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1 婚活始めました!

1ー 12 異変

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 1ー12 異変

 なぜか、俺は、そのままエドワードにエスコートされて舞踏会の会場へと向かった。
 いや。
 あんたは、間違えている!
 俺は、心の中で叫んでいた。
 あんたがエスコートするべきなのは、ご令嬢であって俺ではない筈だ!
 エドワードは、というと。
 ずっとにこやかに笑顔を浮かべていたが、心の中では、戸惑いやらなんやらが渦巻いていた。
 『なんだ?この胸のドキドキは。私は、何かの病なのではないか?この舞踏会が終わったらすぐにクリート治癒師を呼ばなくては。きっと私は、悪い病なのだ。こんなにも胸が!』
 うん。
 俺は、かなり遠くまでひいていた。
 この人、違う意味で病気なんじゃ。
 というか、ラミリアにこの話をしたら喜ぶだろうな。
 俺は、ふと、ラミリアに結婚を申し込んでみたらどうだろうか、と思っていた。
 そうだな。
 家柄的には、認められないかもしれないが、お互いの利益を考えたら悪くないんじゃ?
 よし!
 俺は、ラミリアにプロポーズする決意をしていた。
 エドワードは、俺を舞踏会の会場であるアデレイド公爵家の舞踏場へと案内すると名残惜しげに手を離した。
 いや!
 名残惜しそうにしないでくれよ!
 すぐに使用人がエドワードに飲み物を渡した。エドワードは、使用人から受け取ったグラスを俺に渡し、自分も別の使用人からグラスを受け取った。
 「今宵、君のためにワルツを踊ってくれる令嬢が見つかることを祈っているよ、リチャード」
 「はぁ・・」
 俺は、エドワードの金色の瞳に見つめられて心臓が跳ねるのを感じた。
 違うだろう、俺!
 そう。
 俺は、この舞踏会が終わったら明日には、ラミリアにプロポーズをするんだ。
 こんな変な男と関わるのもこれが最後だ!
 俺は、にっこりと微笑むと手にしていたグラスをあおった。
 芳醇な美酒が喉を滑り落ちていく。一瞬、違和感を感じたが、すぐに気のせいだと思った。
 エドワードも手にしていたグラスを飲み干すと俺の耳元へと顔を寄せた。
 「ほら、あそこにいるのが名高い社交界の花、ルーガル伯爵家の令嬢だ。その横にいるのが・・」
 エドワードの吐息が耳にかかって俺は、小さく身震いした。
 なんだ?
 俺は、熱い息を漏らした。
 なんか、おかしい?
 足がガタガタ震えて立っていられなくて俺は、エドワードの腕にしがみついていた。
 
 
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