上 下
15 / 22

15 野良は、翻弄される

しおりを挟む
    「怯えている君も、かわいいな、雅人」
    啓介は、俺の両足を持って、俺ににじりよってきた。強く握られた足首が痛くて、俺は、顔をしかめた。俺は、なんとか奴の手から逃れようと足をばたつかせたが、ダメだった。
    「は、はなせっ!」
    「つれないな」
     啓介は、俺の両足をぐぃっと開いて、その間に体を入れてきた。俺は、なんとか、奴を止めようと思ったが、啓介に俺自身を掴まれてしまい、そこを擦られて全身の力が抜けてしまってダメだった。数時間前に、いかされたばかりのそこは、まだ、熱を持っていて、啓介に責められ、俺は、すぐに、極まってしまった。
     「んぅっ・・あっあぁっ!」
     「すごい感度がいいんだな、雅人」
     啓介は、手のひらを汚している俺の精をペロッと舌を出して舐めとった。
    「お前のは、甘い味がする」
    啓介は、俺の足を持ち上げると、折り曲げて俺の下半身を覗き込んだ。
   「や、やめ、て・・」
    「君のここは、きれいなピンク色だな。まだ、駿の奴、使い込んでないんだな」
    啓介は、俺の後孔を指で開くと、そこに舌を差し込んで唾液を送り込んできた。熱い舌に中を犯され、俺は、体をそらせて声を漏らした。
    「あぅっ・・ん・・」
     俺のそこは、啓介の舌に嬲られじんじんと内から疼き出してきた。啓介は、顔をあげると、俺に言った。
    「すごい。君のここ、ひくひくして、もう、私を欲しがっている」
   「んなわけが」
     「なら、試してみようか」
     啓介は、そう言うと、どこからか取り出した楕円形の何かを俺に見せた。
   「ローターは、初めて?」
    「初めてに決まってるだろ!」
   俺は、言った。
   「やめろ!そんなもん、入れるな!」
    「わかったよ、雅人。じゃあ、入れるのは、別のものにするよ」
   啓介がポケットから何か、長く玉が連なったようなものを出した。
   「これ、君のここに何個入るかな?」
   「や、やめっ!」
    啓介は、ローションを垂らした玉を俺の後孔へと押し入れ始めた。つぷっと入ってくるその違和感に俺は、びくん、と体をはぜさせた。
   「やっ!だめっ、入れちゃ、やだっ!」
    啓介は、二個、三個と俺の中へ、その玉を押し込んできた。俺は、こんなことで感じたくもないのに、俺の前は、固くそそり立って、先走りを漏らしていた。
    「あっ!・・も、やめっ・・!」
    「まだまだ、いけるだろう?雅人」
    啓介は、俺の中へと玉を押し込み続けた。俺の腹の中は、ぐりゅぐりゅっと刺激されて、その圧迫感に、俺は、汗を浮かべて呻いた。
    「はぅっ・・あぁっ・・も」
    「さあ、最後の一個が入ったぞ」
     啓介は、俺にキスしてきた。
   「がんばったね、雅人。ご褒美をあげなきゃな」
   「あっ・・?」
    「これは、バイブ機能があってね」
    啓介は、スィッチを入れた。それと同時に、俺の体内の玉が動き始めた。その低い振動に俺の中は、擦られて、蕩け始めた。甘い痺れに、俺は、口許を覆って、体を捩った。
    「あぁあっ!んぅっ・・あぁっ!」
    「顔を隠さないで、雅人。よく見せてくれ、君のいくところを」
    啓介が、俺の両手を掴んで、手を足元へと引くと、それぞれ両足首に枷で止めた。俺は、隠すこともできずに、全てを暴かれて、身をくねらせて喘いでいた。
    啓介は、最初に取り出したローターを俺の立ち上がっているところへと押しあててスィッチを入れた。
    ぶんっと低いローターの音が聞こえて、激しい振動が俺を襲った。その苛烈な刺激に、俺は、再び、達してしまった。俺の放った迸りが俺の腹を汚したのを啓介は、舐めとっていった。
    「ふっ・・ぁんっ・・」
       啓介は、いったばかりの俺のものをまた、ローターで攻め立てた。俺は、堪らず、またもや、昂らせていた。終わらない快感の波に、俺は、狂い哭き、唾液と涙を垂れ流していて、そんな俺を見て、啓介は、微笑んで言った。
   「かわいいよ、雅人。君は、最高に、淫乱な、かわいい私の天使だ」
    「あぁっ!・・くぅ・・んっ・・も、やめてぇっ!」
    「そろそろ、いいかな」
     啓介が俺の中に入っている玉の連なりに手をかけたとき、何か物音が聞こえた。
  言い争う声と、足音が聞こえて、寝室のドアが開いた。
   「雅人!」
    「か、りや・・?」
    そこには、刈谷と悠人の姿があった。俺は、こんな姿を二人に見られて、羞恥に全身が朱に染まるのを感じていた。
   「なんだ、お前たちも来たのか、駿、悠人」
      「何、してるんだよ!啓介兄さん」
    刈谷が啓介の胸元に手をかけた。啓介は、それを振り払うと、不敵に笑った。
   「お前の子供じみたお遊びじゃ、雅人を満足させられないから、私が引き取ってやろうと思っただけだ」
    「なんだと!」
    揉めている二人を余所に、悠人が俺の体に手を触れてきて言った。
   「大丈夫か?雅人」
    「あっ・・はる、と・・」
    「すぐに、抜いてやるからな、ちょっと我慢しろよ」
    悠人が俺の中に入っている玉の連なりをゆっくりと抜き始めた。一個づつ引っ張り出される玉の感触に、俺は、身をくねらせ喘いだ。そんな俺を見て、悠人は、言った。
   「大丈夫か?雅人。苦しいのか?一気に抜いた方がいいか?」
