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1 婚活始めました!
1ー8 客
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1ー8 客
翌日、俺は、上司に呼び出しを受けた。
俺を呼びにきたのは、同期のロイという男だった。ロイは、俺ににやにやしながら告げた。
「お前、いったい何をしたんだ?団長が呼んでるぞ」
俺のような下っぱが騎士団長に呼び出されるなんて滅多なことじゃない。俺は、慌てて団長の執務室へと向かった。
騎士団の寮の奥にある団長の執務室の扉をノックすると団長の声が聞こえた。
「入れ」
「失礼します!」
俺が入っていくと、執務室の団長の書類机に向かい合った椅子に見たことのない若い男が腰かけていた。
艶やかな黒髪を肩の辺りまで伸ばしたその男は、金色の瞳を俺に向け微笑んだ。
「彼が?」
「ああ」
団長が難しい顔をして頷いたので俺は、てっきり苦情かなんかだとばかり思っていた。
だが、団長は、俺に素っ気なく告げた。
「トマソンズ、お前に客だ」
客?
俺は、ちらっと若い男を見た。
その男は、女が喜びそうな美形だったが、体格もそこそこよく俺なんかよりもずっと騎士団員っぽかった。
「君がリチャード・ライナス・トマソンズか?」
その若い男は、立ち上がると俺に手を差し出した。
「私は、エドワード・フィン・アデレイドだ。昨日、君が助けてくれたカイの主だと言った方がわかりやすいか?」
ああ、と俺は頷くと差し出された手を握った。
と。
突然、彼の心が俺の中に流れ込んできた。
『騎士団員だというからどんないかつい男かと思ったが、ずいぶんと可愛らしいな。これなら私の従姉妹のロザリアと同じぐらいの背丈かな?顔も。まるで女の子のようにかわいい』
くっと俺は、小さく声を噛みころした。
人が気にしてることを!
何が、従姉妹のロザリア、だ!
俺は、ぎゅっと強く彼の手を握りしめるとにっと笑った。
「どうも。リチャード・ライナス・トマソンズです」
男は、わずかに眉をひそめると俺の手を握り返した。
「カイの危ないところを救ってくださったとか。礼を言います。ありがとう」
「いえ、当然のことをしたまでです」
俺は、男に握られた手を引き抜こうとしたが、男は、なかなか離そうとはしなかった。
「あなたが助けてくださらなければ、カイは、今ごろ、拐われてどこかに売られていたかもしれない。礼を言っても言い足りないぐらいだ」
翌日、俺は、上司に呼び出しを受けた。
俺を呼びにきたのは、同期のロイという男だった。ロイは、俺ににやにやしながら告げた。
「お前、いったい何をしたんだ?団長が呼んでるぞ」
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「入れ」
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俺が入っていくと、執務室の団長の書類机に向かい合った椅子に見たことのない若い男が腰かけていた。
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客?
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「君がリチャード・ライナス・トマソンズか?」
その若い男は、立ち上がると俺に手を差し出した。
「私は、エドワード・フィン・アデレイドだ。昨日、君が助けてくれたカイの主だと言った方がわかりやすいか?」
ああ、と俺は頷くと差し出された手を握った。
と。
突然、彼の心が俺の中に流れ込んできた。
『騎士団員だというからどんないかつい男かと思ったが、ずいぶんと可愛らしいな。これなら私の従姉妹のロザリアと同じぐらいの背丈かな?顔も。まるで女の子のようにかわいい』
くっと俺は、小さく声を噛みころした。
人が気にしてることを!
何が、従姉妹のロザリア、だ!
俺は、ぎゅっと強く彼の手を握りしめるとにっと笑った。
「どうも。リチャード・ライナス・トマソンズです」
男は、わずかに眉をひそめると俺の手を握り返した。
「カイの危ないところを救ってくださったとか。礼を言います。ありがとう」
「いえ、当然のことをしたまでです」
俺は、男に握られた手を引き抜こうとしたが、男は、なかなか離そうとはしなかった。
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