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8 恋か、愛か
8ー1 魔道回路
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8ー1 魔道回路
魔法学園に戻った俺は、騎士になるための鍛練と同時に魔法石を使った人工の魔道回路の製作に明け暮れるようになっていた。
普通の人間には、魔法は使えない。
それは、魔道回路を持たないから。
魔法使いには、魔力の流れる回路が体内にあるのだ。
それを俺は、人工的に作り上げようと考えていた。
その人工魔道回路とそこに流すことのできる魔力の素があれば誰でも魔法が使えるようになる。
俺は、睡眠時間を削って人工魔道回路の製作に打ち込んだ。
もちろん学園の勉強もおろそかにはできない。
3回目の人工魔道回路の失敗で俺は、いらつきがマックスになっていた。
「どうしたんだ?オルナム」
剣術の授業のとき、アウラ王女殿下と木剣で手合わせしたときのことだ。
「剣が荒れているぞ!」
「そうか?」
俺は、アウラ王女殿下に打ち込んでいきながら叫んだ。
「俺は、そんな単純な人間じゃないんでね!」
そうだ。
俺は、複雑な人間だ。
いろんなことを考えなくてはいけない。
前世のこと。
陥れられて処刑された2度目の人生のこと。
そして、今の俺のこと。
もう少しなんだよ。
この世界を変えるすごい発明までもう少しで手が届くところまできているんだ。
俺は、アウラ王女殿下の剣を弾き飛ばして自分の木剣を彼女の喉元へと突きつけた。
アウラ王女殿下は、降参というように両手をあげてみせた。
「何を悩んでいるのか知らんが、話してくれなくては相談にものれない」
相談?
俺は、ふん、と鼻を鳴らした。
今、俺が作ろうとしているものについて理解できる者が今のこの世界に何人ぐらいいるのだろうか?
きっと、そんな者は、存在しない。
俺の。
この世界を変えるための発明は、あと少しのところで行き詰まっていた。
もう少しなのに。
剣術の授業の後、俺は、更衣室で汗を拭ってから服を着替えていた。
そのとき、だ。
ぐらり、と空間が歪むのを俺は、感じた。
魔族の気配、だ。
俺は、身構えた。
「そんなに身構えないで」
ぐにゃりと歪んだ景色の中から現れたなんだかのっぺりとした背の高いひょろ長い女は、俺を見てにんまりと笑った。
「君が我が同胞たちを・・それも魔族の四天王とも言われる者たちの内の二人までもを倒したとはね」
俺は、後ろに下がりながらその女を見ていた。
女の顔は、のっぺりしていてなんとも読み取りにくい表情をしている。
俺は、女に訊ねた。
「あんたも死にたいのか?」
魔法学園に戻った俺は、騎士になるための鍛練と同時に魔法石を使った人工の魔道回路の製作に明け暮れるようになっていた。
普通の人間には、魔法は使えない。
それは、魔道回路を持たないから。
魔法使いには、魔力の流れる回路が体内にあるのだ。
それを俺は、人工的に作り上げようと考えていた。
その人工魔道回路とそこに流すことのできる魔力の素があれば誰でも魔法が使えるようになる。
俺は、睡眠時間を削って人工魔道回路の製作に打ち込んだ。
もちろん学園の勉強もおろそかにはできない。
3回目の人工魔道回路の失敗で俺は、いらつきがマックスになっていた。
「どうしたんだ?オルナム」
剣術の授業のとき、アウラ王女殿下と木剣で手合わせしたときのことだ。
「剣が荒れているぞ!」
「そうか?」
俺は、アウラ王女殿下に打ち込んでいきながら叫んだ。
「俺は、そんな単純な人間じゃないんでね!」
そうだ。
俺は、複雑な人間だ。
いろんなことを考えなくてはいけない。
前世のこと。
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そして、今の俺のこと。
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俺は、アウラ王女殿下の剣を弾き飛ばして自分の木剣を彼女の喉元へと突きつけた。
アウラ王女殿下は、降参というように両手をあげてみせた。
「何を悩んでいるのか知らんが、話してくれなくては相談にものれない」
相談?
俺は、ふん、と鼻を鳴らした。
今、俺が作ろうとしているものについて理解できる者が今のこの世界に何人ぐらいいるのだろうか?
きっと、そんな者は、存在しない。
俺の。
この世界を変えるための発明は、あと少しのところで行き詰まっていた。
もう少しなのに。
剣術の授業の後、俺は、更衣室で汗を拭ってから服を着替えていた。
そのとき、だ。
ぐらり、と空間が歪むのを俺は、感じた。
魔族の気配、だ。
俺は、身構えた。
「そんなに身構えないで」
ぐにゃりと歪んだ景色の中から現れたなんだかのっぺりとした背の高いひょろ長い女は、俺を見てにんまりと笑った。
「君が我が同胞たちを・・それも魔族の四天王とも言われる者たちの内の二人までもを倒したとはね」
俺は、後ろに下がりながらその女を見ていた。
女の顔は、のっぺりしていてなんとも読み取りにくい表情をしている。
俺は、女に訊ねた。
「あんたも死にたいのか?」
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