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10 ダンジョンで無双ですか?
10ー10 光の竜
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10ー10 光の竜
「俺?俺は、オルナム・フォル・エルガーナ」
俺は、ローエルタールを構えて前に踏み出す。
「ただの騎士、だ」
「よく言う」
黒龍が低い地を這うような笑い声をあげた。
「オルナム・・そうか、お前がオルナム、か」
「俺を知っているのか?」
俺の問いに黒龍が応じる。
「知っているとも」
黒龍が身をわずかに動かして俺にその首を垂れた。
「聖者 オルナム・フォル・エルガーナよ」
聖者?
俺は、歯をくいしばった。
「俺は、聖者などではない!」
「いや。あなたは、間違いなく聖者だ」
黒龍が俺にひれ伏す。
「どうか、我を救ってくれ。この世界のために」
はい?
俺は、首を傾げる。
世界のため、ですか?
「我が名は、魔王 ギリアム」
黒龍が俺に話した。
「この世界の悪を一身に受ける者、だ」
それから黒龍は、己の身の上について語りだした。
「この世界が始まったときより、世界は、朽ち始めた」
世界は、光と闇でできている。
だが、この世界には、闇が強すぎた。
「このままでは、世界は、いづれ朽ち果ててしまうだろう。だから、我は、魔王となったのだ」
黒龍が俺をその黒く澄み渡った瞳で見据えた。
「魔王となりこの世界から生まれる瘴気を全てこの身に受け入れ封じてきた。だが、それにも限界がある」
魔王ギリアムは、今、瘴気に蝕まれ病んでいた。
「このままでは、近い未来に世界は滅びる。瘴気によって闇に染まることだろう」
黒龍は、俺を真摯な眼差しで見つめてこうた。
「我を救ってくれ、オルナム・フォル・エルガーナよ」
俺は、構えていたローエルタールを下げると黒龍へと歩み寄っていった。
そして、闇の塊のような黒龍の体へと手を伸ばして触れた。
「ぐぅっ!」
じゅぅっと音がして俺の手のひらが焼ける。
俺は、それでも黒龍から手を引かなかった。
あっという間に全身が焼けただれていく。
そして。
俺は、死んだ。
それから。
俺は、死んでよみがえっては、黒龍を癒し続けた。
何百回、何千回と繰り返される生と死。
その中で俺は、最強の毒耐性と癒しの力を得た。
そうして。
どのぐらいの時が過ぎたのか。
俺は、ついには闇の瘴気に蝕まれた黒龍を浄化した。
光に包まれて黒龍は、黄金に輝く清らかな竜に変化していった。
「俺?俺は、オルナム・フォル・エルガーナ」
俺は、ローエルタールを構えて前に踏み出す。
「ただの騎士、だ」
「よく言う」
黒龍が低い地を這うような笑い声をあげた。
「オルナム・・そうか、お前がオルナム、か」
「俺を知っているのか?」
俺の問いに黒龍が応じる。
「知っているとも」
黒龍が身をわずかに動かして俺にその首を垂れた。
「聖者 オルナム・フォル・エルガーナよ」
聖者?
俺は、歯をくいしばった。
「俺は、聖者などではない!」
「いや。あなたは、間違いなく聖者だ」
黒龍が俺にひれ伏す。
「どうか、我を救ってくれ。この世界のために」
はい?
俺は、首を傾げる。
世界のため、ですか?
「我が名は、魔王 ギリアム」
黒龍が俺に話した。
「この世界の悪を一身に受ける者、だ」
それから黒龍は、己の身の上について語りだした。
「この世界が始まったときより、世界は、朽ち始めた」
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だが、この世界には、闇が強すぎた。
「このままでは、世界は、いづれ朽ち果ててしまうだろう。だから、我は、魔王となったのだ」
黒龍が俺をその黒く澄み渡った瞳で見据えた。
「魔王となりこの世界から生まれる瘴気を全てこの身に受け入れ封じてきた。だが、それにも限界がある」
魔王ギリアムは、今、瘴気に蝕まれ病んでいた。
「このままでは、近い未来に世界は滅びる。瘴気によって闇に染まることだろう」
黒龍は、俺を真摯な眼差しで見つめてこうた。
「我を救ってくれ、オルナム・フォル・エルガーナよ」
俺は、構えていたローエルタールを下げると黒龍へと歩み寄っていった。
そして、闇の塊のような黒龍の体へと手を伸ばして触れた。
「ぐぅっ!」
じゅぅっと音がして俺の手のひらが焼ける。
俺は、それでも黒龍から手を引かなかった。
あっという間に全身が焼けただれていく。
そして。
俺は、死んだ。
それから。
俺は、死んでよみがえっては、黒龍を癒し続けた。
何百回、何千回と繰り返される生と死。
その中で俺は、最強の毒耐性と癒しの力を得た。
そうして。
どのぐらいの時が過ぎたのか。
俺は、ついには闇の瘴気に蝕まれた黒龍を浄化した。
光に包まれて黒龍は、黄金に輝く清らかな竜に変化していった。
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