宝石のように美しい』
「気がついたか?」
エドワードは、素っ気なく言ったが、彼の心の中は、駄々漏れだった。
『リチャードは、昨夜のこと、覚えているのか?それとも・・全て、忘れてしまったのか?私の手で何度も何度も快楽を極めたことを覚えていたらいいのに』
俺は、思わずひゅっと息を吸った。
エドワードの熱に怯んでしまった。
俺は、昨夜のことを思い出して顔が熱くなって、エドワードから目をそらす。
「すまなかった、エドワード、様」
俺が消え入りそうな声で告げると、エドワードが訊ねた。
「なんのことだ?リチャード」
エドワードが俺の横たわっているベッドの端から立ち上がる。
「昨夜のことなら、こちらが謝らなくてはいけない」
それからエドワードは、あのときのあらましを話してくれた。
なんでもエドワードに思いを寄せていたある令嬢が思い余って彼の飲み物に媚薬を盛ったんだとか。
それを俺が間違えて飲んでしまった。
「つまり、本来、醜態をさらすのは私の方だったというわけだ」
マジか。
俺がぼんやりと頷いていると、エドワードの思念が伝わってくる。
『まあ、それでも、よかったかもしれないが。媚薬に倒れた私をリチャードは、放っておけまい。そしたら・・もしかしたら昨夜、私がしたようなことを彼が私にしてくれた可能性もあるわけだし』
エドワードが一瞬、口許を緩めるのを俺は、見逃さなかった。
なんですと?
この人は!
俺にあんなことをさせたかったわけですか?
俺は、顔が燃えるように熱くなっていた。
恥ずかしすぎる!
俺の様子に気づいたエドワードがすっと俺の頬に手を触れてきた。
「大丈夫か?顔が赤いぞ」
『もしかして、まだ、媚薬が残っているのか?ならば、私が』
「大丈夫、です!」
俺は、がばっと起き上がった。
俺は、止めようとするエドワードを振りきるとそのままアデレイド公爵家をあとにしたのだった。
俺は、恥ずかしさに身もだえしていた。
エドワード。
あの夜、意識を手放すまで彼の手でいかされた俺が翌朝、目覚めると彼がそばにいて俺の顔を覗き込んでいた。
彼は、俺の長く伸びた金色の前髪を指でそっと払ってくれて。
「!」
目覚めた俺を見てエドワードは、一瞬、手を止めた。
『うわっ!なんて、美しい青い瞳なんだ。まるで、宝石のように美しい』
「気がついたか?」
エドワードは、素っ気なく言ったが、彼の心の中は、駄々漏れだった。
『リチャードは、昨夜のこと、覚えているのか?それとも・・全て、忘れてしまったのか?私の手で何度も何度も快楽を極めたことを覚えていたらいいのに』
俺は、思わずひゅっと息を吸った。
エドワードの熱に怯んでしまった。
俺は、昨夜のことを思い出して顔が熱くなって、エドワードから目をそらす。
「すまなかった、エドワード、様」
俺が消え入りそうな声で告げると、エドワードが訊ねた。
「なんのことだ?リチャード」
エドワードが俺の横たわっているベッドの端から立ち上がる。
「昨夜のことなら、こちらが謝らなくてはいけない」
それからエドワードは、あのときのあらましを話してくれた。
なんでもエドワードに思いを寄せていたある令嬢が思い余って彼の飲み物に媚薬を盛ったんだとか。
それを俺が間違えて飲んでしまった。
「つまり、本来、醜態をさらすのは私の方だったというわけだ」
マジか。
俺がぼんやりと頷いていると、エドワードの思念が伝わってくる。
『まあ、それでも、よかったかもしれないが。媚薬に倒れた私をリチャードは、放っておけまい。そしたら・・もしかしたら昨夜、私がしたようなことを彼が私にしてくれた可能性もあるわけだし』
エドワードが一瞬、口許を緩めるのを俺は、見逃さなかった。
なんですと?
この人は!
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恥ずかしすぎる!
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「大丈夫か?顔が赤いぞ」
『もしかして、まだ、媚薬が残っているのか?ならば、私が』
「大丈夫、です!」
俺は、がばっと起き上がった。
俺は、止めようとするエドワードを振りきるとそのままアデレイド公爵家をあとにしたのだった。
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