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15 野良は、翻弄される
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「怯えている君も、かわいいな、雅人」
啓介は、俺の両足を持って、俺ににじりよってきた。強く握られた足首が痛くて、俺は、顔をしかめた。俺は、なんとか奴の手から逃れようと足をばたつかせたが、ダメだった。
「は、はなせっ!」
「つれないな」
啓介は、俺の両足をぐぃっと開いて、その間に体を入れてきた。俺は、なんとか、奴を止めようと思ったが、啓介に俺自身を掴まれてしまい、そこを擦られて全身の力が抜けてしまってダメだった。数時間前に、いかされたばかりのそこは、まだ、熱を持っていて、啓介に責められ、俺は、すぐに、極まってしまった。
「んぅっ・・あっあぁっ!」
「すごい感度がいいんだな、雅人」
啓介は、手のひらを汚している俺の精をペロッと舌を出して舐めとった。
「お前のは、甘い味がする」
啓介は、俺の足を持ち上げると、折り曲げて俺の下半身を覗き込んだ。
「や、やめ、て・・」
「君のここは、きれいなピンク色だな。まだ、駿の奴、使い込んでないんだな」
啓介は、俺の後孔を指で開くと、そこに舌を差し込んで唾液を送り込んできた。熱い舌に中を犯され、俺は、体をそらせて声を漏らした。
「あぅっ・・ん・・」
俺のそこは、啓介の舌に嬲られじんじんと内から疼き出してきた。啓介は、顔をあげると、俺に言った。
「すごい。君のここ、ひくひくして、もう、私を欲しがっている」
「んなわけが」
「なら、試してみようか」
啓介は、そう言うと、どこからか取り出した楕円形の何かを俺に見せた。
「ローターは、初めて?」
「初めてに決まってるだろ!」
俺は、言った。
「やめろ!そんなもん、入れるな!」
「わかったよ、雅人。じゃあ、入れるのは、別のものにするよ」
啓介がポケットから何か、長く玉が連なったようなものを出した。
「これ、君のここに何個入るかな?」
「や、やめっ!」
啓介は、ローションを垂らした玉を俺の後孔へと押し入れ始めた。つぷっと入ってくるその違和感に俺は、びくん、と体をはぜさせた。
「やっ!だめっ、入れちゃ、やだっ!」
啓介は、二個、三個と俺の中へ、その玉を押し込んできた。俺は、こんなことで感じたくもないのに、俺の前は、固くそそり立って、先走りを漏らしていた。
「あっ!・・も、やめっ・・!」
「まだまだ、いけるだろう?雅人」
啓介は、俺の中へと玉を押し込み続けた。俺の腹の中は、ぐりゅぐりゅっと刺激されて、その圧迫感に、俺は、汗を浮かべて呻いた。
「はぅっ・・あぁっ・・も」
「さあ、最後の一個が入ったぞ」
啓介は、俺にキスしてきた。
「がんばったね、雅人。ご褒美をあげなきゃな」
「あっ・・?」
「これは、バイブ機能があってね」
啓介は、スィッチを入れた。それと同時に、俺の体内の玉が動き始めた。その低い振動に俺の中は、擦られて、蕩け始めた。甘い痺れに、俺は、口許を覆って、体を捩った。
「あぁあっ!んぅっ・・あぁっ!」
「顔を隠さないで、雅人。よく見せてくれ、君のいくところを」
啓介が、俺の両手を掴んで、手を足元へと引くと、それぞれ両足首に枷で止めた。俺は、隠すこともできずに、全てを暴かれて、身をくねらせて喘いでいた。
啓介は、最初に取り出したローターを俺の立ち上がっているところへと押しあててスィッチを入れた。
ぶんっと低いローターの音が聞こえて、激しい振動が俺を襲った。その苛烈な刺激に、俺は、再び、達してしまった。俺の放った迸りが俺の腹を汚したのを啓介は、舐めとっていった。
「ふっ・・ぁんっ・・」
啓介は、いったばかりの俺のものをまた、ローターで攻め立てた。俺は、堪らず、またもや、昂らせていた。終わらない快感の波に、俺は、狂い哭き、唾液と涙を垂れ流していて、そんな俺を見て、啓介は、微笑んで言った。
「かわいいよ、雅人。君は、最高に、淫乱な、かわいい私の天使だ」
「あぁっ!・・くぅ・・んっ・・も、やめてぇっ!」
