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10 ダンジョンで無双ですか?

10ー8 桃色の悪魔

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 10ー8 桃色の悪魔

 結局、クィンティラ・ダンジョンは、第6階層まであった。
 落ちこぼれクラスのみなさんは、ダンジョン内では無双状態だったが、いかんせん初心者だ。
 いくら人工魔道回路の力があっても攻略の要領までは補えない。
 そのせいで俺たちは、ダンジョンで二夜夜営することとなった。
 荷物は、俺とロタがほぼほぼ背負っていたから落ちこぼれクラスの面々は、心置きなくダンジョンを楽しんでいた。
 予定では、一泊二日のつもりだったので、二泊目からは、食料など現地調達となった。
 ダンジョンの魔物は、倒せば魔石を残して消滅してしまうので俺たちは、ダンジョンに生えているキノコやら食用の植物やらを採集して持ってきた干し肉とパンで食いつないだ。
 「気持ちはわかるが、これ以上深くは潜れないぞ」
 俺は、クラリスに告げた。
 クラリスは、唇を噛んで考えていたが、やがて、応じた。
 「明日。明日で最後にする。明日、攻略できなければ、我々は、このクィンティラ・ダンジョンの攻略を諦める」
 俺は、落ちこぼれクラス、といってももう、そんな名前で呼ばれることもないのかもしれないが、この女たちが眠っている横で不寝番をしながら彼女らの使っている人工魔道回路に新しい魔法石を補給したりしていた。
 ロタが俺と不寝番を交代しようと起き出してきたので俺は、火のすぐ側で毛布にくるまって横になった。
 ロタが見張ってないと身の危険を感じる。
 ダンジョンでの無双で興奮している女たちは、なんだかギラギラしていて隙あらば俺の童貞を奪おうと狙っていた。
 今ほど、バルトレット王女殿下がプレゼントしてくれた貞操帯が必要だと感じたことはなかった。
 魔法学園入学直後は、毎日のようにバルトレット王女殿下のチェックがあったから俺も仕方なく貞操帯をつけていたんだが、半年もするともうつけなくなっていた。
 バルトレット王女殿下の存在もあったが、アウラ王女殿下とロタが常に俺と一緒だったから女たちが絡んでくることも徐々に減っていったからな。
 その後は、王女殿下たちと婚約したし、誰も俺に手を出そうとはしなくなっていた。
 何より、ロタの存在が大きかったんだがな。
 ロタは、俺を狙う女たちを俺の知らないところで追い払ってくれていたようだった。
 そのため、ロタは、影で『桃色の悪魔』とか言われていたんだとか。
 この話は、クラリスが教えてくれた。
 ロタの噂は、落ちこぼれクラスにまできこえていたんだとか。
 
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