   「あっ!だ」
    止める間もなく、悠人は、一気に残りの玉を抜き去った。その衝撃に、俺は、堪らず、精を吐いて、いってしまった。
   「あぁあっ!!」
       「何やってんだ!悠人」
    「お前は、いつもいつも、本当に」
    2人に詰め寄られて悠人は、俺の中から抜き出した玉の連なりを手にしたまま、言った。
   「いや、雅人を楽にしてやろうかと思って」
   「それも、そうだな」
    啓介が頷いた。
   「まずは、雅人を楽にしてやってからだ」
    「お気遣いなく・・」
    俺は、ぐったりなったまま、弱々しく言ったが、啓介は、俺の膝に手をかけて開かせると、そこに身を滑り込ませて、俺の後孔に素早く、自分自身を押し込んだ。俺のそこは、充分に柔らかくなっていて、すぐに、啓介のものを飲み込んだ。熱いものに穿たれて、俺は、じきに達してしまった。
    「ああっ!!」
     俺がいった直後に、あの初老の男が受話器を持って部屋へと入ってきた。
   「啓介さま、旦那様からお電話でございます」
   「お祖父様から?」
        啓介は、俺の中に入ったまま、受話器を受け取り話ながら、俺を突き始めた。
   「はい。ええ、信一郎兄さん以外はここにいますが」
   「あっあぁっ!」
    俺は、蕩けているところを啓介に奥まで突かれて、声をあげてしまった。啓介は、かまわず、電話で話続けている。
   「はい、雅人くんも、ここにいます。はい、わかりました」
    俺は、啓介に中を掻き回され、敏感な場所を擦られ、最奥を突かれて精を放つことなく、いってしまった。
    「あぁっ、あぅん・・あぁーっ!」
    啓介は、俺の中から自分自身を抜き去ると、受話器を返して、刈谷と悠人に言った。
   「お祖父様が全員、すぐに来るようにとの事だ。もちろん」
   ぐったりとしている俺を見つめて、啓介は、言った。
   「雅人も、だ」
   数時間後。
   俺は、広い日本庭園に面したリビングの豪華なソファに座って、お茶を飲んでいた。
   あの後。
   刈谷三兄弟は、ぐったりとなった俺を風呂場に運んで、3人がかりで俺の体を洗い清めて、服を着せてくれた。
    そして、そのまま、休む間もなく、俺たちは、啓介の車に乗り込み、郊外にある刈谷邸にやって来た。
    すぐに、三兄弟は、じいさんのところへ呼び出され、俺だけ、リビングに残された。
   「俺・・いつまで、こうしてればいいわけ?」
    俺は、呟いて、ふぁっと欠伸をした。
   なんか。
   疲れた。
   気がつくと、俺は、ソファで眠り込んでいた。
   「雅人」
    「んっ・・」
     刈谷の声。
    俺は、刈谷に揺り起こされて、目を覚ました。
   「刈谷?」
    「雅人」
    刈谷が俺を抱き締めてくる。
   「えっ?」
     俺は、刈谷を仕方なく、抱き返しながら、回りを見た。
        俺の目の前の椅子に腰かけて、啓介と悠人がお茶を飲んでいた。
   「お祖父様のお話だが」
    啓介が口を開いた。
   「まあ、まず、雅人を離してあげなさい、駿」
    「嫌だ」
     刈谷は、俺を膝の上にのせて抱えたまま離そうとはしなかった。啓介は、ため息をついた。
    「まあ、いいだろう。とにかく、これは、雅人にも、関わりのあることだから、よく聞いて欲しい」
    はい?
   俺は、啓介を見て、次に、悠人を、そして、刈谷を見た。
    刈谷は、俺に頷いた。
   啓介が話始めた。
  「お祖父様にあられては、私たちが1人の男を取り合って争うことに愁いておられる。ついては、喧嘩することなく、仲良く、話し合いで、誰が雅人のパートナーとなるのかを決めるようにとの事だ」
     「はぁ?」
     俺は、きいた。
    「俺には、他に選択肢は、ないのかよ」
    「雅人には、4つもの選択肢が用意されている」
    啓介が言った。
   「私たちの内の誰かを選んで貴王堂グループの王のパートナーとなるか、それとも、西条のもとへと行くか」
   「ああ?」
        俺は、気色ばんだ。刈谷がぎゅっと俺を抱く手に力を込めた。
   「大丈夫、雅人。俺が雅人を守るから」
    「とにかく、だ」
   啓介が続けた。
   「お祖父様の命で、雅人を手に入れた者が貴王堂グループの次の王となることが決まった」
   「はい?」
    なんで、そんな話になっちゃうわけ?
   俺は、呆れてものも言えなかった。そんな俺を尻目に啓介は、言った。
   「なお、雅人が誰を選ぶか決めるまでの間、私の家で4人で暮らすようにとの事だ」
    「ええっ?」
    マジか?
    呆気にとられている俺に、啓介は、言った。
   「くれぐれも兄弟喧嘩などしないように、よく3人を監督してくれとのお祖父様からの伝言だ。雅人、よろしく頼む」
   「よろしくな、雅人」
    悠人が言う。
   刈谷が、俺をぎゅうぎゅう抱き締めて言った。
   「雅人は、誰にも渡さないからな」
    「誰を選ぶかは、雅人次第だ」
     ええっ?
    俺は、これから始まる同棲生活を思って、パニックになっていた。
   なんで、こんなことになっちゃうの?
   俺、前世で何か、悪いことしちゃったの?
   俺は、神に祈っていた。
   神様、なんとかしてくれ!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

