乙女系モブ騎士は、只今絶賛婚活中~子作りを前提にお付き合いを希望しているのになぜか男ばかりに執着されています~

トモモト ヨシユキ

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1 婚活始めました!

1ー5 秘密

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 1ー5 秘密

 ラミリアは、俺の手芸の趣味を知ると驚きを隠せなかったが、すぐに、俺に自分の秘密も明かしてくれた。
 それは、まったくの想像もしてなかったことだった。
 「私、実は、世を騒がしている作家『ラムナ・リグニアス』なのです」
 それを聞かされた時、俺は、彼女の冗談だと思っていた。
 なぜなら、『ラムナ・リグニアス』は、特殊な作家だったから。
 彼は、主に男性同士の恋愛物語を書き綴る恋愛作家だったのだ。
 その正体がまだ15歳のラミリア・ジーナスだった。
 俺がなぜ、『ラムナ・リグニアス』を知っていたのかというと、それは、ばあ様が彼のファンだったからだった。
 ばあ様は、なんのスキャンダルとも関係のない完璧な淑女だが、唯一、『ラムナ・リグニアス』の小説の虜だという隠し事を持っていた。
 俺が彼女がベッドルームに隠していたその薄暗い秘密を知ったのは、まだ10歳になるかならないかの頃のことだった。
 たまたま、ばあ様たちと隠れ鬼をしていてばあ様の寝室に隠れた俺は、そこで出会ってしまった。
 初めて知った大人の世界。
 それは、俺に衝撃を与えた。
 以来、俺は、そういうことは、同性同士でするものなのだと信じていた。
 王立学園に入って騎士科の連中が話す恋愛の武勇伝をきくまで、俺は、それが普通なのだと思っていた。
 だからといって俺は、周囲の男たちに何か思うところがあったわけではなかった。
 俺は、同性が好きになれない自分が変なのだと思っていた。
 学園の騎士科の授業で寝屋のことを学ぶまでは。
 そこで男女の体の仕組みやらを学んで初めて俺は、『ラムナ・リグニアス』が書いている世界は、特殊なものだったと気づいた。
 まったく、ばあ様にも困ったものだ。
 もう少しで俺は、人生を過つところだった。
 だが。
 その原因である『ラムナ・リグニアス』がまさか、こんな幼い少女だったとはさすがに俺も想像してはいなかった。
 驚いている俺にラミリアは、頬をうっすらと染めて告げた。
 「お願い。このことは、誰にも内密にしてほしいの」
 というわけで。
 彼女が『ラムナ・リグニアス』であることは、俺と彼女だけの秘密となっていた。
 なぜ、こんな突拍子もない話を俺が信じたのか?
 それは、俺が彼女の心を読んだからだ。
 彼女は、嘘偽りをいってはいなかった。
 
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