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11 金色の魔王と癒しの男騎士

11ー4 卒業

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 11ー4 卒業

 そうして。
 試験は、無事に終わった。
 うん。
 なんとか無事に終了した。
 大人の事情もあってエルム王子とノルドは、なんとか進級できることになった。
 というか。
 エルム王子は、ともかく、ノルドが試験を通過できたのは、俺とロタのおかげだろう。
 俺とロタは、エルム王子とノルドのために試験の山をはってやった。
 そして、二人にとっては、幸運にも俺たちの予想した問題がドンピシャで出題されていた。
 ほんと。
 もっと感謝してほしい。
 俺は、というと言うまでもなく3位だった。
 1位は、アウラ王女殿下だった。
 さすがとしかいいようがないな。
 ロタは、2位。 
 本人いわく、「わざと間違えた」そうである。
 試験が終わると、4年生の卒業式がある。
 これは、自由参加なので1学年の生徒は、ほとんど参加しない。
 俺もほんとなら進級試験がすんだらささとエルガーナ辺境伯領に戻る気だったんだが、長兄であるエドワード兄が淑男学園を卒業するので俺もエドワード兄の卒業式に出席することにした。
 淑男学園は、王都の中央の貴族街の近くにある。
 貴族の令息たちが学ぶ学校で、寮はない。
 みな、自宅からの通学だ。
 エドワード兄とアルモス兄もエルガーナ辺境伯家の王都のタウンハウスから通学した。
 魔法学園とは違って、淑男学園の生徒たちは、3年で卒業しそのほとんどが結婚する。
 ご多分にももれず、エドワード兄も卒業と同時に結婚式を行うことになっている。
 普通、貴族は、その領地で婚礼の儀式を祝うんだが、ラード侯爵は、かわいい夫に長旅をさせたくはないといって王都で式をあげるらしい。
 この世界での結婚式は、それほど大きな行事ではない。
 ちょっとした個人的なお祝いだ。
 だから、たいていは親しい友人と家族しか呼ばれることはない。
 俺とアルモス兄は、婚礼の儀式に備えてラード侯爵の屋敷に泊まりがけでおよばれすることになっていた。
 騎士団の副団長であるラード侯爵は、忙しい方だが、エドワード兄のことは、すごく溺愛していて毎日、朝晩を一緒に過ごすのはもちろん、昼も食事を一緒にとっている。
 
 
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