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6 再生と改革

6ー2 復活

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 6ー2 復活

 僕は、王城のかつて王が住んでいた部屋へと案内された。
 そこは、父王やラクウェル兄を始めとして歴代の王が住んできた部屋だった。
 僕は、拒否したのだが、リトアール公爵に押しきられて仕方なくこの部屋を使うことになってしまった。
 ハジメは、この部屋の続き部屋である王妃の部屋を使うことになった。
 「続き部屋か。なんか、エロいな」
 ハジメが僕に聞こえるように呟くので僕の頬が熱くなる。
 「そんなこと言っても、当分、お預けだから、ね」
 僕が言うとハジメがにっと笑った。
 「わかってるって。レリアスがしてくれっていうまでは我慢するから」
 はい?
 僕は、口をはくはくさせてハジメを見た。
 僕からって!
 そう。
 初めてハジメとそういう関係になったとき、僕は、ハジメが童貞だったからきっとそういうことに詳しくないだろうと思って自分から誘ってしまったんだ。
 ハジメは、それが忘れられないらしくって。
 ことあるごとに僕から誘わせようとするのだ。
 でも、もうたぶん、僕から誘うことなんてないだろう。
 だって、僕のことを苛んでいた淫紋は、ラクウェル兄の死と共に消えてしまったから。
 もう、僕をあんな風に狂わせるものは、存在しない。
 筈だった。
 「なんで?」
 僕は、部屋で湯を使っていてふと気づいた。
 僕の下腹には、前と変わらず赤い淫紋が浮き上がっていて。
 僕は、湯からあがると姿見に自分の裸体を写して呆然としていた。 
 なんで、ラクウェル兄に刻まれた淫紋がまた復活している?
 こんなことがハジメに知られたら。
 また、魔力を流されて苛められることになるかもしれない。
 それを想像して僕は、少し高ぶってしまった。
 僕は、この部屋つきのメイドたちを下がらせると夜着をしどけなく羽織ったままベッドへと横になった。
 ハジメは、幸いにも今夜は、魔法学園に戻っていた。
 なんでも明日から冬の期末試験があるとか。
 ハジメは、特待生のためよい成績をとらなくてはならないのだ。
 別に、学費ぐらい僕がどうにかするんだが、そこは、ハジメは、譲らなかった。
 というかリリアンも特待生だったんじゃ?
 リリアンは、まだ風邪が思わしくなくて部屋で寝込んでいる。
 僕は、王城に戻ってすぐにリリアンの見舞いに行ったのだが、リリアンに追い返されてしまった。
 いわく。
 「大切なレリアスお兄様に風邪を移すわけにはいかない」
とのことだった。
 
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