「そろそろ、いいかな」
啓介が俺の中に入っている玉の連なりに手をかけたとき、何か物音が聞こえた。
言い争う声と、足音が聞こえて、寝室のドアが開いた。
「雅人!」
「か、りや・・?」
そこには、刈谷と悠人の姿があった。俺は、こんな姿を二人に見られて、羞恥に全身が朱に染まるのを感じていた。
「なんだ、お前たちも来たのか、駿、悠人」
「何、してるんだよ!啓介兄さん」
刈谷が啓介の胸元に手をかけた。啓介は、それを振り払うと、不敵に笑った。
「お前の子供じみたお遊びじゃ、雅人を満足させられないから、私が引き取ってやろうと思っただけだ」
「なんだと!」
揉めている二人を余所に、悠人が俺の体に手を触れてきて言った。
「大丈夫か?雅人」
「あっ・・はる、と・・」
「すぐに、抜いてやるからな、ちょっと我慢しろよ」
悠人が俺の中に入っている玉の連なりをゆっくりと抜き始めた。一個づつ引っ張り出される玉の感触に、俺は、身をくねらせ喘いだ。そんな俺を見て、悠人は、言った。
「大丈夫か?雅人。苦しいのか?一気に抜いた方がいいか?」
「あっ!だ」
止める間もなく、悠人は、一気に残りの玉を抜き去った。その衝撃に、俺は、堪らず、精を吐いて、いってしまった。
「あぁあっ!!」
「何やってんだ!悠人」
「お前は、いつもいつも、本当に」
2人に詰め寄られて悠人は、俺の中から抜き出した玉の連なりを手にしたまま、言った。
「いや、雅人を楽にしてやろうかと思って」
「それも、そうだな」
啓介が頷いた。
「まずは、雅人を楽にしてやってからだ」
「お気遣いなく・・」
俺は、ぐったりなったまま、弱々しく言ったが、啓介は、俺の膝に手をかけて開かせると、そこに身を滑り込ませて、俺の後孔に素早く、自分自身を押し込んだ。俺のそこは、充分に柔らかくなっていて、すぐに、啓介のものを飲み込んだ。熱いものに穿たれて、俺は、じきに達してしまった。
「ああっ!!」
俺がいった直後に、あの初老の男が受話器を持って部屋へと入ってきた。
「啓介さま、旦那様からお電話でございます」
「お祖父様から?」
啓介は、俺の中に入ったまま、受話器を受け取り話ながら、俺を突き始めた。
「はい。ええ、信一郎兄さん以外はここにいますが」
「あっあぁっ!」
俺は、蕩けているところを啓介に奥まで突かれて、声をあげてしまった。啓介は、かまわず、電話で話続けている。
「はい、雅人くんも、ここにいます。はい、わかりました」
俺は、啓介に中を掻き回され、敏感な場所を擦られ、最奥を突かれて精を放つことなく、いってしまった。
「あぁっ、あぅん・・あぁーっ!」
啓介は、俺の中から自分自身を抜き去ると、受話器を返して、刈谷と悠人に言った。
「お祖父様が全員、すぐに来るようにとの事だ。もちろん」
ぐったりとしている俺を見つめて、啓介は、言った。
「雅人も、だ」
数時間後。
俺は、広い日本庭園に面したリビングの豪華なソファに座って、お茶を飲んでいた。
あの後。
刈谷三兄弟は、ぐったりとなった俺を風呂場に運んで、3人がかりで俺の体を洗い清めて、服を着せてくれた。
そして、そのまま、休む間もなく、俺たちは、啓介の車に乗り込み、郊外にある刈谷邸にやって来た。
すぐに、三兄弟は、じいさんのところへ呼び出され、俺だけ、リビングに残された。
「俺・・いつまで、こうしてればいいわけ?」
俺は、呟いて、ふぁっと欠伸をした。
なんか。
疲れた。
気がつくと、俺は、ソファで眠り込んでいた。
「雅人」
「んっ・・」
刈谷の声。
俺は、刈谷に揺り起こされて、目を覚ました。
「刈谷?」
「雅人」
刈谷が俺を抱き締めてくる。
「えっ?」
俺は、刈谷を仕方なく、抱き返しながら、回りを見た。
俺の目の前の椅子に腰かけて、啓介と悠人がお茶を飲んでいた。
「お祖父様のお話だが」
啓介が口を開いた。
「まあ、まず、雅人を離してあげなさい、駿」
「嫌だ」
刈谷は、俺を膝の上にのせて抱えたまま離そうとはしなかった。啓介は、ため息をついた。
「まあ、いいだろう。とにかく、これは、雅人にも、関わりのあることだから、よく聞いて欲しい」
はい?