女装趣味がバレてイケメン優等生のオモチャになりました

都茉莉
BL
仁科幸成15歳、趣味−−女装。 うっかり女装バレし、クラスメイト・宮下秀次に脅されて、オモチャと称され振り回される日々が始まった。

同室のイケメンに毎晩オカズにされる件

おみなしづき
BL
 オカズといえば、美味しいご飯のお供でしょ?  それなのに、なんで俺がオカズにされてんだ⁉︎  毎晩って……いやいや、問題はそこじゃない。  段々と調子に乗ってくるあいつをどうにかしたいんです! ※がっつりR18です。予告はありません。

当たって砕けていたら彼氏ができました

ちとせあき
BL
毎月24日は覚悟の日だ。 学校で少し浮いてる三倉莉緒は王子様のような同級生、寺田紘に恋をしている。 教室で意図せず公開告白をしてしまって以来、欠かさずしている月に1度の告白だが、19回目の告白でやっと心が砕けた。 諦めようとする莉緒に突っかかってくるのはあれ程告白を拒否してきた紘で…。 寺田絋 自分と同じくらいモテる莉緒がムカついたのでちょっかいをかけたら好かれた残念男子 × 三倉莉緒 クールイケメン男子と思われているただの陰キャ そういうシーンはありませんが一応R15にしておきました。 お気に入り登録ありがとうございます。なんだか嬉しいので載せるか迷った紘視点を追加で投稿します。ただ紘は残念な子過ぎるので莉緒視点と印象が変わると思います。ご注意ください。 お気に入り登録100ありがとうございます。お付き合いに浮かれている二人の小話投稿しました。

男とラブホに入ろうとしてるのがわんこ属性の親友に見つかった件

水瀬かずか
BL
一夜限りの相手とホテルに入ろうとしていたら、後からきた男女がケンカを始め、その場でその男はふられた。 殴られてこっち向いた男と、うっかりそれをじっと見ていた俺の目が合った。 それは、ずっと好きだけど、忘れなきゃと思っていた親友だった。 俺は親友に、ゲイだと、バレてしまった。 イラストは、すぎちよさまからいただきました。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

【短編】無理矢理犯したくせに俺様なあいつは僕に甘い

cyan
BL
彼は男女関係なく取り巻きを従えたキラキラ系のイケメン。 僕はそんなキラキラなグループとは無縁で教室の隅で空気みたいな存在なのに、彼は僕を呼び出して無理矢理犯した。 その後、なぜか彼は僕に優しくしてくる。 そんなイケメンとフツメン(と本人は思い込んでいる)の純愛。 ※凌辱シーンはサラッと流しています。 ムーンライトノベルズで公開していた作品ですが少し加筆しています。

出戻り聖女はもう泣かない

たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。 男だけど元聖女。 一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。 「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」 出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。 ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。 表紙絵:CK2さま

処理中です...