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10 ダンジョンで無双ですか?

10ー2 魔道具師の妹

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 10ー2 魔道具師の妹

 「な、なんの用です?エルガーナ様」
 ラーナは、俺たちを校舎の外の裏庭に連れ出した。
 庭といっても花も咲いてない。
 草だらけの庭だった。
 俺たちは、草の中に置かれているベンチに腰かけて話した。
 「これ、なんだが」
 俺は、小型の装置を取り出してラーナに見せた。
 俺の手のひらに収まるサイズのその装置は、小型の箱のように見える。
 ラーナが俺の手のひらを覗き見る。
 「な、なんです?これ」
 「これは、通信装置だ。離れた、といっても王都内までだが、話ができる魔道具だ。しかも、文書も送れる」
 俺が説明するとラーナが首を傾げる。
 「通信用の水晶玉みたいなものですか?」
 「ああ。だが、もっと便利なものだ」
 俺は、実際に使ってみせる。
 小型の装置の蓋を開けると俺は、それのスイッチを押して起動させた。
 「中に魔法石が入っていてこのボタンを押すと魔法が立ち上がる」
 ポン、と音がして装置の上の部分に小さくアルモス兄の姿が浮かび上がってきた。
 「はい、こちら、アルモス」
 アルモス兄は、緊張した面持ちで言った。
 ラーナがぎょっとする。
 「魔道具がしゃべった!?」
 「魔道具がしゃべったんじゃないよ。しゃべってるのは、俺の兄だ」
 俺は、しばらくアルモス兄と話した。
 「装置の調子は、どう?」
 「すっごくいいよ、オルナム」
 アルモス兄は、にこにこしている。
 実は、これと同じものをもう一つ作ってそれをアルモスの婚約者であるロザリ―にも渡していた。
 「ロザリ-と話すのに手紙を書かずに直接話せるし、ちょっとした手紙も送ることができるし、助かってるよ」
 通信を切った後、俺がラーナを振り向くとすごいギラギラした目で俺を見ていた。
 俺は、いちおう、アルモス兄が今、魔法学園からかなり離れた場所にある淑男学園にいることを教えた。
 「それ、すごく便利なものじゃないですか?」
 鼻息も荒くラーナが食いついてくる。
 「それをローナに?」
 「ああ」
 俺は、ラーナがら少し身を引くが、ラーナは、さらに俺に迫ってくる。
 「それ、あたしに作らせてもらえませんか?オルナム様」
 
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