俺は、啓介を見て、次に、悠人を、そして、刈谷を見た。
刈谷は、俺に頷いた。
啓介が話始めた。
「お祖父様にあられては、私たちが1人の男を取り合って争うことに愁いておられる。ついては、喧嘩することなく、仲良く、話し合いで、誰が雅人のパートナーとなるのかを決めるようにとの事だ」
「はぁ?」
俺は、きいた。
「俺には、他に選択肢は、ないのかよ」
「雅人には、4つもの選択肢が用意されている」
啓介が言った。
「私たちの内の誰かを選んで貴王堂グループの王のパートナーとなるか、それとも、西条のもとへと行くか」
「ああ?」
俺は、気色ばんだ。刈谷がぎゅっと俺を抱く手に力を込めた。
「大丈夫、雅人。俺が雅人を守るから」
「とにかく、だ」
啓介が続けた。
「お祖父様の命で、雅人を手に入れた者が貴王堂グループの次の王となることが決まった」
「はい?」
なんで、そんな話になっちゃうわけ?
俺は、呆れてものも言えなかった。そんな俺を尻目に啓介は、言った。
「なお、雅人が誰を選ぶか決めるまでの間、私の家で4人で暮らすようにとの事だ」
「ええっ?」
マジか?
呆気にとられている俺に、啓介は、言った。
「くれぐれも兄弟喧嘩などしないように、よく3人を監督してくれとのお祖父様からの伝言だ。雅人、よろしく頼む」
「よろしくな、雅人」
悠人が言う。
刈谷が、俺をぎゅうぎゅう抱き締めて言った。
「雅人は、誰にも渡さないからな」
「誰を選ぶかは、雅人次第だ」
ええっ?
俺は、これから始まる同棲生活を思って、パニックになっていた。
なんで、こんなことになっちゃうの?
俺、前世で何か、悪いことしちゃったの?
俺は、神に祈っていた。
神様、なんとかしてくれ!
啓介は、俺の両足を持って、俺ににじりよってきた。強く握られた足首が痛くて、俺は、顔をしかめた。俺は、なんとか奴の手から逃れようと足をばたつかせたが、ダメだった。
「は、はなせっ!」
「つれないな」
啓介は、俺の両足をぐぃっと開いて、その間に体を入れてきた。俺は、なんとか、奴を止めようと思ったが、啓介に俺自身を掴まれてしまい、そこを擦られて全身の力が抜けてしまってダメだった。数時間前に、いかされたばかりのそこは、まだ、熱を持っていて、啓介に責められ、俺は、すぐに、極まってしまった。
「んぅっ・・あっあぁっ!」
「すごい感度がいいんだな、雅人」
啓介は、手のひらを汚している俺の精をペロッと舌を出して舐めとった。
「お前のは、甘い味がする」
啓介は、俺の足を持ち上げると、折り曲げて俺の下半身を覗き込んだ。
「や、やめ、て・・」
「君のここは、きれいなピンク色だな。まだ、駿の奴、使い込んでないんだな」
啓介は、俺の後孔を指で開くと、そこに舌を差し込んで唾液を送り込んできた。熱い舌に中を犯され、俺は、体をそらせて声を漏らした。
「あぅっ・・ん・・」
俺のそこは、啓介の舌に嬲られじんじんと内から疼き出してきた。啓介は、顔をあげると、俺に言った。
「すごい。君のここ、ひくひくして、もう、私を欲しがっている」
「んなわけが」
「なら、試してみようか」
啓介は、そう言うと、どこからか取り出した楕円形の何かを俺に見せた。
「ローターは、初めて?」
「初めてに決まってるだろ!」
俺は、言った。
「やめろ!そんなもん、入れるな!」
「わかったよ、雅人。じゃあ、入れるのは、別のものにするよ」
啓介がポケットから何か、長く玉が連なったようなものを出した。
「これ、君のここに何個入るかな?」
「や、やめっ!」
啓介は、ローションを垂らした玉を俺の後孔へと押し入れ始めた。つぷっと入ってくるその違和感に俺は、びくん、と体をはぜさせた。
「やっ!だめっ、入れちゃ、やだっ!」
啓介は、二個、三個と俺の中へ、その玉を押し込んできた。俺は、こんなことで感じたくもないのに、俺の前は、固くそそり立って、先走りを漏らしていた。
「あっ!・・も、やめっ・・!」
「まだまだ、いけるだろう?雅人」
啓介は、俺の中へと玉を押し込み続けた。俺の腹の中は、ぐりゅぐりゅっと刺激されて、その圧迫感に、俺は、汗を浮かべて呻いた。
「はぅっ・・あぁっ・・も」
「さあ、最後の一個が入ったぞ」
啓介は、俺にキスしてきた。
「がんばったね、雅人。ご褒美をあげなきゃな」
「あっ・・?」
「これは、バイブ機能があってね」
啓介は、スィッチを入れた。それと同時に、俺の体内の玉が動き始めた。その低い振動に俺の中は、擦られて、蕩け始めた。甘い痺れに、俺は、口許を覆って、体を捩った。
「あぁあっ!んぅっ・・あぁっ!」
「顔を隠さないで、雅人。よく見せてくれ、君のいくところを」
啓介が、俺の両手を掴んで、手を足元へと引くと、それぞれ両足首に枷で止めた。俺は、隠すこともできずに、全てを暴かれて、身をくねらせて喘いでいた。
啓介は、最初に取り出したローターを俺の立ち上がっているところへと押しあててスィッチを入れた。
ぶんっと低いローターの音が聞こえて、激しい振動が俺を襲った。その苛烈な刺激に、俺は、再び、達してしまった。俺の放った迸りが俺の腹を汚したのを啓介は、舐めとっていった。
「ふっ・・ぁんっ・・」
啓介は、いったばかりの俺のものをまた、ローターで攻め立てた。俺は、堪らず、またもや、昂らせていた。終わらない快感の波に、俺は、狂い哭き、唾液と涙を垂れ流していて、そんな俺を見て、啓介は、微笑んで言った。
「かわいいよ、雅人。君は、最高に、淫乱な、かわいい私の天使だ」
「あぁっ!・・くぅ・・んっ・・も、やめてぇっ!」
「そろそろ、いいかな」
啓介が俺の中に入っている玉の連なりに手をかけたとき、何か物音が聞こえた。
言い争う声と、足音が聞こえて、寝室のドアが開いた。
「雅人!」
「か、りや・・?」
そこには、刈谷と悠人の姿があった。俺は、こんな姿を二人に見られて、羞恥に全身が朱に染まるのを感じていた。
「なんだ、お前たちも来たのか、駿、悠人」
「何、してるんだよ!啓介兄さん」
刈谷が啓介の胸元に手をかけた。啓介は、それを振り払うと、不敵に笑った。
「お前の子供じみたお遊びじゃ、雅人を満足させられないから、私が引き取ってやろうと思っただけだ」
「なんだと!」
揉めている二人を余所に、悠人が俺の体に手を触れてきて言った。
「大丈夫か?雅人」
「あっ・・はる、と・・」
「すぐに、抜いてやるからな、ちょっと我慢しろよ」
悠人が俺の中に入っている玉の連なりをゆっくりと抜き始めた。一個づつ引っ張り出される玉の感触に、俺は、身をくねらせ喘いだ。そんな俺を見て、悠人は、言った。
「大丈夫か?雅人。苦しいのか?一気に抜いた方がいいか?」
「あっ!だ」
止める間もなく、悠人は、一気に残りの玉を抜き去った。その衝撃に、俺は、堪らず、精を吐いて、いってしまった。
「あぁあっ!!」
「何やってんだ!悠人」
「お前は、いつもいつも、本当に」
2人に詰め寄られて悠人は、俺の中から抜き出した玉の連なりを手にしたまま、言った。
「いや、雅人を楽にしてやろうかと思って」
「それも、そうだな」
啓介が頷いた。
「まずは、雅人を楽にしてやってからだ」
「お気遣いなく・・」
俺は、ぐったりなったまま、弱々しく言ったが、啓介は、俺の膝に手をかけて開かせると、そこに身を滑り込ませて、俺の後孔に素早く、自分自身を押し込んだ。俺のそこは、充分に柔らかくなっていて、すぐに、啓介のものを飲み込んだ。熱いものに穿たれて、俺は、じきに達してしまった。
「ああっ!!」
俺がいった直後に、あの初老の男が受話器を持って部屋へと入ってきた。
「啓介さま、旦那様からお電話でございます」
「お祖父様から?」
啓介は、俺の中に入ったまま、受話器を受け取り話ながら、俺を突き始めた。
「はい。ええ、信一郎兄さん以外はここにいますが」
「あっあぁっ!」
俺は、蕩けているところを啓介に奥まで突かれて、声をあげてしまった。啓介は、かまわず、電話で話続けている。
「はい、雅人くんも、ここにいます。はい、わかりました」
俺は、啓介に中を掻き回され、敏感な場所を擦られ、最奥を突かれて精を放つことなく、いってしまった。
「あぁっ、あぅん・・あぁーっ!」
啓介は、俺の中から自分自身を抜き去ると、受話器を返して、刈谷と悠人に言った。
「お祖父様が全員、すぐに来るようにとの事だ。もちろん」
ぐったりとしている俺を見つめて、啓介は、言った。
「雅人も、だ」
数時間後。
俺は、広い日本庭園に面したリビングの豪華なソファに座って、お茶を飲んでいた。
あの後。
刈谷三兄弟は、ぐったりとなった俺を風呂場に運んで、3人がかりで俺の体を洗い清めて、服を着せてくれた。
そして、そのまま、休む間もなく、俺たちは、啓介の車に乗り込み、郊外にある刈谷邸にやって来た。
すぐに、三兄弟は、じいさんのところへ呼び出され、俺だけ、リビングに残された。
「俺・・いつまで、こうしてればいいわけ?」
俺は、呟いて、ふぁっと欠伸をした。
なんか。
疲れた。
気がつくと、俺は、ソファで眠り込んでいた。
「雅人」
「んっ・・」
刈谷の声。
俺は、刈谷に揺り起こされて、目を覚ました。
「刈谷?」
「雅人」
刈谷が俺を抱き締めてくる。
「えっ?」
俺は、刈谷を仕方なく、抱き返しながら、回りを見た。
俺の目の前の椅子に腰かけて、啓介と悠人がお茶を飲んでいた。
「お祖父様のお話だが」
啓介が口を開いた。
「まあ、まず、雅人を離してあげなさい、駿」
「嫌だ」
刈谷は、俺を膝の上にのせて抱えたまま離そうとはしなかった。啓介は、ため息をついた。
「まあ、いいだろう。とにかく、これは、雅人にも、関わりのあることだから、よく聞いて欲しい」
はい?
俺は、啓介を見て、次に、悠人を、そして、刈谷を見た。
刈谷は、俺に頷いた。
啓介が話始めた。
「お祖父様にあられては、私たちが1人の男を取り合って争うことに愁いておられる。ついては、喧嘩することなく、仲良く、話し合いで、誰が雅人のパートナーとなるのかを決めるようにとの事だ」
「はぁ?」
俺は、きいた。
「俺には、他に選択肢は、ないのかよ」
「雅人には、4つもの選択肢が用意されている」
啓介が言った。
「私たちの内の誰かを選んで貴王堂グループの王のパートナーとなるか、それとも、西条のもとへと行くか」
「ああ?」
俺は、気色ばんだ。刈谷がぎゅっと俺を抱く手に力を込めた。
「大丈夫、雅人。俺が雅人を守るから」
「とにかく、だ」
啓介が続けた。
「お祖父様の命で、雅人を手に入れた者が貴王堂グループの次の王となることが決まった」
「はい?」
なんで、そんな話になっちゃうわけ?
俺は、呆れてものも言えなかった。そんな俺を尻目に啓介は、言った。
「なお、雅人が誰を選ぶか決めるまでの間、私の家で4人で暮らすようにとの事だ」
「ええっ?」
マジか?
呆気にとられている俺に、啓介は、言った。
「くれぐれも兄弟喧嘩などしないように、よく3人を監督してくれとのお祖父様からの伝言だ。雅人、よろしく頼む」
「よろしくな、雅人」
悠人が言う。
刈谷が、俺をぎゅうぎゅう抱き締めて言った。
「雅人は、誰にも渡さないからな」
「誰を選ぶかは、雅人次第だ」
ええっ?
俺は、これから始まる同棲生活を思って、パニックになっていた。
なんで、こんなことになっちゃうの?
俺、前世で何か、悪いことしちゃったの?
俺は、神に祈っていた。
神様、なんとかしてくれ!
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